JR紀勢線御坊駅から紀州鉄道に乗車し、御坊市街地に位置する終点西御坊駅に到着しました。折り返しJR御坊行の発車時刻までの約40分で御坊の街歩きをすることにしました。
紀州鉄道は典型的なローカル鉄道ですが、過疎地帯へのびる路線ではありません。西御坊駅周辺には古くからの商店街のほかコンビニもありました。
商店街を歩くこと5分で西本願寺日高別院に到着。御坊市街では一番の観光スポットであり、そもそも御坊の街はこの寺の門前町として発展してきたということのようです。
本堂の大きな屋根は、高い建物が少ない御坊市街地でよく目立っていました。
寺の周辺には昔ながらの家並みが残っています。
紀伊御坊駅方向へ少し歩くと商店や銀行などが並ぶエリアに出ました。御坊本町というバス停が近くにあり、このあたりが御坊の中心部ということのようです。シャッターを閉ざした店舗はあまり見られず、御坊市の人口が2万4000人程度で市としては最小クラスであることを考えれば、活気を保っているという印象を受けました。
本願寺日高別院方向から歩いてきた道と紀州鉄道が交わる踏切付近には2009年まで紀州鉄道で活躍していた古い車両が展示されていました。車内へも入ることができますが、弁当屋として営業中ですので、何も買わずに出てくるのは気まずいかも知れません。
西御坊駅から寄り道をしながら歩いて約30分で紀伊御坊駅に到着。古い喫茶店のような外観の建物です。
紀州鉄道の拠点駅で、紀州鉄道グッズの販売なども行われています。
クリアファイルは300円でした。興味深かったのは、千葉県のローカル私鉄「銚子電鉄」の「副業」として有名な「ぬれ煎餅」がこの駅で販売されており、1000円以上購入すると銚子電鉄の乗車券がもらえるというコラボ企画です。
ぬれ煎餅は、かなり前に銚子電鉄を訪問したときに買って食べたことがあります。薄味を好む関西人には辛すぎる印象でしたが、最近は「甘口」もあるようですので、関西圏から訪問される方にはそちらをお勧めします。
西御坊から折り返してきた列車でJR御坊駅へ戻りました。
御坊駅から折り返しの和歌山行に乗車。
途中の藤並駅。この駅からもかつて有田鉄道というローカル私鉄が分岐していました。駅から車で10分のところには有田鉄道で運転されていた車両などを展示する有田川町鉄道交流館という施設もあるようです。
和歌山駅の2つ手前の紀三井寺駅で下車。
橋上駅になっており紀三井寺へいく場合は市街地とは反対側へ出るほうが便利です。
駅から徒歩10分程で寺の入口に到着。紀三井寺は西国33箇寺の2番目の札所で桜の名所としても有名です。
拝観料200円を払い、本堂周辺へと続く急な階段に挑みます。
階段を登ると正面にあるのが六角堂。
左に進むと本堂があります。
反対側には千手観音を収めた建物があり見学は別料金が必要になるようでした。
「階段をのぼってきた甲斐があった」と思わせる境内からの眺望も、桜とならぶこの寺の「売り」ではないでしょうか。
眼下の景色を眺めていると踏切の音が聞こえ、289系のくろしお号が白浜(御坊)方面へ向かうのが見えました。
「Nゲージの鉄道模型を床で走らせて、それを床に座って見下ろすと実物を50メートルの高さから見下ろしたのと同じように見える」といいますが、ここは逆に実物がNゲージのジオラマに見えるスポットです。
境内の和風喫茶「天空かふぇ」で一服することに。
アイスコーヒー(350円)を注文すると、麦茶とチョコレートのおまけつきでした。
紀三井寺駅に戻り和歌山駅へむかいます。
よく見ると写真右手の山の中腹に先ほど訪ねた紀三井寺の本堂の屋根が見えています。
紀三井寺駅から5分程で和歌山駅に到着。
和歌山駅からは和歌山電鉄で終点の貴志駅へ向かいました。
つづきはこちらです。