豊岡から京都丹後鉄道の普通列車で到着した西舞鶴駅。
JR西日本舞鶴線との乗り換え駅で、京都から直通の特急まいづる号も停車します。
JR の改札が橋上にあるのに対し、京都丹後鉄道の改札は地平にあります。
さて今回はここ西舞鶴駅と天橋立の間で運転さるている京都丹後鉄道の観光列車「あかまつ号」に乗車します。
あかまつ号の乗車には乗車券のほかに乗車整理券550円が必要です。
座席指定ではありませんが、整理券は定員までしか発売されない仕組みになっているようで、京都丹後鉄道のHPには予約制カフェ列車と紹介されています。
なお京都丹後鉄道には「あかまつ号」のほか、予約制レストラン列車「くろまつ号」、予約不要観光列車「あおまつ号」も運転されています。
あかまつ号車両。西舞鶴駅と天橋立の間を2往復していますが、今回は西舞鶴駅発13:44の便に乗車します。
車内は鉄道デザイナーの水戸岡氏の設計によるもので、木を多用しソファーやショーケース(本棚)などが配置されています。
新型コロナの影響による運休から復帰して間もないためか、本日の乗客は6人と少なく、バリエーションのある座席を自由に選べる状況でした。
とりあえず2人掛けのテーブル席に着席。
定刻に西舞鶴駅を発車すると、マスクにシールド姿のアテンダントさんから記念乗車証とおしぼりが配られました。
記念乗車証は車内にある日付入りのスタンプ押印と
乗車整理券を挟んで完成させる趣向になっています。
西舞鶴から2駅目の四所駅では約20分の停車時間があります。
アテンダントさんに申し出て乗車記念の写真を撮ってもらうなどのサービスもあるようでしたが、
本日は空いていることもあって、皆さん車内で思い思いの時間を過ごしているようでした。
発車時刻を確認して駅前へ出てみることに。
対向のホームには紫陽花が咲いており季節感のある写真を撮ることができました。
コンパクトな四所駅舎。
★観光列車乗車中に駅の外へ出る行為は乗車券の種類によってはルールに抵触する可能性があるので確認が必要です。
長閑な駅前には木造の美容院が。
すでに店を閉めているようですが、看板はそれほど古いものではないようで、最近まで営業していたのかも知れません。
美容院のほかは民家が数軒、その先には里山と田んぼの緑が広がっていました。
車内に戻り売店コーナーに立ち寄り。
カフェ列車の宣伝のとおり、ここでドリンクや茶菓子、乗車記念品などを買うことができます。
アイスティーと丹鉄パウンドという小さなケーキ、「あおまつ、あかまつ、くろまつ」の観光列車が並ぶデザインのクリアファイルを購入。
西舞鶴発車から約40分。
列車は由良川の河口にかかる由良川鉄橋を渡ります。
長さ約550メートル。水面からの高さが約6メートルと低いことが特徴です。
進行方向右手は日本海。
左手は由良川の上流方向を眺めることができます。
由良川は兵庫県の播磨灘に注ぐ加古川と本州で最も低い中央分水界を構成していることでも知られ、「ゆったりと流れる川」そんな印象があります。
由良川鉄橋を渡った列車は丹後由良駅でも18分停車します。
あかまつ号の到着と入れ違いに、予約制レストラン列車の「くろまつ号」が西舞鶴方面へ発車していきました。
丹後由良駅舎。
丹後由良海水浴場の最寄り駅となっています。
駅舎内ではパンなどの販売がありました。
小さなカレーパンを買うとまだ温かく、車内販売のドリンクと合わせてテーブル席で車窓を愛でながら軽食というのも悪くなさそうです。
丹後由良を発車した列車は丹後由良海水浴場付近で日本海沿いに出ます。
列車は日本海をのぞむビュースポットで暫く停車。
停車中、沖合いに見える2つの島についてアテンダントさんが解説してくれました。
後で調べ直して記事にしようと思っていたのに意外とネット上に情報がなく書くことができません。
これは、あかまつ号に乗車して「教えてもらう」しかなさそうです。
ターミナルの宮津駅を経て15:09、終点の天橋立に到着。
レトロと斬新な雰囲気が同居する天橋立駅のコンコース周辺。写真左手のカウンターは観光案内所です。
天橋立駅舎。
駅から徒歩5分程の範囲内に天橋立を俯瞰できる天橋立ビューランド、
「文殊の知恵」で知られる文殊堂を有する知恩寺、
天橋立を海上から眺めることができる観光船乗り場などが密集しており、
天橋立は鉄道で訪れるのに適した観光地であると言えそうです。
まず「駅裏」とも言える場所にある天橋立ビューランドへ。
リフトまたは小型モノレールで「飛龍観」と呼ばれる天橋立のビュースポットへ向かいます。
リフト・モノレール共通往復券は850円。
リフトがメインで、モノレールはリフトに乗ることが困難な人のために運行されているという印象です。
リフトは待ち時間なしで利用できました。
ソーシャルディスタンスの観点でも理想的な乗り物です。
スキー場以外でのリフト利用は貴重な体験です。
背後には天橋立の景色が広がっていますが、あまり振り返ると危険なので復路の楽しみにとっておくのがよいでしょう。
リフト乗車6分で到着した「飛龍観」展望台。
展望台周辺はやや懐かしい雰囲気の遊園地になっています。
「飛龍観」展望台から見た天橋立。
飛龍観の看板。
ビューランド内を一回りして、
復路のリフトに乗車。
天橋立を眺めながらその付け根部分へと降りていきます。
視界左手の山をよく見るとケーブルカーの軌道がみえますが、
ビューランドより長い歴史を持つ天橋立ビュースポット「傘松公園」へ向かうものです。
何十年も前ですが、傘松公園から天橋立を眺めた記憶があります。
正直なところ斜めの方向から天橋立の全景をみることができる傘松公園のほうがビュースポットとしては格上ではないかという気もしますが、
あちらは鉄道で訪問した場合、天橋立駅からバスやタクシーのお世話になる必要があり、
両者はある意味「バランスを保っている」というか「棲み分けができている」のかも知れません。
リフトを降りて、知恩寺へと続く門前街を散歩。道沿いには土産物屋や飲食店が並んでいます。
知恩寺山門。
文殊堂。
知恩寺に隣接して観光船の乗り場があります。
観光船は複数のルートがあるようですが15分程度のものが主流のようで、
天橋立駅到着から2時間あれば、ビューランド・知恩寺文殊堂見学、観光船乗船、門前街散策をして駅に戻ることも十分可能です。
このあと普通列車で天橋立駅から隣の宮津駅に移動し、京都丹後鉄道のルーツともいえる宮福線で福知山へ向かいました。
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