西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

能勢電鉄訪問記3 山下駅の珍しい運用と日生線。

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バスとケーブルカーを乗り継いで妙見山の中腹まで登ったのち折り返し、能勢電鉄妙見線の終点妙見口駅まで戻ってきました。

 

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妙見口駅は平均10分毎に電車が到着するターミナル駅としては小ぶりで質素な外観ですが、駅舎内はレトロ調の装飾がほどこしてあり、近郊の行楽地への玄関駅らしい雰囲気を醸しています。

 

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再び復刻塗装の2両編成の電車に乗車して日生線との分岐点である山下駅まで戻ります。

 

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約10分で山下駅に到着。

妙見線下り3番ホームに到着しドアが開くと、1番線に停車中の日生中央行きの電車が見え、接続ダイヤの出来栄えに感心していたら、

 

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乗り換えの階段を降り始める前にドアが閉まり発車してしまいました。

 

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能勢電鉄は日中でも全線が10分毎の運転です。目の前で電車が発車してしまっても待ち時間は10分未満のはずですが、山下駅の時刻表を確認すると□で囲まれた日生中央行きは先ほど発車した15時31分の次は15時45分。

1時間6本、平均10分間隔と言っても実際の運転間隔は14分、6分の繰り返しでバラつきが大きくなっています。

31分発の電車の山下駅での停車時間を2分程延ばせば、間隔は12分、8分と均等に近くなるうえ、妙見口方面からの乗り換えもできるはずですが、

今回も妙見線の電車から山下駅で日生中央行きの乗り換えようとしたのは筆者だけだったようですし、途中駅での運転間隔や山下駅での妙見線と日生線の接続よりも、起点で阪急宝塚線との乗換駅である川西能勢口駅と各駅を最短時間で結ぶことに主眼を置いたダイヤになっているようです。

 

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思いがけず時間が出来たので駅の外へ出てみました。

山下駅は能勢電鉄(妙見線)開業時からある駅ですが昭和51年に若干移転のうえ現在の高架駅になりました。

当駅で妙見線から分岐する日生線は現在の山下駅の完成から2年後の昭和53年に開発・入居が進捗した「日生ニュータウン」への足として開業しており、駅の移転や高架化はその開業準備として実施されたようです。

乗降は1日7000人程度あるようですが、日曜午後の駅周辺は静かでした。

 

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駅前にはコンビニが一店。バスターミナルには阪急バスが発着していましたが、別路線の駅などへ向かう路線ではなく近隣の住宅地とを結ぶ路線のようでした。

 

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山下駅改札付近の反転フラップ式の発車表示。

山下駅は3面4線という珍しい構造になっています。

西側のホームが1番線で日生線下り(日生中央方面)、

中央の島式ホームが2番線・3番線で2番線が日生線上り(川西能勢口方面)3番線が妙見線下り(妙見口方面)

東側のホームが4番線で妙見線上り(川西能勢口方面)となっています。

 

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ホームに上がると折り返し日生中央行きとなる山下駅止まりの列車が日生線上りホーム2番線に到着するところでした。

この列車が一旦川西能勢口駅方へ引き揚げて1番線に入線。15時45分発の日生中央行となります。

このような折り返しは特に私鉄の大都市近郊駅ではよく見られますが、山下駅での折り返しは他では見られない特徴があります。

 

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2番線に山下駅止まりの列車が到着して間もなく向かいの3番線には川西能勢口からの妙見口行きが到着。

2番線の列車は山下駅止まりにもかかわらずドアを開いた状態で停車しており、3番線に到着した妙見口行から多くの乗客が乗り換えるのが見えました。

 

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2番線の山下駅止まりの列車は川西能勢口方面から到着した妙見口行からの乗り換え客を乗せた状態で川西能勢口方向(上り方向)へ発車。

ポイントを渡って下り線に転線します。

 

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100mほど進んで下り線の本線上に乗客を乗せた状態でしばらく停車したのち進行方向を変え

 

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山下駅1番線に入線します。

 

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1番線での停車時間はわずかで乗車(理屈上1番線での降車はないはず)が終わるとすぐに発車しました。

「川西能勢口駅から妙見口行きの電車が到着する前に2番線から1番線に転線しようとすれば、下り本線上において到着する妙見口行きの進路を支障してしまう。」という前提があって、

「やむを得ず妙見口行きが3番線に到着したあとに転線するなら、階段を登り降りしなくてよい向かいのホームで乗り換え客を乗せてしまえば、旅客サービス上も好ましい」ということで、本来は回送状態で行う転線を客を乗せてやっているということのようです。

それにしても慣れない乗客にすれば、日生中央行きに乗り換えたはずが反対方向に発車?本線上で折り返したと思ったら、再び同じ駅に入線してドアが開く?と何度も驚かされることでしょう。

 

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走り出した日生中央行きの車窓にはニュータウンの景色が広がります。

日生ニュータウンは計画人口30000人の大規模ニュータウンで昭和50年頃から入居が始まりました。

名称の「日生」は開発者である「日本生命(保険会社)」のことで、当時の国の住宅政策への協力のほか、資金の運用(投資)の意味合いもあったようです。

 

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妙見線の電車では「山里の風景」が描かれていた窓の日除けは、日生線では沿線のニュータウンをイメージしているのか「家並み」が描かれていました。

おそらく偶然のことで「山里」が日生線に入ることもあれば、「家並み」が妙見線に入ることもあると思います。

 

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山下駅から2.6kmを約4分で走り、終点の日生中央駅に到着。

日生線に途中駅はありません。

 

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日生中央駅は文字通り日生ニュータウンの中心に位置する半地下構造の近代的な駅で、質素な雰囲気だった妙見線の終点妙見口駅とは対照的です。乗降人員は約12000人となっています。

 

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日生中央駅から能勢電鉄の起点川西能勢口駅までは310円。阪急宝塚線に乗り継いで梅田までは580円です。(2019年8月現在)

 

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日生中央駅の平日時刻表。(2019年8月現在)

赤色で示された朝ラッシュ時に運転される特急「日生エクスプレス」は川西能勢口駅から阪急宝塚線に直通し梅田へ向かう能勢電鉄の看板列車です。

日生エクスプレスは4両編成が主体の能勢電鉄にあって8両編成での運転であり、かつてあった能勢電鉄線内の急行が廃止された現在では能勢電鉄唯一の優等列車でもあります。

 

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日生中央駅舎。

 

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駅前のバスターミナルからは多くの系統が発着していますが、能勢電鉄の路線と並行する阪急川西能勢口駅行やJR川西池田駅行がメインというのは意外でした。

能勢電鉄沿線のニュータウンでも駅から遠い地域では、このバスを利用して川西能勢口駅まで行くほうが便利なのかもしれません。(2019年8月撮影)

 

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大学のキャンパスを思わせる美しい駅前広場とは対照的に空には鉛色の雷雲が広がってきました。

「明日の京阪神地方は概ね晴れますが午後になると北摂など山沿いで夕立があるかもしれません」という夏の関西地方の天気予報の常套句を思い出し「これのことか」と沿線の名物にでも出会ったような気分になりました。

能勢電鉄妙見線・日生線と妙見の森ケーブルを乗り歩いた能勢電鉄訪問記は、ここ日生中央駅で終点です。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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