スターフライヤーを利用して羽田へ向かうため関西空港の鉄道駅に到着しました。
開港から長らく利用が伸び悩んでいた関西空港ですが、最近では大きく状況がかわり早朝深夜を除いてここが静かになることはありません。
スターフライヤーは福岡県の北九州空港を拠点に路線を展開する航空会社でソラシドエアなどとともにMCC(ミドルコストキャリア)に分類されます。
関西空港ではピーチなどのLCCが発着する第2ターミナルではなく、鉄道駅直結の第1ターミナルからの出発です。
関西空港にスターフライヤーのカウンターはなく、鉄道駅からターミナルビルに入って左手のANAカウンターでのチェックインとなります。
ANAカウンターにあったスターフライヤの時刻表。
関西~羽田路線はスターフライヤーが5便、ANAが5便、JALが3便の計13便でスターフライヤー便は全便がANAとのコードシェアになっています。
時刻表の左最上段にある関西発6時30分の便は関西3空港(関西・伊丹・神戸)から羽田へ向かう便の中では最も早い時刻の出発で羽田着は7時40分。
羽田からの京急やモノレールの所要時間を考慮しても、新大阪発6時の始発の新幹線「のぞみ200号」(品川8時16分着、東京8時23分着)より早く都心入りできそうに思いますが、実際にはそうならないことが多いようです。
今回利用したのは17時30分発の便ですが、その理由はこの記事を最後までお読みいただくとおわかりいただけると思います。
16時30分頃にはチェックインが完了したためラウンジを利用することにしました。
関西空港は開港前から伊丹空港にくらべ大阪都心部から「遠くて不便」という声があったためか、空港到着後のタイムロスが極力少なくなるよう、国内線利用時には鉄道駅改札からチェックインカウンター、保安検査場、搭乗口がすべて同じフロアで、なおかつほとんど迂回がないよう配慮されています。
国内屈指の大空港でありながら駅からの移動距離は多くの地方空港より短いのではないでしょうか。
一方で今回のように国内線の搭乗開始まで時間がある場合にラウンジを使おうとするとカードラウンジでは制限エリア外の「比叡」しかなく2階から3階への上下移動を伴います。
そんなときに便利なのが2階のマクドナルド・蔦屋書店などがあるAREA24に隣接する「KIXエアポートラウンジ」です。
ラウンジという名称ですが実態はネットカフェに近いものです。
オープン席が最初の30分310円以後10分毎に100円、ブース席が30分410円以後10分毎に120円となっていますが、発行手数料・年会費とも無料のKIX・ITMカードを提示すると半額で利用できます。(鉄道駅からターミナルビルに入ったところにあるカウンターで発行手続きができます。)
またKIXエアポートラウンジはカードラウンジではありませんがJCBゴールドカードの提示で2時間まで無料で利用できるというサービスもあります。
入口のカウンターで希望の座席を伝え座席を指定、支払いは退出時というのもネットカフェと同じです。
今回はブース席に空きがあったため個室感覚で搭乗開始時刻直前までくつろぐことができました。
JCBゴールド・KIX・ITMカードとも持っていない場合には必ずしもコスパはよくありませんが、関空内に24時間営業のネットカフェがあることを知っていて損はないと思います。
17時頃、ラウンジを出て保安検査場へ向かいます。
関空発の国内線は便数自体がそれほど多くなく、伊丹や羽田あるいは同じ関空の国際線の保安検査場のような混雑は経験したことがありません。
保安検査を抜けたところにあるKIX・ITMカード専用の端末にカードを挿入し航空券をスキャンしてポイントを加算します。
関空発着1フライトにつき10ポイント(年間30フライト以上が対象のゴールドでは20ポイント)が加算され40ポイントでJAL・ANAの100マイルに交換できるほか、車でアクセスする場合駐車場が24時間無料になるなどの特典があります。
搭乗口は保安検査場を抜けてすぐの20番でした。
一般的には地味で目立たないとされる黒が空港では一番目立っています。
スターフライヤーの機材はA320で統一されています。
