西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

山陽ツートンカラー復刻車両撮影記改め五色塚古墳訪問記

f:id:nishiuraexp:20190706160257j:plain兵庫県の準大手私鉄「山陽電鉄」が、昭和末期まで同社の車両で採用されていた紺色とクリーム色のツートンカラーの塗装に戻した車両を今日から運転するという情報を得ていたので撮影に出かけることにしました。

今回のスタートは明石市の西端に位置する「西二見」駅です。

 

f:id:nishiuraexp:20190706160322j:plain西二見駅は平成16年に開業した山陽電鉄では最も新しい駅で、駅前のバスターミナルからはJR神戸線の魚住駅へ向かう明石市のコミュニティバスが発着しています。

コミュニティバスは民営では経営的に成り立たない人口希薄な地域のバス輸送を担うイメージですが、明石市のコミュニティバスは運転便数も利用者も多く、大都市近郊の恵まれた環境で安定的な運営ができているのかと思っていましたが、最近になって15ルート中5ルートで運行を担ってきた山陽バスが人手不足を主な理由として1ルートを除いて撤退を申し出るという事案が発生。

最終的にはタクシー会社が後を受けることになりバスが運行できなくなる事態は回避できたようですが、利用者の減少による採算悪化以外の理由でも公共交通の維持が危うくなることを思い知らされた出来事でした。

 

f:id:nishiuraexp:20190706160341j:plainツートンカラー復刻車両のダイヤは山陽電鉄のHPに記載されており、それによれば次は西二見発11時54分の姫路行普通が該当するとのこと。

新型車両ではなく塗装という「外見の問題」なので乗ることより撮影に重きを置くことにしました。

一本前の11時39分の普通で高砂駅まで行き、駅から徒歩5分程の加古川鉄橋の西詰でカメラを構えて待つことにします。

 

f:id:nishiuraexp:20190706193741j:plain高砂は西二見から5駅、10分程度です。

 

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f:id:nishiuraexp:20190706193829j:plain高砂駅は特急・S特急も停車する主要駅で兵庫県高砂市のメインとなる駅のイメージですが、高砂の古くからの市街地は隣の荒井駅(特急は一部のみ停車)周辺にあり、高砂市内で最も利用者の多い駅はJR神戸線の宝殿駅というのが現状です。

 

f:id:nishiuraexp:20190706193857j:plain高砂駅から加古川鉄橋へは山陽電鉄の線路沿いの遊歩道を神戸方向へ進みます。この遊歩道は昭和59年に廃止された国鉄高砂線の軌道跡を整備したものです。

山陽電鉄高砂駅前には同線の高砂北口駅があり相互に乗り換えができたことも、山陽電鉄が高砂駅を重視した一因かもしれません。

 

f:id:nishiuraexp:20190706193918j:plain遊歩道の脇の石碑も高砂線関連のものかと思えば、山陽電鉄の旧高砂駅がこの場所にあったことを記すものでした。昭和33年に約100m姫路寄りの現在の位置に移動したようです。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194004j:plain遊歩道は加古川に突き当たる形で終わっています。山陽電鉄の鉄橋と並んで川を跨いでいた高砂線の鉄橋の痕跡はどこにも見当たりませんでした。

約60kmの山陽電鉄本線の中でも5本の指に入るであろう撮影スポットとあって、すでに先客がおられますが、その数5人程。

1日限りの臨時列車ならもっと多いのかもしれませんが、今回の復刻塗装車両は山陽電鉄のHPによれば2021年まで運転されるということで、わざわざ定期車運転初日でなくてもと考えた人が多かったのでしょう。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194037j:plain撮影スポットから眺める加古川鉄橋はこんな感じ。写真を撮るのは好きですが詳しい知識を持っているわけではありません。

 


【加古川鉄橋】ツートンカラー復刻編成を撮りに行ったら

待つこと10分弱、通過予定時刻を少し過ぎて神戸方向からやってきた列車は??見慣れた山陽カラーでした。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194104j:plain様子がおかしいので、列車通過後にスマホで「山陽ツートンカラー復刻ツイッター」と検索すると「明石で突然故障、客は全員降ろされ運転打ち切り」という書き込みが21分前にされていました。やや遅れて通過した動画の通常カラーの列車は車庫のある東二見で急遽仕立てられたものだったのでしょう。

そもそも今回の復刻塗装は、車両の全般検査に際して、次の全般検査を受けず今回の検査の有効期間が切れる時点で廃車になることが決定している編成に対して実施されたものです。

それが定期運転初日から故障というのは、車でいえば車検が終わり引き取った翌日に出勤のために走らせたら途中で止まってしまったようなもの。

人間でいえば「ドックの結果異常ありませんでした」と言われ安心して病院から帰る途中に突然倒れ、ドックを受けた病院に救急搬送されたようなものでしょうか。

定期列車ですから鉄道に特に興味のない一般客も多数乗っていたでしょうし、順番に検査を受けているであろう他の車両は大丈夫なのかという気もしますが、故障で運転打ち切りになってしまったものは仕方ありません。

