西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

徳島→高松200分 路線バス乗り継ぎ旅行


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 今回はJR徳島駅から、お隣香川県の高松駅へ向かう話です。徳島と高松はおよそ75キロ離れており、移動手段としてはJR高徳線の特急「うずしお」や普通列車、高速バスなどがありますが、今回は路線バスを乗り継いで行きたいと思います。


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徳島駅発7時30分の徳島バス小鳴門橋行で出発します。


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 徳島駅からの乗車は10人程度でした。


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 徳島・鳴門間のバスは多くの経路があり所要時間もそれぞれ違います。運転本数はトータルで1時間に2~3本程度です。


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 徳島駅を発車して約10分で吉野川大橋にさしかかります。四国三郎の異名を持つ大河「吉野川」の河口近くに架かる橋で橋長は1137mもあります。


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 水量も豊富で海峡を跨いでいるような感覚です。

 

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 徳島市を抜け松茂町に入ると片側3車線のバイバスから旧道にはいります。写真は免許センター停留所付近。免許センターは旧徳島空港ターミナルビルで、ここから空港へ徒歩アクセスが可能でしたが、現在の空港ターミナルビルは滑走路の反対側へ移転しており、徳島駅から徳島空港へ向かう場合は、空港行または空港経由の路線バスに乗車する必要があります。


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 松茂町から鳴門市へ入るあたりから乗車が目立ち乗客は15人程になりました。


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 徳島駅から鳴門駅までは460円でした。JRは360円ですが、同じ距離の路線バスの運賃としては安い部類に入ると思います。


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 定刻の8時03分に遅れること5分、鳴門駅前に到着、香川県の引田へ向かうバスに乗り継ぐためここで下車します。乗車してきたバスの終点「小鳴門橋」は阪神方面への高速バスの「高速鳴門」バス停に近く乗り換えが可能です。


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 目の前の鳴門駅には、徳島駅からの列車が到着するところでした。この列車の徳島駅発車は7時31分。ここまで乗車してきたバスとほぼ同時に徳島駅を出て、鳴門駅到着もほぼ同時だったことになります。ローカル線とはいえ鉄道の方が早いのですが、路線が西へ迂回しているため、このような結果になるようです。


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 JR鳴門駅は高徳線の池谷から分岐する鳴門線の終点です。列車は1時間に1本程度の運転で大半が徳島駅まで直通運転になっています。

 


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 鳴門駅前のバス乗場。大塚美術館などの観光地へはここからバスまたはタクシーで向かうことになります。なお徳島駅からのバスの一部は、ここ鳴門駅を経由して美術館方面へ直通しています。


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 バス乗場の内部。通常の待合室の奥は「足湯」になっていました。


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 営業は9時からで利用はできませんでしたが、鳴門の駅前にこんな施設があることを初めて知りました。


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 30分程のインターバルを経て8時35分発の引田駅・翼山温泉行のバスに乗車します。翼山温泉は終点の引田駅近くにある日帰り利用もできる温浴施設のようです。

 鳴門駅からの乗車は3人程度。引田駅まで入れ替わりはありましたが終始3人から5人程度の乗客数でした。この路線は最近まで鳴門市営バスが運行していましたが、現在は鳴門市から委託を受けて徳島バスが運行する形になっています。


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 鳴門市街を抜け、国道11号線に出たあたりで、対向のバスとすれ違い。鳴門~引田路線は概ね1時間に1本の運転です。


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 JR高徳線や高松自動車道は、内陸部の山越え(トンネル)で徳島、香川の県境を超えますが、国道11号は播磨灘沿いを迂回します。今日は水面に白波が立っているのがみえ、瀬戸内海の基準では「時化」の範疇に入るのかもしれません。


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 高松まで51キロ、引田まで11キロ。まだ全行程の3分の1程度です。 


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 海岸から少しだけそれる箇所があり、そこが徳島と香川の県境になっています。


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 内陸で山越えをしてきた高徳線の線路が見えるとまもなく引田駅に到着です。  


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 引田駅までの運賃は640円でした。


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 鳴門駅から約40分。9時15分ほぼ定刻に引田駅に到着しました。


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 翼山温泉へ向けて走り去る徳島バスの右手の車庫に並んでいる緑のバスが、ここから乗り継ぐ大川バスの車両です。


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 JR高徳線引田駅は香川県東部のターミナルになっており、高松からの普通列車の多くがここで折り返します。

 高松駅から引田止まりの普通列車で到着した際に、徳島方面への足として、乗車してきた鳴門・引田の路線バスが有効活用できるのではないでしょうか。


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 引田駅はカフェドカンパーニュという洋食店を併設しています。


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 引田は香川県の東端、東かがわ市に属する小さな街ですが、駅から徒歩で行ける距離にスーパーやコンビニなどがあり、乗り継ぎ時間が長い場合でも困ることはなさそうです。


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 今回は10分接続で、9時25分発の高松駅行に乗り継ぎます。


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 引田駅からの乗客は5人程度。入れ替わりはありましたが終点の高松駅まで10人に届くことはありませんでした。 

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 引田駅から2つめの三本松駅では、国道を離れ駅前まで乗り入れます。三本松は、高松と徳島の中間に位置し東讃地方の中心にあたります。高徳線の特急「うずしお」もすべて停車します。


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 バスは三本松駅をすぎると高徳線の次の駅である丹生駅付近で、国道11号から分岐する香川県道10号に入り内陸を進みます。

 乗車した車両にはUSBポートが設置され、スマホなどの充電ができるようでした。高速バスではコンセントが標準装備になりつつあるようですが、路線バスでこのようなサービスを見たのは初めてです。


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 大川バス本社前のバス停は、琴電長尾線の終点長尾駅のすぐ近くで容易に乗り換えることができます。写真奥の白い建物が長尾駅。

 乗車している引田・高松線は、このように琴電とJR高徳線を連絡する機能を有しています。鉄道ファンの間では三重県のJR東海名松線と近鉄名張駅を結ぶバス路線などが有名ですが、ここも利用価値が高い路線だと思います。


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屋島の平坦な稜線が見え、高松が近づいたことを実感。


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 高松市の繁華街に位置する「ことでん」の瓦町駅に到着。


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 宇高航路を介して岡山へとつづく国道30号線を北上。


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 引田駅からの運賃は1000円。徳島駅からのトータルでは2100(460+640+1000)円でした。


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 長尾からは信号待ちや交通量が多くなり、高松駅前の路線バスターミナルには10分遅れの11時に到着しました。徳島駅からの所要時間は3時間30分でした。


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 徳島・高松間はJR高徳線を利用すれば普通列車でも2時間20分程で到達でき、運賃も1460円で済みます。

 そういう意味では、今回の乗り継ぎにどれほど実用性があるかは少々疑問ですが、公共交通の衰退が止まらない中、70km以上離れた2つの地方都市の間が、数百mおきにバス停がある純粋な路線バスで、それほど無理なく「つながる」というのは大変心強いことだと思います。

 全線乗車でなくても鉄道路線間の連絡・短絡、鉄道の便が少ない時間帯の補完などに積極的に路線バスを活用したいところです。

 最後に今回の乗り継ぎ旅行の簡単な地図とダイヤなどをまとめましたので、ご参考にしていただければと思います。f:id:nishiuraexp:20190317105535j:image

 

 

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