西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

山形新幹線つばさ124号乗車記(山形7:08→東京9:35)

f:id:nishiuraexp:20220127172710j:plainJR東日本山形駅。

今回はここから山形新幹線つばさ号で東京へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20220127172819j:plain午前7時前の山形駅のコンコース。

山形駅から山形新幹線に乗車する場合、まず在来線改札口を通り、山形新幹線ホーム入口で再度山形新幹線専用の改札を通ることになります。

 

f:id:nishiuraexp:20220127172954j:plain山形新幹線ホームへ。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173029j:plain今回乗車するのは写真左側の1番線から7:08に発車する「つばさ124号」です。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173200j:plain山形新幹線の車両は開業時の400系はすでに引退し現在はE3系7両編成での運転。

初めての在来線直通新幹線として1992年に山形新幹線が開業した際、

ほぼ無塗装でシルバー一色の400系の車体について、

「在来線走行区間の沿線の緑や冬期の雪景色にマッチする色を追求した結果がこれだった」などと説明されたものですが、

現在のE3系は新幹線車両としては多彩な色遣いが特徴です。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173244j:plain普通車の車内は暖色系でまとめられ落ち着いた雰囲気です。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173321j:plainシートの座面と背もたれは、肘置きのボタンで別々に動かすことができます。

 

f:id:nishiuraexp:20220219180617j:plain今回の東京までの乗車券は、JR東日本の列車予約サイト「えきねっと」から、席数限定の「トクだ値35」で購入。

東京まで指定席特急料金込みで7370円です。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173453j:plain 7:08。定刻に山形を発車したつばさ124号は雪景色の中を快走します。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173532j:plain山形発車からしばらく、左手の車窓に田園にそびえ立つ「スカイタワー41」が見えます。

乗車中の124号は通過しますが、山形新幹線の大半の便が停車する、かみのやま温泉駅から徒歩30分の場所にあるタワーマンションです。

田園地帯にそびえ立つ姿は奇抜な印象ですが、

ネツトの書き込みなど見ていると、

付近で一戸建てを建てるより安く購入でき、地方特有の濃密な地域の付き合いや雪下ろしの悩みからも解放されるなど、

実質的なメリットに注目して入居する地元の方が少なくなく、入居後の満足度も高い様子が伺えます。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173626j:plain 赤湯駅手前。

平地を見下ろす下り勾配で車窓が広がります。


f:id:nishiuraexp:20220127173720j:plain山形の1月の日の出時刻は7時前後。

 日の出から間もない太陽に照らされる雪景色の車窓は美しく見飽きることがありません。

東京より西に住む鉄道ファンが、車窓の美しい在来線特急として思い浮かべるのは、

「あずさ号」や「しなの号」が多いのではないかと思いますが、

山形新幹線つばさ号の在来線区間も負けず劣らず。ではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173802j:plain 7:38。山形から30分で最初の停車駅米沢に到着。

速達便の124号はノンストップでここまで来ましたが「つばさ号」の多くは、山形から途中

かみのやま温泉、赤湯、高畠に停車し、米沢まで35分程度の所要時間となっています。

米沢市の人口は約8万人で山形県内では4位。

東京までの所要時間も乗車中の速達便124号に限れば2時間を切ります。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173846j:plainホームでは米沢駅の名物駅弁「牛肉どまん中」が販売中ですが、停車時間は僅かでホームに出る時間はありません。

同じ在来線直通の秋田新幹線では大曲駅で進行方向が変わったり、単線区間があるため行き違い待ちの停車がある場合もありますが、

山形新幹線の山形以南はほとんどが複線で進行方向の転換もないため運行はスムーズです。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173921j:plain米沢駅を発車した「つばさ号」は山形県と福島県を分ける板谷峠に差し掛かります。

