西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

オーシャンアローでミニ私鉄「紀州鉄道」訪問(和歌山鉄道旅行1)


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今回は、大阪・天王寺から阪和線の快速列車で約1時間のJR和歌山駅から、和歌山の鉄道を乗り歩きます。

 

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JR和歌山駅から発車する列車のメインは大阪方面へ向かう阪和線ですが、その他に白浜方面への紀勢線、奈良県方面への和歌山線と、南海電鉄和歌山市駅へ向かう路線、私鉄の和歌山電鉄が乗り入れています。

和歌山電鉄と和歌山市方面の路線は、後ほど乗車しますが、まずは紀勢線で御坊へ向かいます。御坊までは毎時特急1本、普通2本の運転頻度です。


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全ての駅でICOCAなどのICカードが使えるのは海南駅までですが、その先も特急が停車するような大きな駅ではカードが使えます。


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和歌山駅の中央改札口周辺。

駅反対側には東口があり、また駅ビル「MIO」の営業時間には地下改札も利用できますが、ほとんどの利用者が中央改札口に集中しているようでいつも混雑しています。


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8時41分発の列車は223系4両編成。行先は御坊より手前の湯浅です。


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座席はほぼ埋まっていたため、しばらく最前部に立って前面展望を楽しみます。最高120km/hの性能を持つ車両ですが、和歌山近郊では70km/h程度でのんびり走ります。


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4駅目の海南駅で特急くろしお1号と接続。このまま乗っていても御坊へは行けないので乗り換えます。


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くろしお号の乗車位置には、懐かしいヘッドマークのデザインが描かれていました。


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特急「くろしお」1号が入線。

くろしお号は国鉄時代から使われてきた振子車両の381系が引退したのち、振子車両ではない289系を中心に運転されるようになり、車両は新しくなったのにスピードダウンするという事態になっていますが、一部の列車については381系を上回る性能を持つ写真の283系「オーシャンアロー」編成で運転されています。

 

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土曜日の朝に南紀方面へ向かうくろしお号の需要は旺盛で、前日にJR西日本のネット予約システム「5489」で確認すると普通車指定席は満席でした。

何度も検索するうち1席だけ空きが出たので即購入し着席することができましたが、自由席車両のデッキは立客多数で揺れる車内で大変そうでした。

 

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シートピッチは充分ですがコンセントなどはなく、381系との比較では「新車」という扱いだった283系にも、登場から20年の時間の経過を感じさせる部分が見られます。


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海南から31分で御坊に到着。


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改めてイルカをイメージしたという前面を眺めます。大阪からの下り列車で先頭となる写真の車両では、前方の席を予約すると大きな窓からの前面展望を楽しむことができます。(グリーン車ですのでグリーン料金が必要です)

 

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和歌山から「くろしお」に乗らずに海南駅まで先行の普通列車に乗ったのは、海南からだと御坊まで50km以下になり特急料金が安くなるからですが、「くろしお」については、JWEST会員向けの「eきっぷ」の割引率が他の特急列車より高いようで、駅の広告を見ているとわざわざ「ケチ」な乗り方をすることもなかったかなと思いました。


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JR御坊駅は特急も停車する主要駅ですが、御坊市の中心からは離れています。

その中心部への路線を営業しているのが、紀州鉄道という私鉄です。


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紀州鉄道の乗場はJR駅の改札内にありますが、運賃はすべて車内精算となるため、改札では紀州鉄道に乗車する旨を口頭で告げて改札内に入ります。

 

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行き止まりの0番乗場が紀州鉄道専用になっています。


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紀州鉄道の列車は1時間に1~2回、終点の西御坊まで4駅で8分程度です。終点までの営業距離2.7kmは3セクなどではない純粋な私鉄としては国内最短です。

ちなみに3セクも含めると千葉県の芝山鉄道が僅差で国内最短となります。向こうは成田空港の巨大施設をかすめる地下や高架で構成された新しい鉄道です。最短を競うというには随分雰囲気が違うものです。


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到着した車両は滋賀県の信楽高原鉄道から移籍した車両でした。


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到着便からは10人程度が下車しましたが、折り返しの西御坊行に乗ったのは筆者一人だけでした。

紀州鉄道は元は御坊臨港鉄道という社名で営業していましたが、高度成長期にはすでに乗客の減少で経営が悪化、存続が危ぶまれる状態になっていました。

しかしその頃、鉄道事業者としてのネームバリューを求めていた東京の不動産会社が、御坊臨港鉄道を1億円で買収。翌年に社名を「紀州鉄道」に改め現在に至っています。

最近の紀州鉄道の輸送密度は200人程度と言われ、採算ラインを大きく下回っているはずですが、この鉄道の廃止の噂が聞こえてこないのは上記のような事情によるもののようです。

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9時54分 御坊駅を発車。JRの線路から反れて御坊市街方向へ向かいます。


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一つ目の駅は「学門」駅。


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珍しい駅名ですが、駅ホームの端に鎮座する学問地蔵が由来であることを運転士さんが教えてくれました。祠の内部も車内から撮影させていただきましたが、いろいろ考えここには掲載しないことにしました。


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2つ目の紀伊御坊駅は紀州鉄道の拠点となる駅です。

駅には元北条鉄道(兵庫県)の車両が留置されていますした。

 

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紀伊御坊駅からは御坊の市街地を真っすぐに進みます。

 

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3つ目の駅「市役所前」を経て、終点の西御坊駅に到着。

 

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現在は西御坊までとなっている紀州鉄道ですが、以前は700m先の日高川駅が終点でした。

西御坊~日高川間の廃止は1989年ですでに30年が経過していますが、つい最近まで列車が通っていたかのように軌道がそのままの状態で残っていました。

 

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西御坊駅から御坊の市街地を紀伊御坊駅まで散歩し、ふたたび紀州鉄道に乗車してJR御坊にもどりました。

つづきはこちらです。

 

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