シアトル市街地(Tモバイルパーク最寄のスタジアム駅)からライトレールで約30分。シアトル・タコマ国際空港に隣接するエアポート駅に到着。
タコマと聞いて筆者が連想するのは動画サイトなどにも投稿されているタコマ橋(吊り橋)落下の映像なのですが、この付近にあったのでしょうか。
橋の落下は橋上で発生する対流が原因であることがわかり、その知見は大鳴門橋や明石海峡大橋など日本の吊り橋の構造にも反映されています。
ライトレールの駅から徒歩5分程で到着したターミナルビル。
それほど大きなターミナルではく機能本位でやや古びた印象を受けました。
日本の空港で言えばリニューアル前の伊丹空港や福岡空港のようなイメージです。
ここから17:00発のデルタ航空4474便に搭乗しバンクーバーへ向かいます。
1時間の短距離路線とはいえアメリカとカナダを結ぶ国際線への搭乗ですが、保安検査のみで出国手続きはありません。
バンクーバーに到着するとカナダ入国手続きが待っていますが、搭乗時の感覚としてはEU内路線を利用するときに似ています。
制限エリア内にるデルタの航空会社ラウンジ「スカイクラブ」。
デルタが加盟するスカイチームは国内でこそ縁遠い存在ですが、近隣国に目をやれば大韓航空やチャイナエアライン(台湾)、中国東方航空などが加盟しており、それらの国への渡航が多い場合はJALが加盟するワンワールドより身近な存在といえそうです。
アメリカへの渡航は少なくても、それらの航空会社のフライトを重ねることでスカイチームの上級会員になれば入室できるはずですが、
航空券の裏面広告にあった、こちらのカード。
デルタアメックスゴールドカードを日本で発行すれば、飛行機に一度も乗ることなくスカイチームの上級会員になることができてしまいます。
日本で発行されているものは年会費26000円で、以前は所持しているだけでスカイチームの上級会員資格「ゴールドメダリオン」を維持することができましたが、
最近の改定により現在では初年度は無条件・2年目以降は150万円のカード利用が条件になっています。
改定は物議を醸したようですが、それでもメインカードとして日常使いしていれば年会費26000円だけでスカイチーム加盟各社で上級会員として優遇されることは難しくなく、十分に魅力のあるカードといえるのではないでしょうか。
なお広告を見れば明らかですが、同じカードでもアメリカ国内発行分については「ゴールドメダリオン」の特権はありません。
搭乗機が到着。
エンブラエル社の小型機は伊丹空港拠点のJALの系列会社J AIR に多数在籍しており、伊丹発着のJALの大半の路線が同社の機材(E170・E190)で運航されているイメージがあります。
今回は約20米ドルの追加料金を支払って機内前方に設けられた上級座席「コンフォートプラス」を予約していましたが、
エコノミーの2列・2列に対して、1列・2列のシート配置からシートの形状に至るまで、先述のJ AIRで運航されているエンブラエル190の「クラスJシート」そのもので驚きました。
予約メールにはNO CABIN SERVICEの文字がありましたが、実際には各座席にミネラルウォーターをおつまみが用意されていたほか、出発前にはCAさんがコーヒーなど飲み物の注文を聞いてくれました。
CAさんの洗練された雰囲気や機内における乗客の落ち着いた様子などは、
「恰幅の良い淑女が狭いシートに押し込まれた大柄の乗客を睨みつけながら通路を闊歩しコーラを配って回る」
というような筆者の偏見に満ちたアメリカの航空会社に対するイメージを一変させるものでした。
追加料金は「クラスJ」のおよそ2倍ですが、こちらはサービス面でもエコノミーと差がつけられており、よりビジネスクラスに近い存在という印象です。
17:00。ほぼ定刻に駐機場を離れ滑走路へ。
駐機場にならぶアラスカ航空の機体。
垂直尾翼に描かれた男性は一応モデルとなる人物がいるようですが、社会的に高い地位や名声を得た人物というわけでもなく、単なる「エスキモーのおじさん」というのが面白いところです。
こちらはユナイテッド航空。
今回は搭乗中のデルタ便とほぼ同額で、シアトル⇒サンフランシスコ⇒バンクーバーという遠回りルートのユナイテッド航空利用の航空券が発売されていました。
SFCつまりスターアライアンスゴールドの特権で乗り継ぎのサンフランシスコではユナイテッド航空のラウンジも使えるはずで随分悩みましたが、バンクーバーのホテル到着時刻が深夜になる可能性があり、空港アクセスのスカイトレインの最終や治安状況への不安から断念してしまいました。
夕陽を望みながら離陸上昇。
バンクーバーからの往路で利用しようとして代行バスになってしまったアムトラック(鉄道)のカスケード号の愛称は、沿線の名山から借用したものですが、どこかにその山容が見えていたかもしれません。
シアトルからバンクーバーはバスでも走行時間3時間の距離であり、日本に絡む国際線に例えれば福岡~釜山程度の距離しかありません。
比較的低空を飛行しても水平飛行の時間はわずかのようでした。
間もなく高度を下げるとバンクーバ-の夜景が機窓に広がります。
着陸待ちなどもなくシアトルで駐機場を離れてから1時間かからずにバンクーバー空港に到着しました。
今回の筆者のようにバンクーバー滞在中にアメリカに一時出国するという方は少なくないようですが、
アメリカから帰国した際の二度目のカナダ入国時には係官から質問攻めにさせることもあるようですので、
日本への帰国便の航空券を用意しておくなどの対策をしておいたほうがよいかもしれません。
***前出のアムトラック代替バス乗車の記事でアムトラックを貨物主体の会社と記述していましたが誤りでありアムトラックは旅客会社です。記事は一部消去訂正させていただきました。***
つづきはこちらです。