17時15分頃搭乗開始。
機体がほとんど見えないボーディングブリッジからの搭乗でも「黒」は非常に目立ち、スターフライヤーの空の旅が始まることを乗客にアピールしているかのようです。
スターフライヤーに使用されるA320の定員は162人(3人・3人が27列)です。同じA320を使用するLCCのピーチの場合30列180人ですが、この3列の違いが生み出す差は測るまでもなく明らかで、初めてスターフライヤーを利用する人の多くが足元の広さに驚かされることでしょう。
窓側席からトイレなどで通路へ出るときに、通路側の席に座っている人が標準的な体型なら席を立ってもらわなくても「足を引っ込めてもらう」だけで充分というとその広さが伝わるでしょうか。
また国際線機材のように全席にモニターがついているほか、モニター下にはUSBポートもありました。
スターフライヤーが顧客満足度NO1を誇る理由は「シートに座るだけで十分理解できる」そんな気がします。
定刻より早い17時25分頃には滑走路へ向けて動き出し北へ向かって離陸。去年の台風の際に損傷した連絡橋を見下ろしてながら上昇していきます。
ベルトサインが消灯するとドリンクサービスが始まりました。サービス内容はANAやJALと大差ありませんが、スターフライヤーではホットコーヒーがおすすめです。
タリーズとコラボの本格的なコーヒーを味わえるほかチョコレートのサービスつきです。
関空を北へ離陸して東へ向かう場合、大阪湾を一周するような遠回りの経路になるようですが、コーヒーを飲み終えるころには、すでに渥美半島上空に達していました。
水平飛行に入っても外は雲ばかり。
羽田への着陸機が集中していたのか不自然に南に迂回して房総半島方面へ向かいました。
定刻18時50分に対して18時45分頃に羽田空港に着陸しましたが、
スターフライヤーの羽田行を利用するときは、JALやANAに比べて明らかに「これ」が多いことは事前に知っておいたほうがよいと思います。
着陸後かなりの距離を「走り」ソラシドエアのビルが見えるあたりでストップしバスに乗り換え。前方の席だったため1台目のバスに乗ることができましたが、バスが動き出したのは18時58分。
ターミナルビル到着は19時06分。
預け荷物はなかったのでターンテーブルは素通りでエリア外へでました。同じ便に乗っていた乗客の中でも最速だったはずですが、エリア外に出られたのは19時08分頃。時刻表上の羽田到着は18時50分です。
関空を若干早発、1台目のバス、預け荷物なしで定刻+18分(ターミナル到着は+16分)ですから、出発が定時でも羽田でエリア外に出られるのは時刻表上の到着時刻+30分程度を見込んでおかないと後々の行程に影響が出てしまいそうです
実は先述の関西空港発6時30分の便も以前に利用したことがあるのですが、羽田空港着陸からの時間の経過は似たようなものでした。(朝一番の「のぞみ」の方が都心に早着できる可能性が高いです。)
スターフライヤーは座席定員を減らすことで他の航空会社のエコノミーでは経験できない足元スペースの広さを実現し、シートまわりの設備もそのまま長距離国際線に使用できそうなほど充実していますが運賃はANAやJALと同水準です。どこかで帳尻合わせが必要になることは十分理解できます。
またスターフライヤーの本拠地は北九州であり、メイン路線はそこと羽田を結ぶ路線です。
北九州空港からだと関空~羽田の1.5倍程度のフライト時間になるため、羽田でのバス移動にかかる時間は同じでも所要時間全体に占める比重は小さくなり、逆に快適なシートから受ける恩恵は1.5倍になるということでしょう。
関西~羽田のようなフライト時間が1時間を切るような路線では、足元が少々狭くても「羽田でターミナルにつけてくれるほうかありがたい」と考える人も少なくないと思います。個人的にはバス移動自体は仕方ないとしても、実際のターミナル到着時刻(ターミナルにつける場合は飛行機が停止する時刻と大差ないはず)と時刻表上の到着時刻に差が生じないようにしてほしいと感じました。
★★★ここに記載したスターフライヤーのダイヤは2019年3月31日~10月26日に適用されるものを参照しています。★★★