 

f:id:nishiuraexp:20220127173947j:plain 板谷峠の最急勾配は38パーミル。

長野県内のJR飯田線には40パーミル区間も存在しますが、距離は僅かであり、

板谷峠は、1997年の北陸新幹線長野開通とともに信越本線の碓氷峠区間が廃止されて以降、実質的にJRで最も急な勾配で峠を越える区間となっています。

時速200km以上で走行できる大出力のモーターを積んだ新幹線車両ですが、勾配のほか急曲線もあり、また下り区間では制動距離が伸びることから、

一部区間では新幹線とは名ばかりの時速60km付近まで速度が低下します。

 

f:id:nishiuraexp:20220127174049j:plain 板谷峠を抜け福島平野へと下る場面。

大きな曲線で峠にアプローチするこの付近は、庭坂カーブとも呼ばれ鉄道撮影地として有名です。

 

f:id:nishiuraexp:20220127174134j:plain

f:id:nishiuraexp:20220127174245j:plain福島駅が近づくと、在来線から分岐して高架に上がり、右カーブで 東北新幹線と並んで新幹線ホームに進入します。

 

f:id:nishiuraexp:20220127174322j:plain8:13。福島に到着。

山形から米沢まで47km30分に対し、米沢から福島まで40.1kmに35分を要した計算です。 

それぞれ平均時速を計算すると前者94km に対し後者は69kmとなります。

この速度低下に対し、JR東日本と山形県が米沢〜福島間の板谷峠区間を貫く新板谷トンネル掘削の調査を始めており、完成すれば同区間で13分程度の短縮が見込まれているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20220127174350j:plain福島駅新幹線ホームに到着した「つばさ124号」は、先に到着していた「やまびこ24号」の後方に連結され、その作業が終わったのちにドアが開きます。

 

f:id:nishiuraexp:20220127174442j:plain8:15。 2分の停車時間で福島駅を発車した「やまびこ・つばさ」号は、

東北新幹線下り本線を横断して東京方面の上り本線に進入します。

 

f:id:nishiuraexp:20220128232942j:plain高速道路で例えれば、上り線に入る際に、下り線の出口から逆走で進入し、対向車が迫りくる下り線を逆走したのち中央分離帯の切れ目から上り線に合流していくイメージです。

山形新幹線の開業から今年で30年。盤石の安全システムに守られ事故は起きていませんが、対向車の速度は時に時速300キロ以上。

一度事故が起これば航空機の墜落を上回る惨事になるかも知れません。

機械の誤作動やヒューマンエラーをある程度起こりうるものとして考慮に入れ、

そのような場合でも大事には至らせない。というフェイルセーフの思想を古くから発展させてきた日本の鉄道にあって、

素人目には、ここは異例の対応という印象を受けます。

 

f:id:nishiuraexp:20220128233055j:plainちなみに 福島駅で併結した「やまびこ124号」は仙台始発であり、

福島駅進入時にも下り本線を横断して「つばさ号」の到着・併結を待っていました。

再び高速道路を引き合いに出せば、上り線を走行している車が下り線のサービスエリアで一休みしていたようなものでしようか。

事故の危険性の話は差し置いても、

上り列車が頻繁に下り本線を横断(言うなれば短距離の逆走)しなければならない現状では、

ダイヤが乱れた際に、その影響が拡大したり収束が困難になることもあり、

2022年、山形方面から東北新幹線の上り待避線に直接繋がる新たなアプローチ線の建設が始まっています。

 

f:id:nishiuraexp:20220128233206j:plain「つばさ号」の東北新幹線内の最高速度は275km。

「つばさ124号」は、他の多くの「つばさ号」が停車する郡山・宇都宮には停まらないため、福島を発車すると次の停車駅は大宮です、

 

f:id:nishiuraexp:20220128233321j:plain8:30。福島駅発車から東北新幹線を南下すること15分。

山形駅から続いていた沿線の積雪はいつの間にかなくなり土色の車窓が続きます。

列車は間もなく白河の関を越え関東地方に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20220128233434j:plain8:40。北関東、栃木県に入り那須塩原駅付近。

車窓右手には冠雪した山並みを望む美しい車窓が展開します。

 

f:id:nishiuraexp:20220128233640j:plain 8:50。栃木県の県庁所在地宇都宮の駅を速度を落とすことなく通過。

 

f:id:nishiuraexp:20220128233819j:plain栃木県から埼玉県に入り、新交通システムニューシャトルとの平行区間に入ると間もなく大宮に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20220128233941j:plain9:12。大宮着。

