今回は2013年6月、当時東海道新幹線最速であった新大阪6:00⇒東京8:26の「のぞみ200号」と世界最速タイの時速320㎞運転開始間もない東京発9:36⇒新青森12:35の「はやぶさ9号」を乗り継いで青森まで行き、
三内丸山遺跡などを訪れた後、青森発の寝台特急あけぼの号のA個室に乗車。
翌朝到着した上野から東京駅に移動し、JR高速バス「新東名スーパーライナー」と近鉄特急アーバンライナーを利用して大阪に戻る行程で旅行をした際の写真と日記から記事を作成しました。
(日記を編集したため当ブログの他の記事とは「言い回し」が異なっています。)
2013年6月15日 朝一番の東京行のぞみに乗車するため前泊した新大阪駅前のワシントンホテルプラザの客室から撮影。
午前4時50分。目覚ましの音で起床。カーテンを開けると日の出から間もないようだ。雲が出ているが雨が降るような天気ではない。
昨日買っておいたパンを食べ、5時30分頃に部屋を出る。
新大阪駅は6時台だけでひかり・のぞみ合わせて10本以上が東京にむけて発車し、もちろん九州方面へ向かう下りもあるので5時台とは思えない活気があった。
新幹線とくに東海道新幹線は旅情がなく、普段は敬遠しているが、東京まで2時間20分台の最速便に乗車することもあって改札を抜けると期待が高まってくる。
発車まで15分以上あったが、乗車する6時発の「のぞみ200号」はすでにホームでドアを開けて客待ち中。
少しずつ乗ってきたが余裕のある乗車率で新大阪を発車。
発車すると持参したGPSロガーの速度表示は、ぐんぐんのびて京都までの短区間でも最高時速の270kmに迫る。
約10分で京都到着の放送、京都でも乗ってくるがまだ空席多数。
京都から米原までは在来線の新快速に乗っても、名神高速を走っても実際の距離以上に長く感じるのだが、さすがに新幹線は早い。
あれが草津か、あれが近江八幡の駅前だな、あの街並みはもう彦根か。という感じで、実際に米原まで20分もかからない。
米原駅を通過したのち関ケ原を越え濃尾平野に出るともう名古屋。
名古屋駅での乗降中に3分あとに新大阪を出た後続ののぞみがホームの向かい側に入線してくる。
中央線など首都圏の通勤ラッシュ時のような光景であり、土休日の朝にここまで必要なのかと思ってしまう。
名古屋を出るとすぐに時速260km以上に加速してそのまま巡航。
沿線はまだ名古屋近郊の市街地がつづいており高度成長期に騒音公害が問題になったのはこのあたりだろうか。
子供のころ轟音を立てて接近しパンタグラフからバチバチという音ともに青白い光を放ちながら通過する0系新幹線は、恐ろしい感じすらして、当時から新幹線は鉄道への興味の中では悪い方の意味で別格扱いだったように思う。
今の新幹線はあの頃に比べると通過音は静かになったように思うし、青白い光も昼間は見えなくなった。時刻表ではわからない技術の進化を実感する。
また一般的には乗り心地がよいとされる機関車方式をとっているヨーロッパの高速列車ユーロスターやタリスより乗り心地も快適で車内の騒音も少ない。
名古屋から約20分で浜名湖が見えてくる。時刻は7時12分を回ったところ。このあたりで東京を6時に発車した朝一番の下り「のぞみ」とすれ違うダイヤになっているはずと思ううち、小さな振動とともに対向列車とすれ違い。
時刻は7時13分。乗車中の列車は新大阪発6時、東京着8時26分で相手も同じような発時刻・着時刻になっているものと思われ、ダイヤの正確さについてはヨーロッパの高速列車との比較を要しない高いレベルにある。
静岡付近でトイレに立ち、名古屋を発車しても3列席の真ん中の席がほとんど空席であることに気づく。東海道新幹線のぞみ号の平均乗車率は80パーセント以上だろうから比較的空いているということになる。
ディズニーランドに向かうと思われる親子連れなどもかなり乗っているのに、子供までもが押し黙り、長距離の名古屋~新横浜を黙々と突き進んでいく様子は相変わらずで、今後人口が減り輸送力に余裕が出てきたら楽しい乗り物にする努力があってもいいだろうな。と思う。
戦前の弾丸列車計画に基づいて着工された名残で熱海付近は減速。
速度が回復し小田原を通過すると、あと13分で新横浜に到着します。と放送がある。
最高時速220km、所要時間2時間50分の時代より体感的にも随分早くなったと思う。
神奈川県に入ってから横浜までの在来線や東名高速だと距離を感じるが小田原から10分もすれば減速がはじまり「とにかく早い」の一言。
新横浜からの区間も場所によっては時速170㎞位までは加速。
