西浦特急 鉄道と旅のブログ

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【片道3000円で乗車】夜行バス「北陸ドリーム四国号」乗車記(松茂23:33→金沢駅7:06)

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神戸淡路鳴門道の終点鳴門インターから国道11号を徳島方面へ約5分。
徳島県板野郡松茂町は徳島市と鳴門市の中間に位置し徳島空港の所在地でもあります。

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今回はここ「松茂」のバス停からJR夜行バスの新路線「北陸ドリーム四国号」で金沢へ向かいます。
「北陸ドリーム四国号」は四国の高知から高松・徳島を経由して北陸の福井・金沢・富山へを向かう路線です。
政令指定都市クラスの大都市に絡まない夜行高速バスはほとんど例がなく今後の利用状況が注目される新路線です。

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松茂停留所のサブ名称にもなっている「徳島とくとくターミナル」は下り線のバス停に隣接する土産物や特産品を扱う物産館のことですが、北陸方面への「北陸ドリーム四国号」は、6車線を跨ぐ長い歩道橋を渡ったところにある上り線側のバス停からの乗車です。

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上り線側にも冷暖房完備の待合室があり日中は乗車券の販売窓口も開いています。

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ここ松茂バス停を発着するバスの本数は非常に多く、大阪行、神戸行がそれぞれ30分毎にあるほか、京都、関西空港、高松、岡山、広島などへの路線があります。
深夜の時間帯には東京方面や名古屋方面への夜行バスが以前からありましたが、2019年6月21日に、これから乗車する「北陸ドリーム四国号」福井駅、金沢駅経由富山駅行が新たに加わりました。
松茂の発車は23時33分です。
ここ松茂が四国側最後の乗車停留所で、次の停車地は降車停留所の福井駅となっています。

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松茂停留所の隣接には1日あたり平日300円、土休日400円程度の格安の駐車場が多数あり、「北陸ドリーム四国号」に限らず四国内や淡路島からここまで車で来て高速バスに乗り換え遠方へ出かけるには非常に便利です。

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バス停に隣接してローソンもあるので深夜の出発でも乗車前に食事や飲料を確保できます。

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23時38分頃、5分程遅れて北陸ドリーム四国号が到着。車両は共同運行のJR四国バスの車両と西日本JRバスの車両が使用されるようですが、今日は西日本JRバスの車両でした。

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ドア横の「クレイドルシート」のステッカーが目立ちます。

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車内は3列独立シートです。「クレイドル」は「ゆりかご」のことで、背もたれをリクライニングすると座面が持ち上がる構造になっています、

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アメニティはスリッパのみ、以前の夜行バス車両では標準装備になっていたオーディオ設備は個人端末の普及などで省略されたようです。

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車内はほぼ満席。
松茂を発車すると明朝の北陸各地への到着時刻や注意事項の車内放送のあとすぐに車内は減光されました。
以前の夜行バスは「消灯」が多かったと思いますが、安全や防犯の観点からか明るさを残すようになったようです。

鳴門インターから高速道路に上がった後、何度か乗務員の休憩のため停車するのがわかりましたが、エンジン音が気になりつつもいつも間にか就寝。

大阪府の高槻ジャンクションで、2017年に開通した新名神高速道路から昭和40年代開通の名神高速道路に入ると急に乗り心地が悪くなって目が覚めてしまいましたが、
その後しばらくで一般道へ降りるのがわかりました。

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事故通行止めでもあったかとスマホで現在地を検索すると、京都市内を走り西大路駅西方のJRバスの車庫に停車したようです。
「北陸ドリーム四国号」はJR四国バスと西日本JRバスの共同運行で車両は両方のものが使われ、それぞれ相手方の営業エリアまで乗り入れますが、
乗務員はここで北陸方面への便の場合、JR四国バスから西日本JRバスの乗務員に交代するようです。
到着したのは午前2時10分。10分程停車したのち再び一般道を走り京都南インターから名神高速道路に復帰しました。

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京都南インターから名神高速を走り米原ジャンクションから北陸道に入ったはずですが、クレイドルシートの威力なのかずっと寝ていて覚えていません。
「福井県の南条サービスエリアに間もなく到着します。ここで5時まで20分休憩します」という放送で目が覚めました。

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車外に出てもまだ夜が明ける気配はありません。

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深夜でも土産物などが買えるほか、隣にはファミリーマートもあるなど大きなサービスエリアでした。

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北陸道南条サービスエリアは北陸路の入口とでもいうべき場所に位置しています。鉄道でいえば敦賀から北陸トンネルを抜けたあたりです。

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南条サービスエリアから約30分で福井駅に到着。
外はすでに明るくなっています。下車は10人以下だったようです。

再び北陸道をはしり、高速道路上のバス停「北陸小松」では数人の下車があったようです。

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6時50分頃。目が覚めるとすでに金沢市内の一般道を走っていました。

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7時00分。定刻の7時06分より若干早く金沢駅の金沢港口に到着。
「四国方面の北陸ドリーム四国号の乗り場は駅の反対側の兼六園口ですのでお帰りの際はご注意を」と到着時の放送に補足がありました。

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ここで15人くらいが下車。バスはこのあと終点の富山駅へむかいますが、車内に残った客がのほうが少なかった印象です。

区間乗車とはいえ実際に利用してみて、これまで日中も含め直通する交通機関がなかった四国と北陸の間を寝ている間に移動できる北陸ドリーム四国号の利用価値は大きいと感じました。
運賃面については、今回はキャンペーン運賃の3000円にネット割引が適用になった2940円という破格での乗車で文句なしにコストパフォーマンスがよかったのですが、キャンペーンが終わる10月からは徳島・松茂~金沢の場合、閑散期で7000円、最繁忙期で14000円となるようです。

追記:キャンペーン期間は当初の9月末日までから10月末日までに延長されたようです。

所定の運賃は低価格路線を前面に出すような設定ではなく、その時になって利用者がどのような判断を下すかが注目されます。
ちなみに従来の徳島~金沢の一般的なルートである、大阪で高速バスとJR特急サンダーバードを乗り継ぐルートの運賃は1万円を少し上回る程度となっています。

このあと北陸鉄道浅野川線を訪ね、復路は小松空港からANAの羽田空港乗り継ぎで徳島に戻りました。
つづきはこちらです。 
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