ここから終点東京まで、東京から北へ延びる新幹線3路線(東北、上越、北陸)の全便が線路を共有しています。

そのため線路容量に余裕がなく、 

山形新幹線や同じく在来線直通の秋田新幹線が、福島駅や盛岡駅で東北新幹線の列車と併結して東京へ向かわなければならない理由はここにあります。

 

f:id:nishiuraexp:20220128234048j:plain大宮駅発車後、ほぼ同時に在来線ホームを発車した651系の特急あかぎ6号と並走。

時刻表では特急あかぎ6号の大宮発は9:12となっており、向こうは少し遅れていたようです。

 

f:id:nishiuraexp:20220128234145j:plain大宮から次の上野までの間は、2021年より最高時速が110kmから130kmに向上しており、平行する在来線埼京線の電車を軽快に追い抜いていきます。

速度だけ見れば、関西圏の複々線区間で、新快速が普通電車を追い抜いているようなものですが、

新幹線車両にとっては徐行とも言える速度であり追い越す側の余裕が全く違います。

 

f:id:nishiuraexp:20220128234329j:plain 田端駅付近。

JR東日本東京支社の社屋に新幹線車両が綺麗に写り込んでいました。

 

f:id:nishiuraexp:20220128234411j:plain上野を通過。

先述のように東京を発着する東北、上越、北陸の各新幹線の全便がここを通りますが、通過する列車は一日に数本しかありません。

 

f:id:nishiuraexp:20220128234542j:plain東京到着直前の指定席車内の様子。

東京から地方へ向かう利用に比べ、地方から東京へ向かう利用は、コロナ禍による急減からの回復が遅れているという話もあり、

今回の「つばさ124号」の指定席も山形から終点東京まで終始1両数人〜10人程度と寂しい乗車率でした。

 

f:id:nishiuraexp:20220128234626j:plain定刻9:35。東京駅に到着。

新板谷トンネルの調査開始や福島駅でのアプローチ線建設に加え、山形新幹線向けの新型車両E8系の投入予定も最近発表されました。

鉄道全体に明るい話題が少ない中、今後の進化に期待を寄せることができるのは、幸いと言わなければならないでしょう。

  

f:id:nishiuraexp:20220128234700j:plain最後までお読みいただきありがとうございました。 

 

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追加料金840円で乗れる!快速「海里」乗車記(新潟10:11→酒田12:44)

f:id:nishiuraexp:20220115141921j:plain旧駅舎が解体され印象が変わった新潟駅万代口。

今回はここから土曜休日を中心に運転される羽越線方面への快速列車「海里」に乗車します。

 

f:id:nishiuraexp:20220115155437j:plain快速「海里」の新潟発車時刻は10:11。

首都圏からは東京7:48発の上越新幹線とき305号の新潟到着が9:55となっており余裕を持って乗り継ぐことができます。

関西からはJALの伊丹発新潟行2241便が伊丹7:10→新潟8:15のダイヤで運航されており、大きな遅れなどがなければ間に合いそうです。

★★当乗車記記載のダイヤや運賃は2022年1月の投稿日時点の情報です。

 

f:id:nishiuraexp:20220115155609j:plain新潟駅4番線ホームに入線した快速「海里」の車両。ハイブリッド気動車の4両編成です。

 

f:id:nishiuraexp:20220115155742j:plain今回は酒田寄りの先頭車1号車の座席を指定しました。(海里は全席指定席です)

4両編成の「海里」ですが、そのうち1号車と2号車が、みどりの窓口などで乗車券、指定席券を購入できる車両となっており、

3号車は売店イベントスペース、4号車は旅行商品での利用が前提となっています。

 

f:id:nishiuraexp:20220123173558j:plain

f:id:nishiuraexp:20220116085131j:plain1号車の車内。

一般的なリクライニングシートが並びます。

 

f:id:nishiuraexp:20220123173648j:plain1号車先頭部分は、運転席越しに前面展望ができるフリーススペースになっています。

 

f:id:nishiuraexp:20220115160257j:plain自席に荷物を置き、発車時刻までに車内見学へ。

乗車した1号車のデッキにはバリアフリーのトイレと洗面所。

 

f:id:nishiuraexp:20220115160414j:plain海里のロゴも誇らしいデッキのドアから2号車へ。

 

f:id:nishiuraexp:20220115160540j:plain2号車に入ると、かつての寝台特急を思わせる長い通路に沿ってコンパートメントが8室並んていました。

