昨日、名古屋から中央本線の臨時快速列車2本と特急あかぎ号を乗り継いで到着した群馬県の新前橋駅。
今日は7時24分発の上越線水上行でスタートします。色は違いますが、昨日長野でもお世話になった211系の4両編成です。
上越線に限らず、中央本線でも東北本線でも広い関東平野が尽きて山にアプローチする区間というのは、独特の高揚感があります。一昨日神戸を出てからずっと曇りか雨でしたが、今日は晴れるようです。
数少ない新潟方面接続の列車ですがそれほど混んでいませんでした。
終点の水上で写真右手の列車(長岡行)に乗り換えます。
今回は水上から2駅の土合駅で下車。トンネル内の駅です。地下鉄などと違い、いかにも地下構造物の中という感じがします。
標高583メートル。
出口への階段へ向かいますが
この階段、予備知識なしにこの駅に降り立った方は驚くことでしょう。改札口まで462段、高低差は約70メートル。10分はかかります。
改札口へとつづく長い階段に挑みます。
5段おきにインターバルがある「親切設計」ですが、リズムがつかめず、かえって疲れるようにも感じました。途中には休憩用のベンチも設置されています。
ようやく地上がみえる通路に出ました。ここまで来れば階段はあと20段程度です。
不気味なほど古びた通路ですが、
窓からの景色は秀逸です。谷川岳の麓を流れる川が音を立てて流れています。水は見るからに冷たそうでした。
10分以上かかった気もしますが、ようやく改札口に到着。
改札前の案内。先ほど新潟方面の電車で降り立ち長い階段を登って来ましたが、東京方面のホームは、反対方向にあります。
東京方面のホームは改札口から徒歩1分もかからない、ごく普通の地上ホームです。
もとは新潟方面の列車もこちらに発着していました。川端康成氏の小説「雪国」の「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」のトンネルも、この地上ホームを通るルート上のトンネルです。
この付近の上越線は戦後になって輸送力増強のため複線化されることになりましたが、その時に建設されたのが、現在新潟方面の列車が通っているルートの新線です。
新ルートは土木技術の向上から「国境の長いトンネル」を上回る長さのトンネルで構成され、土合駅付近もトンネル内となりました。
やむを得ずトンネル内に設けられた新ルートの土合駅ホームにアクセスするため、長い階段が用意されたということのようです。
旧来のルートが東京方面専用となったため、現在は川端康成氏の小説と同じルートで雪国(新潟方面)へ向かうことはできません。
「国境の長いトンネル」は土木遺産に認定されています。
土合駅舎内。新ルート開通時に建設されたものと思われます。
駅舎外観。山小屋風の三角屋根が特徴的です。
駅は谷川岳に近く、駅前にはロープウェー乗場行のバス停留所があります。1時間に1本以上と思ったより本数があります。
バス停留所の奥は、川が流れています。奥の赤い橋とトンネルの入口が、先ほど地下ホームから歩いてきた通路です。
土合駅に停車する列車は駅前を通るバスより少なく数時間に1本ですが、朝の新潟方面は、8時37分のあとに9時54分がつづいています。駅の見学にはほどよい間隔です。
有人駅だった当時は発車10分前に改札を閉鎖したといいますが、やむを得ないことだと思います。下のホームまで行ったものの列車が出てしまったとなったら、この階段を登ってもどってくるか、トンネル内で数時間待つしかありません。無人化された現在は乗客自身が気をつけるしかありません。
地下ホームの待合室にあった寄書きノート。
9時54分の列車で雪国側へ向かいました。
20分程で越後湯沢に到着。ここから北越急行線に入る直江津行の列車に乗り継ぎますが1時間以上の時間があるので駅周辺を散歩することに。
湯沢温泉郷と駅前に看板が出ていて、大規模な旅館もありましたが、温泉街を貫くのは交通量のある道路で、温泉を訪れた観光客は狭い歩道を歩くほかありません。
駅前から右手に500メートルほどの歴史資料館「雪国館」。
雪国館から150メートルほど進んだところにはロープウェー乗場がありました。
あと5分程で出発するようでしたが、あてもなく上がって降りてくるには2000円は高い気がして、
切符売場横の土産物屋で買物をしてお茶を濁すことにしました。
もっとも土産物を選ぶなら越後湯沢駅のコンコースのほうがよいかも知れません。
ここの土産物屋や飲食店は空港ターミナルを思わせる充実ぶりでした。
つづきは、こちらです。