西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【台湾の在来線】「台鉄」の路線・車両・乗車券など。

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 台湾の鉄道は、2007年に開業した台北・高雄を結ぶ台湾高鉄(新幹線)と、台湾を1周する環島路線及びそこから分岐するローカル線を有する台湾鉄路(台鉄)に大別されます。

 台湾高鉄(新幹線)については、下に添付の別の記事で車両や運賃についてご紹介させていただいたので、今回は台鉄(在来線)の列車について述べたいと思います。

  

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 台湾の鉄道路線は、九州をイメージすると理解しやすいと思います。福岡に相当する「台北」から、反時計回りに進むと熊本が「台中」、鹿児島が「高雄」、宮崎が「台東」、大分が「花蓮」となります。写真⑤の枝線の終点基隆は「門司港駅」に近いイメージです。

 写真の地図(小さいですが)の上側、台北から台中を通り高雄に至る区間は西部幹線と総称され、沿線人口が多く新幹線が開業した現在でも多くの特急・急行列車が運転されています。

 西部幹線は途中「台中」付近で2本の路線にわかれます。台中を通らず沿岸部を進む路線を「海線」、内陸に入り台中を経由する路線を「山線」と呼んでいます。

 一方写真の下側、花蓮・台東と通り高雄に至る区間は東部幹線と総称されます。西部幹線に比べ沿線人口・列車本数は少なめですが、こちらは新幹線がないことから、特急・急行列車が重要な役割を担っています。なお台東・高雄間の一部には非電化区間が残っており、この区間ではディーゼル特急やディーゼル機関車牽引列車が走っています。(現在電化工事中)

 

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 写真は台北駅の西部幹線の発車表示です。左から行先、列車番号、台中付近まで走る列車について「海線」「山線」の別、列車種別、発車時刻、発車ホーム、運転状況です。

 台鉄の駅のプラットホームの番号は、プラットホーム1本につき番号が一つ付され、その両側をA・Bと区別して表記します。運転状況の「準点」は「定刻」の意味です。遅れが発生すると「晩3分」(3分遅れ)のように表示されます。

 列車種別については写真の下から2つめにある「自強」が特急に相当、その2つ上「莒光」が急行に相当します。区間車とあるのは、日本の都市近郊でもよくみかけるロングシートの普通電車です。

 

 西部幹線・東部幹線を走る列車(種別・車両・車内)

 まずは自強号(特急)。車両はPP自強号とよばれる両側が電気機関車になっているもの、非電化区間を走るディーゼルカーなど複数の種類があります。

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 PP自強号の外観。全線が電化されている西部幹線を中心に運転されています。

 

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 内部は日本でいえば国鉄末期からJR初期に製造された特急列車と同レベルの座席や内装になっています。

 

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 写真は東部幹線の非電化区間に乗り入れるディーゼルカータイプの自強号です。日本製の車両です。

 

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 内装やシートは上のPP自強号と同レベルです。

 一方、自強号の一種でありながら、特別な車両で運用され、愛称も区別されている列車があります。「プユマ号」と「太魯閣号」です。

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 写真は台北駅に入線するプユマ号です。平行する新幹線がない東部幹線のスピードアップのために導入された日本製の車両で、カーブを通過する際に車体を内側に傾ける車体傾斜装置が備わっています。 

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車内は最近のJRの特急列車に似通っています

 

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 こちらは太魯閣号。プユマ号同様、東部幹線のスピードアップのために導入された日本製の新型特急電車です。プユマ号の車体傾斜装置に対して振り子装置を搭載しています。

 

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 こちらも最近のJRの特急電車に近いシート・内装になっています。

 台湾の特急・急行列車は座席指定が原則ですが、満席の場合「無座」という立席券が発売されます。「プユマ号」「太魯閣号」はその例外で立席乗車は認められず、満席の場合は乗車できません。

 

 つづいて急行列車「莒光号」です。こちらは機関車牽引の客車列車です。

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 写真は台南駅に進入する。電気機関車牽引の「莒光号」です。

 自強号にくらべて停車駅が多く、機関車牽引列車は加速・減速が緩やかなため、乗り心地は非常に快適ですが、所要時間は次にご紹介する、電車で運転される「区間車」(普通電車)と大差ありません。長距離移動の際には自強号のほうがおすすめです。

 またそのような現状をふまえ、日本同様に急行列車「莒光号」は本数を減らす傾向にあります。

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 座席は自強号より上で、日本の特急列車のグリーン車に匹敵します。

 

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 なお莒光号と同じ機関車牽引の客車列車で、客車が青系に塗られた「復興号」という種別が存在します。「準急」に相当する種別で、東部幹線の一部のみの運転です。車内のシートは2人掛けですが、ビニール張りの簡素なもので、乗車券の価格は区間車(普通電車)と同額になっています。

 最後は区間車(普通電車)です。台北周辺では10分~15分に1本程度、西部幹線では地方都市周辺でも20分~30分に1本が運転されており、日本の青春18切符旅行のように区間車のみを乗り継いで台北~高雄を移動するこをもできます。編成は4両単位で8両をよくみかけますが、台北近郊では一部12両、地方部では4両編成もあります。