 

f:id:nishiuraexp:20220115160745j:plain空室のコンパートメントを撮影。

コンパートメントの定員は4人で座席をスライドさせてフルフラットにすることもできるようです。

JR東日本HPの「海里」を紹介するページには、1人から3人の予約で、このコンパートメント席を利用した場合、相席になる可能性があります。と注意書きがあります。

 

f:id:nishiuraexp:20220123173825j:plain3号車は売店イベントスペース。

発車前から売店には列ができていました。

発車後、車窓の良い区間で再度訪問することにし一旦自席に戻ります。

なお旅行商品での利用が前提の最後尾4号車については、

1号車、2号車の一般客の立ち入りはご遠慮下さいと何度か車内放送が流れていましたが、

編成表によれば2人または4人掛けテーブル席が24席配置されているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20220115161113j:plain1号車の自席に戻ると間もなく発車時刻。

1号車のリクライニングシートのシートピッチは写真のように非常に広く、

窓側の席からトイレや3号車の売店へ買物に行くために席を立つ際も、

通路側の人に席を立ってもらう必要はありませんでした。

 

f:id:nishiuraexp:20220115161231j:plain10:11新潟駅を発車。

新潟を発車した「海里」は次の停車駅、新発田まで白新線を進みます。

 

f:id:nishiuraexp:20220115161407j:plain1号車の天井には数台のモニターがあり、

リアルタイムの前面展望や列車紹介のビデオなどが流されます。

 

f:id:nishiuraexp:20220115161618j:plainさて「海里」は新潟から山形県庄内地方の終点酒田まで168.2kmを約2時間半で走行します。

指定席券は840円と通常の指定席券より若干高いものの、列車種別は快速のため、特急料金などはかからず、840円と乗車区間の運賃のみで乗車することができます。

また青春18切符+指定席券での乗車も可能です。

新潟〜酒田間の乗車券は3080円で指定席券と合わせて3920円。

車内のクオリティを考えれば青春18シーズン以外でも十分に乗り得列車と言えそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20220115161743j:plain2駅目の大形駅を通過すると阿賀野川に架かる長い鉄橋を通過。

 

f:id:nishiuraexp:20220115161857j:plain政令指定都市新潟の近郊に延びる白新線ですが、米どころ新潟らしく駅間では写真のような広々とした田園地帯が広がります。

 

f:id:nishiuraexp:20220116082900j:plain10:37新発田着。

列車はこの駅から日本海縦貫線の一画を為す羽越線に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20220116083103j:plain 昼食には少し早い時間ですが、ここで新潟駅で購入した駅弁を広げることに。

ようこそ!にいがた彩り弁当

新潟の魅力を発信するプロジェクト「イロドリプラス」とのコラボ商品です。

 

f:id:nishiuraexp:20220116083202j:plain掛け紙だけでなく中身も華やかな幕の内弁当でした。

 

f:id:nishiuraexp:20220116083314j:plain弁当を食べるうちに米坂線との乗り換え駅坂町を過ぎ、

11:08。新潟から約1時間で村上に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20220116083419j:plain村上から先列車は日本海に沿って進みます。

今回の自席は山側ということもあり、

このタイミングでオープンスペースのある売店車両に移動することにしました。

売店車両の入口には小さな手洗いが設けられています。

 

f:id:nishiuraexp:20220123173954j:plain意外にも発車前より空いていました。


f:id:nishiuraexp:20220116083649j:plain売店で購入した、

「笹川流れの塩キャラメルパウンドケーキ」と海里ラベルのミネラルウォーター。

立席カウンターで食後のデザートというのも悪くありません。

売店では沿線の地酒などの販売もあります。


f:id:nishiuraexp:20220116083757j:plain11:24。桑川駅に停車。

桑川駅は、羽越線に並行する国道345号線の道の駅「笹川流れ・夕日会館」に併設されています。

「海里」のダイヤは夏期と冬期で異なり、

夏期は当駅で約20分停車しますが、冬期にあたる現在は、他の駅と同様に乗降が終わるとすぐに発車時刻となります。

道の駅の施設を散策するだけなら季節はあまり関係なさそうであり、

通年20分停車でも良さそうな気もしないでもありません。

 

f:id:nishiuraexp:20220116083854j:plain

f:id:nishiuraexp:20220116083936j:plain車内販売品のケーキや道の駅もその名を拝借している「笹川流れ」は、

日本海の荒波による侵食でできた奇岩などと、透明度の高い海水が織りなすこの付近の海岸線の美しい景観を指し、

「海里」の旅でも車窓の1番の見せ場となっています。


f:id:nishiuraexp:20220116084049j:plainこうして引いた構図で売店車両内を眺めると、観光列車というよりクルーズ船で旅をしているかのようであり、「海里」というこの列車の愛称も納得の光景です。

