大阪から特急サンダーバード号と北陸新幹線つるぎ号を乗り継いで富山に到着。
北陸新幹線開業に伴い高架になった富山駅の高架下には富山地方鉄道の路面電車が乗り入れています。
現状では南側から高架下に進入した地点で終点となっていますが、
高架下を通り抜け、北口側をターミナルとする富山ライトレールと直結する工事が進められています。
富山駅北口。ライトレールの駅はすでに撤去され仮設駅に移っていました。
富山ライトレールはJR 西日本富山港線の後を受けて開業した新しい鉄道で、新規に敷設された富山市街地の路面区間を抜けると元JR 富山港線の軌道を走行して終点の岩瀬浜駅へ向かいます。
JR 時代には1時間に1本程度であったものを15分毎に大増発したこともあり利用者はJR 時代の数倍に増えています。
「公共交通機関をなくす地方都市とは反対のことをする」という富山市の交通政策は全国から注目を集めています。
こちらは南口。
南口の東端には富山地方鉄道（鉄道線）の富山駅があります。
改札近くからホームをのぞくと観光列車アルプスエキスプレス号として運行される車両が停車していました。（右の車両）
次発の普通立山行として運転されるようです。
富山地方鉄道の路線は富山駅から宇奈月温泉に至る本線。（水色と青色）
本線の途中寺田駅から分岐して立山に至る立山線。（緑色）
富山の次の駅である稲荷町から分岐して立山線岩峅寺駅に至る不二越・上滝線で構成されています。（オレンジ色）
総延長は約100kmと地方私鉄としては最長クラスです。
ダイヤは富山駅地点で本線が1時間に2～3本。
立山線方面、不二越上滝線方面がそれぞれ1時間に1～2本となっています。
宇奈月方面・立山方面へは特急の運転もあります。
立山行で本線と立山線が分岐する寺田駅まで行ってみることにしました。
車内はアルプスエキスプレス号として運転するため大幅に改造されていますが、外観は出自である西武鉄道の特急として活躍していた時代のままです。
3両編成で両端の車両はリクライニングシート。
真ん中の車両は窓に向いた座席と売店コーナーになっています。（売店コーナーはアルプスエキスプレスとして運転する場合のみ営業）
西武鉄道の特急レッドアロー号として登場したのは昭和45年。
富山地方鉄道への移籍は平成8年です。
富山地方鉄道移籍後しばらくは西武鉄道時代に近い姿で運転されていましたが、平成23年にアルプスエキスプレス号仕様に再改造され現在に至っています。
運転台は西武鉄道時代からほとんど変わっていないようで昭和の電車らしい造りになっていました。
富山駅発車後は市街地や郊外の住宅地の車窓がつづきますが、常願寺川にかかる長い鉄橋にさしかかると視界が開けます。
途中駅の駅舎や駅名票はレトロな雰囲気が漂っていました。
寺田駅に到着。
2つの路線の分岐駅であることが一目でわかる駅構造になっています。
駅の敷地は広いですが、駅舎は小ぶりで駅前に店舗などはありません。
時刻表を確認すると間もなく宇奈月方面からの特急うなづき号が到着するようだったので、券売機ではなく駅員さん手売りの切符を買って乗車、富山駅に戻ことにしました。
こちらは大手私鉄からの移籍車両ではなく富山地方鉄道自社発注の車両です。製造年は昭和56年と車内に記載がありました。
富山地方鉄道の特急は一部を除いて自由席ですが、110円の特急券を購入する必要があります。
特別急行券の文字に乗車中の富山地方鉄道の特急車両の絵が入った特急券は、富山駅到着後に無効印を押してもらい乗車記念に持ち帰りました。
富山駅到着時の車内運賃表。
立山から1230円（特急券込みで1340円）にくらべ寺田から530円は割高な印象です。
立山～富山を乗り通す客の多くは観光客だと思います。
地元客が頻繁に利用する区間の運賃を少しでも低く抑えて、観光利用が多い区間はもう少し負担してもらってもよいのではないかと個人的には思いました。
ちなみに先述のアルプスエキスプレス号は真ん中の特別車両のみ指定席で220円。両端のリクライニングシート車両は自由席で特急券110円の追加のみで乗車できます。
仮にリクライニングシート車両300円、特別車両500円にしたら利用者が半減したりするものなのでしょうか。
富山駅に到着した特急車両。クールな色使いが印象的です、赤帯は降雪時の視認性（外部からの）確保に役立っているのかもしれません。
富山駅併設の特産品・土産物売場「とやマルシェ」。
つづき高山線経由の名古屋行特急ひだ20号乗車記はこちらです。