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 車内はロングシートが中心です。

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 最新型の区間車。一部がクロスシートになるなど座席にも違いがあります。

 

 運賃・乗車券

  台湾の鉄道の運賃は日本とは異なり列車種別ごとに定められています。具体的には区間車・復興号が1kmあたり1.46元、莒光号が1.75元、自強号が2.27元となっています。

台北駅から主要駅までは下記のとおり(単位=元)

  復興区間  莒光  自強

台中 241 289 375

台南 474 569 738

高雄 542 650 843 

花蓮 283 340 440

台東 505 605 785 

 1元3.5円~4円くらいですから、自強号で花蓮まで1500円程度、台中まで1300円程度と日本の鉄道運賃にくらべれば格安です。ただ種別ごとに運賃が定められているので、例えば台北から台中まで自強号でいき、そこから自強号が停車しない駅まで区間車で行くというような場合に、通しの切符が買えないという不便があります。

 

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 駅窓口や、自強号、莒光号など座席指定券が購入できる大型の券売機(手持ちの写真がありませんが、大型冷蔵庫サイズの券売機で主要駅に設置されています)で購入した切符は上の写真のようなサイズで、列車種別 発駅・着駅とその時刻、指定の車両と座席などが記入されています。

 自強号、莒光号は台鉄のサイトを利用して旅行前に日本で予約することもできます。クレジットカード払いを済ませ、表示された6桁の予約番号を上記の大型券売機のタッチパネルに入力して切符を受け取ります。予約開始は乗車日の2週間前です。

 

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 なお台鉄のサイトから予約する際に列車番号がわかると、適切な列車をスムーズによ予約できますが、その際に日本鉄道研究団体連合会が発行している新台湾時刻表が便利です。(上の地図写真はこの時刻表の索引地図からお借りしたものです。)

 東京・神保町の書泉グランデのほかAMAZONでも購入できます。筆者は台湾鉄道旅行の際は、いつも最新号を購入して持参しています。

 

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 区間車・復興号および莒光号(急行)、自強号(特急)の無座券(立席特急・急行券)は、写真のような小型の自動券売機で購入できます。各駅に設置されています。

 

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 上の写真と同型の券売機で購入した区間車の切符。

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 同じく「莒光号」の無座券。空席があれば座ってよいことになっています。

 

 東部幹線・西部幹線から分岐するローカル線(すべて区間車(普通列車)で運転)

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地図写真① 平渓線・深澳線

 全線が非電化で写真のようなディーゼルカーで運転されます。終日1時間に1本程度の運転です。なお平渓線と深澳線は西部幹線を跨いで一体で運転されています。

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 平渓線は天燈飛ばしで有名な観光地「十分老街」を「通ります」。

 

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 十分老街で天燈飛ばしに興じる観光客。実はここは平渓線の軌道上です。

 

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 上下あわせて平均30分に1回という頻度で老街を列車が通過します。路面電車とは違う一般の鉄道車両が狭い老街を抜けていく姿は圧巻です。

 

地図写真② 内湾線 

 西部幹線の新竹から内陸の内湾へ延びる路線です。途中の竹中で六家線が分岐し、その終点の六家が台湾高鉄(新幹線)の「新竹」駅と一体になっています。台湾高鉄アクセスを担う新竹~六家間は電化され、写真のような幹線の区間車と同じ車両が運転されています。電化区間は30分毎、内湾への非電化区間は1時間ごとの運転です。

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地図写真③ 集集線

 西部幹線の二水駅から分岐し、路線名になっている集集をとおり、車埕に至るローカル線です。全線が非電化で平渓線と同じディーゼル車両で運転されています。亜熱帯と熱帯をわける北回帰線付近をとおる路線で、沿線は平渓線にくらべトロピカルなムードが漂います。 

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終点「車埕」駅周辺は観光地化されていました。

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地図写真④ 沙崙線

西部幹線の台南駅と台湾高鉄の「台南駅」を結ぶローカル線です。全線が電化されており、30分間隔で電車が運転されています。台湾高鉄の台南駅と一体になっている終点が「沙崙」駅です。

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 台南の中心部に近い西部幹線の台南駅。

 上記のほか写真⑤の基隆への分岐線、写真⑥の東部幹線「蘇澳新駅」~「蘇澳駅」への分岐線は独立した路線というよりは幹線の一部として扱われているようです。

 

 旅の楽しみ 駅弁

 台湾には日本と同じく駅弁の文化があり、鉄道旅行の楽しみのひとつになります。

 コンビニの肉まんのように加熱装置で保管されており、温かい状態で購入することができるうえ、60元から80元程度と安いのも魅力です。

 

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 鉄道写真の箱に入った高雄駅の駅弁。

 

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 こちらは米どころ「池上」で販売されている池上弁当。台東駅でも購入することができました。

*** LCC普及により台北まで片道1万円以下の航空券も珍しくなくなりました。台鉄の乗車券は通常運賃で購入しても非常に安いので、トータルでみれば国内の鉄道旅行とかわらない値段で、台湾の鉄道を満喫することができます。次の鉄道旅行先の候補にされてみてはいかがでしょうか。***