 

f:id:nishiuraexp:20220116084250j:plain売店車両の一画には乗車記念スタンプと台紙が置かれていました。

売店では乗車記念になる海里グッズも並んでいましたが、

節約派の方にはオススメの乗車記念品となります。

 

f:id:nishiuraexp:20220116084154j:plain列車は山形県に入り、11:53あつみ温泉に停車。

「あつみ」は「温海」と記されることもあり、温海川沿いに湧いた温泉水が川を下り日本海の海水を温めたためその名がついたとも言われています。

 

f:id:nishiuraexp:20220116084343j:plain12:17。

駅前にホテルなどが並ぶ庄内地方の拠点鶴岡に到着。

新潟から2時間6分での到着です。

 

f:id:nishiuraexp:20220116084447j:plain鶴岡ではしばらく停車し、新潟行の特急いなほ8号と行き違い。

特急いなほ号を利用しても新潟〜鶴岡間は1時間50分程度かかります。

特急料金不要の快速列車「海里」は、

観光目的だけでなく特急列車代わりの地元利用も少なくないようで、

鶴岡では軽装の乗客が多数下車していきました。

なお夏期は桑川駅での停車時間がとられる分、所要時間が延び、

鶴岡到着までに後続の特急いなほ3号に抜かれるダイヤになっているため、多少様子が違うかもしれません。

 

f:id:nishiuraexp:20220116084612j:plain鶴岡から空席が目立つようになった車内。

 

f:id:nishiuraexp:20220116084710j:plain鶴岡から終点酒田までは庄内平野の雪原の中を快走します。

 

f:id:nishiuraexp:20220116084744j:plain終点到着前に前面展望のフリースペースへ。

車内ではこのスペースが密にならないよう、長時間の利用は控えてほしい旨の放送が繰り返しありました。

 

f:id:nishiuraexp:20220122131704j:plain前面展望。

雪や強風の影響を受けることも少なくない冬期の羽越線ですが、今回はダイヤ通りの快走が続きました。

f:id:nishiuraexp:20220116085018j:plain最後の途中停車駅は、山形県内陸の新庄に至る陸羽西線との乗り換え駅「余目」。

終点の酒田まで海里に乗車し、1時間強の待ち時間で酒田始発の陸羽西線の快速列車最上川号に乗り継ぐと、

終点の新庄で、車内に足湯がある山形新幹線とれいゆつばさ号(福島行)や快速湯けむり号(仙台行)に接続しています。

首都圏からだと旅行商品のお世話にならなくても、

上越新幹線→(新潟)→海里→(酒田)→最上川→(新庄)→とれいゆ又は湯けむり→(福島または仙台)→東北新幹線という、

列車に1日乗り歩ける魅力的な周遊コースが用意されていることになります。

★★陸羽西線は2022年5月より隣接道路の工事に伴い長期運休、バス代行となっていますのでご注意下さい。★★

 

f:id:nishiuraexp:20220116085242j:plain12:44。終点の酒田に到着した「海里」。

酒田から先、羽越線を下る列車としては約2時間後の14:41に特急いなほ5号秋田行がありますが、

「海里」で酒田に到着した乗客の様子を眺めていると、やはり快速最上川号への乗り継ぎが多いように見え、

またこの日は、酒田駅のアナウンスや掲示などで、新庄からの快速湯けむり号が雪の影響で運休となることを知った人が、窓口に行列する光景も見られました。

 

f:id:nishiuraexp:20220116085456j:plain近年リニューアルされた酒田駅舎。

次は山形新幹線つばさ号の乗車記を投稿予定です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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所要時間はスーパーはくと号と互角!岡山経由で鳥取へ。(関西どこでもきっぷ旅行)