遠方から来ていたかもしれない「同業者」とともに廃線跡の遊歩道を歩いて駅に戻りました。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194131j:plainその後、故障した編成がどこかの駅に留置されているかも知れないと思い、高砂駅から上りの直通特急に乗車。可能性が高い東二見駅西方の車庫を注意深く見ていましたが見つけられず、

 

f:id:nishiuraexp:20190706194157j:plainあるいは西新町(明石から姫路方面へ一駅)の留置線に一時避難しているのかと東二見で普通に乗り換えるも結局お目にかかることはできませんでした。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194237j:plain明石で下車しJR駅改札近くの喫茶店で昼食。

ハンバーグを食べながら思案した結果、午後は近くを頻繁に通っていながら訪れたことがなかった「五色塚古墳」に立ち寄って帰宅することにしました。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194303j:plain明石から再び上りの普通に乗車。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194326j:plain復刻塗装が施されたものと同じ3000系での運転です。

3000系の一部車両は近年リニューアルされていますが、この車両はその対象にもなっておらず、車内は復刻塗装車両とほぼ同じと思われます。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194406j:plain五色塚古墳は明石海峡大橋直下の舞子公園駅から神戸方面へ一駅の霞ヶ丘駅から徒歩5分のところにあります。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194443j:plain霞ヶ丘駅舎。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194507j:plain五色塚古墳は、この訪問日に世界遺産登録が決定した仁徳天皇陵(大阪府)と同じ前方後円墳です。ヤマト政権下の豪族の墓の考えられ、築造された場所から周辺の土地だけでなく明石海峡の「制海権」にも絡んでいた人物のものではないかと考えられているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194545j:plain見学は無料ですが、見学できる時間が決まっており年末年始はクローズするようです。

 

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f:id:nishiuraexp:20190706194652j:plain管理施設内で簡易な署名をして、ラックのパンフレットを受け取ります。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194739j:plain海側が「前方」部分、山側が「後円」部分です。後円部分は円錐形になっておりかなりの高さがあります。 

 

f:id:nishiuraexp:20190706194822j:plain階段を登ると円形の広場の向こうには垂水区の住宅街が広がっています。

世界遺産に登録されることになった仁徳天皇陵では一般客がどうやって古墳の全容を見学するのか。とマスコミで疑問視されていましたが、ここは山側のマンションの高層階の一室でも買うなり借りるなりすれば、毎日、明石海峡の風景とともに古墳全体を眺めることができそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20190706195058j:plain五色塚古墳横の小山は小壺古墳とよばれる別の古墳ですが、五色塚古墳とともに国の史跡に指定されています。

 

f:id:nishiuraexp:20190706194924j:plain海側には明石海峡と淡路島の風景が広がります。古墳にそれほど関心がなくても、展望公園としてここを訪れるのも良さそうです。

 

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f:id:nishiuraexp:20190706195155j:plain古墳のすぐ下をJRや山陽電鉄の電車が頻繁に行き交います。

古墳を取り囲むように並んでいる円筒形の埴輪は単なる飾りではなく、実際にあったと推定されるものを復元したものでその数は数千。

近くで見るとカラーコーンのような質感ですが、数が多いだけに本物の焼物を置くのは困難でしょうし、そのために見学が有料になったり警備が厳重になることは見学者も望んでいないでしょう。

 

f:id:nishiuraexp:20190706195318j:plain霞ヶ丘駅からスタートの西二見駅まではかなりの駅数ですが、普通を利用せざるを得ません。

かつては途中の明石と東二見で緩急接続がありましたが、明石の緩急接続は明石駅を通り抜ける普通列車の利用者に不評だったのか、霞ヶ丘での緩急不接続の追い越しに変更されています。

 

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帰りにもう一度東二見の車庫を車内から覗くと、写真ではわかりにくいですが、屋根に覆われた部分の一番奥の線路に故障で運転取りやめになったツートンカラー復刻編成がとまっていました。行きは停車位置の関係で見えなかっただけのようです。

ネットの情報によれば、車掌がドアを閉めたあと運転士に「チリンチリン」と発車合図を送る(神戸・大阪周辺の私鉄や地下鉄に多い)あの電鈴が鳴り止まなくなったとかで、その程度の故障なら数日で復帰できるだろうとその時は思いました。

結果的には翌日から復帰したものの、2日連続の故障で再び運転取りやめという想定外の事態になったようです。

火事と喧嘩は・・ではありませんが、調べていると復刻カラー編成に限らず車両故障騒ぎは最近の山陽電鉄を賑わせるお家芸になっているようで、客を取られたといいながらも比較的簡単にJR神戸線への振替ができる安心感が災いしているのではないかと個人的には思いました。

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