1992年ののぞみ運転開始当初、朝一番の下りのぞみ号は利用できる人を増やすため新横浜に停めるかわりに、新大阪まで2時間30分で到達させるために全列車停車の名古屋と京都を通過して話題を呼んだが、この列車は京都、名古屋、新横浜、品川に停車して2時間26分。
カーブで車体を内側に傾ける車体傾斜装置の搭載や加速力の向上以外にも、このあたりで通過速度を向上させたのではないか。と思う。
最高時速が270kmのままといっても「のぞみ」は確実に進化している。
品川停車ののち定刻8時26分に東京到着。たしかに新大阪から2時間20分台でここまで来た。いつも在来線や高速バスなので早すぎて東京に着いた実感に欠ける。
東京では駅ナカのイートインベーカリーでコーヒーでも飲みながら新青森行のはやぶさ9号発車まで1時間強を過ごそうと思っていたが、結局ニューデイズでパン・コーヒーなどを買って待合室で過ごす。
乗り継ぎの「はやぶさ9号」の発車時刻9時36分の20分ほど前にホームに入る。
東北・上越・北陸新幹線ホームは、東海道新幹線に比べて車両も行先も多彩で、少なくとも土日は華やいだ空気に包まれるようだ。
はやぶさ9号は発車10分ほど前に入線。時刻からして朝6時台に新青森を出てきた1番列車と思われる。
折り返しのため車内清掃と座席転換が終わるのを待って乗車。席につくとすぐに発車となり、この点は新大阪の方がゆとりがあった。
はやぶさは全車指定席で車内放送によれば乗車列車は満席とのこと。
時速320km運転で久しぶりに世界最速タイに返り咲いた「はやぶさ号」だが、大宮までは110km、大宮を出ても宇都宮通過までは200km台での運転。
宇都宮駅を通過後、ロガーの数字を注視するが305kmくらいで加速をやめてしまう。
ダイヤには余裕があって遅れない限り320kmを出さずとも定時で走ることができるようだが、310kmにも達さないのは意外。
はやぶさ料金なる追加料金まで払っているのに騙されたような気分になる。
大宮から約1時間、大きな市街地が近づき減速。結局310kmに達さないまま仙台に到着してしまった。
仙台の都市規模からすれば半分くらい下車すると思っていたがそれほど空かず発車。
仙台からは猛然と加速するのかと思えば、160㎞あたりでしばらく徐行。しかしその後息の長い加速をつづけ318kmまで加速。
今度はトップスピードを維持し310kmを下回る様子がない。
先ほどの160km運転がなんらかの異常で遅れが発生したため回復運転を行っているのか、元からそういうダイヤになっているのかはわからないが、300kmと320kmの違いはロガーの表示を見なくてもわかる。
高架のすぐ下の近景の流れが早く目で追うことができない。
仙台から40分かからず盛岡に接近。
豪農風の大きな家が田園地帯に点在し、防風か防雪か大きな樹木が各家屋を見守っている、こういう風景を見ると東北に来たなと思う。
盛岡は東北新幹線開業時から長らく終点だったが、今は地味な中間駅という感じで秋田新幹線は分岐するものの、
同じような条件の福島駅を思うと、全列車停車といことさえ不思議な気がしてくる。
盛岡からは新規開業区間だが最高時速は260km。
いわゆる整備新幹線計画の開業区間は長野や九州も同じ速度になっているが、北海道への延伸計画がある東北新幹線は別格にしたほうがよいのではないか。
320㎞運転のあとの260km運転は「しっかり走っていない」印象を受けるし、トンネル区間が長いこともあり仙台~盛岡と対照的に盛岡~新青森は長く感じられた。
数年後開業の函館はともかく20年後ともいわれる札幌開業を考えたとき、東京札幌の足として新幹線を利用してもらえるだろうか。と思う。
360kmまで最高時速を向上させても4時間程度かかるようだし、かといって東京札幌間での利用を視野に入れなければ莫大な工費の説明がつかなくなりそうだ。
おそらく札幌開業よりもっと早い段階で320kmからさらにスピードアップが実施され、そのときは盛岡以北の260km運転にもメスが入るのではないだろうか。
東京から2時間59分、12時35分に新青森に到着。
車内は空いていても10両編成の車内にいた客が全員下車するとかなりの人数だった。
もっともその一団が改札を抜けきってしまうと駅施設こそ巨大でも、時間の流れや雰囲気はローカル線の駅と大差なくなってしまったが。
(写真 新青森駅の在来線ホームで発車を待つ北海道方面への特急列車)
このあと駅前からバスで三内丸山遺跡や青森県立美術館を訪問したのち
夕方に青森駅に戻り寝台特急あけぼの号のA個室に乗車しました。
つづきはこちらです。