2021年12月までJR西日本から発売されていた関西どこでもきっぷは、

関西周辺の指定エリア内の特急、新幹線に2日間乗り放題で、指定席も6回まで利用できて10000円という格安きっぷでした。

筆者はこの切符を最大限活用し、特急14本と新幹線1本を乗り継ぐ鉄道旅行を計画していました。

しかし直前になって予定通り旅行に出発できない事情が生じ、キャンセル払い戻しも考えましたが、

価格を考えれば、鳥取まで今冬初めての雪景色を見に行くだけでも元がとれるだろう。と思い直し、払い戻しはせず旅程を大幅に短縮して出かけることにしました。

 

f:id:nishiuraexp:20211221204227j:plainさて関西から鳥取へ向かう場合、京阪神、姫路を通り智頭急行線経由で鳥取へ向かう特急スーパーはくと号を利用することが一般的ですが、

スーパーはくと号と大差ない所要時間で鳥取に到着できるルートが、もう一つ存在します。

そんなわけで、今回の鳥取旅行は新大阪駅の新幹線ホーム20番線からスタートです。

 

f:id:nishiuraexp:20211221204407j:plain 折り返し12:06発さくら555号鹿児島中央行となる編成が20番線に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211221204517j:plain山陽新幹線と九州新幹線を直通する、さくら号みずほ号に使われるN700系車両は、JR九州編成とJR西日本編成があります。

今回乗車する編成は左下に見えるJRのロゴがJR九州のコーポレートカラーの赤色であることからJR九州編成であることがあわかります。

 

f:id:nishiuraexp:20211221204624j:plain九州新幹線に直通する列車の指定席のシートはグリーン車と同じ2列✕2列で横幅があり、

自由席の空席状況に関わらす指定席乗車がおすすめです。 

 

f:id:nishiuraexp:20211221204726j:plain関西どこでもきっぷの特権で追加料金無しで発券した指定席券。

 

f:id:nishiuraexp:20211221204848j:plain臨海工業地帯を望む加古川市内区間。

新幹線に平行する複線軌道は山陽電鉄本線です。

先日発売された鉄道雑誌に、この付近に山陽新幹線の駅を設けたら山陽電鉄との乗り換えで広範囲の新幹線アクセスが改善するのではないか。という読者氏の意見が寄せられていました。

加古川市や明石市から新幹線で東京方面へ向かう場合、

最寄りの西明石は停車する列車が少なく、次の新神戸は三ノ宮で地下鉄に乗り換える必要があることから、

JR神戸線の快速や新快速で新大阪へ向かう人がかなりいると思います。

その点では、この付近への駅設置は効果がありそうに思えますが、

個人的には、新駅ができても、こだま号のみ停車なら西明石と同じ扱いを受けるのではないか。という思いと、もう一点、

この付近から博多方面へ向かう場合は、現状のままでも、JRであれ山陽電鉄であれ、電車1本で姫路へ出ればよく、新幹線へのアクセスは良好です。

JR西日本の新幹線の営業エリアが新大阪以西であることを考えれば、

東京へ向かう客の新幹線アクセスが改善されることは、

必ずしも新駅設置という投資をする動機にはならないのかも知れないと考えています。

 

f:id:nishiuraexp:20211221205109j:plain姫路周辺のみならず兵庫県の広い範囲から西へ向かう需要を集めている姫路駅。

さくら555号は通過しましたが、姫路駅への停車は実需要を踏まえ慎重に検討されているようで、時間帯によっては、さくら号より格上の、みずほ号も停車します。

 

f:id:nishiuraexp:20211221205210j:plain岡山県に入り赤穂線、国道2号線との平行区間。

 

f:id:nishiuraexp:20211221205254j:plain岡山県を代表する河川の一つ吉井川を渡ると岡山到着の車内放送が始まります。

 

f:id:nishiuraexp:20211221205435j:plain 新神戸発車から30分。列車の速度が落ち車窓には岡山市街のビル群が広がります。

 

f:id:nishiuraexp:20211221205613j:plain12:51。新大阪から45分で岡山駅に到着。

種別としては、ひかり号相当のさくら号ですが、姫路通過の555号に限れば、岡山までの所要時間はのぞみ号と変わりません。

 

f:id:nishiuraexp:20211221205708j:plain 岡山では乗り換え時間で駅前広場へ。

 

f:id:nishiuraexp:20211221205826j:plain駅前広場に立つ桃太郎像。

数年後には、現在駅前通りに発着している岡山電軌の路面軌道が延伸され、この銅像のあたりに乗降ホームが新設されるようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211221210020j:plain岡山駅内の土産物売場。

桃太郎に因む商品や、その代表格である吉備団子に大きなスペースが割かれています。

駅前の銅像は、移転や新調はあっても、撤去され姿を消すことはないのではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20211221210330j:plain 岡山駅中央改札口。

できるだけ写り込む人の数が少なくなるタイミングを狙って撮影したものです。

旅行者の目には、日曜日の岡山駅はコロナ前の賑わいを取り戻しているように見えます。

 

f:id:nishiuraexp:20211221210435j:plainさて岡山からは、13:43発の鳥取行特急スーパーいなば7号に乗車します。

 

f:id:nishiuraexp:20211221210603j:plain倉敷方から入線した特急スーパーいなば7号。

187系2両編成のディーゼル特急です。

 

f:id:nishiuraexp:20211221210725j:plain岡山発車時点で前寄りの車両が自由席、後寄りの車両が指定席です。

写真は乗車直後の指定席。

空いているように見えますが、発車時には8割方の席が埋まりました。

 

f:id:nishiuraexp:20211221210849j:plainパソコン作業もできる大型の背面テーブルが備わりますがコンセントはありません。

 

f:id:nishiuraexp:20211221211005j:plain先程新幹線で渡った吉井川を渡ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211221211058j:plain 岡山駅から約50km折り返す格好で、再び兵庫県に入り最初の停車駅上郡に到着。

スーパーいなば号は、ここで進行方向を変え、智頭急行線に入ります。

車内の座席転換も満席に近いときは大変です。

 

f:id:nishiuraexp:20211221211241j:plain第3セクターの智頭急行線は上郡と鳥取県南部の智頭を結ぶ55.1kmの路線で、兵庫県、岡山県、鳥取県の3県に跨っています。

 

f:id:nishiuraexp:20211221211353j:plain兵庫県区間の智頭急行線は千種川に沿って進みます。

兵庫県南西部、播磨地方を南北に流れる主要な河川は、

東から加古川線に沿う加古川、播但線に沿う市川、姫新線に沿う揖保川があり、

智頭急行線に沿う千種川は最も西に位置しています。

岡山県まで視野を広げると、その西には、かつての片上鉄道に沿う吉井川、津山線に沿う旭川、伯備線に沿う高梁川と続きます。

兵庫県、岡山県に限らず、川の話を抜きに国内の鉄道網を語ることは到底できません。 

 

f:id:nishiuraexp:20211221211512j:plain JR姫新線との乗り換え駅佐用を発車すると、間もなく左手に樹齢500年以上と言われる大銀杏がみえます。

兵庫県の天然記念物にも指定されています。

 

f:id:nishiuraexp:20211221211638j:plain 岡山県に入り(戻り)大原駅に停車。

上郡では晴れていた空は、智頭急行線を北上するにつれ、次第に曇に覆われ、この付近から車窓には白いものが目立ち始めました。

 

f:id:nishiuraexp:20211221211911j:plainそして智頭急行で最も長い志戸坂トンネルを抜け鳥取県に入ると写真のような雪景色が。

先述の経緯を踏まえて言えば、ミッション達成ということになるでしょうか。

このあと10日ほどで当地が災害級の大雪に見舞われることは予想もしていませんでした。

 

f:id:nishiuraexp:20211221212036j:plain 列車は智頭急行線からJR因美線に入り、雪景色のなかを北上。

 

f:id:nishiuraexp:20211221212229j:plain15:32鳥取に到着。

新大阪から3時間26分での到着ですが、そのうち52分は岡山駅での乗り継ぎ時間ですので、正味2時間34分。

京阪神から鳥取へ向かうには明らかに遠回りの岡山経由ですが、岡山駅でスムーズに乗り継げは、スーパーはくと号と同等の所要時間で鳥取に到達できることがわかります。

 

f:id:nishiuraexp:20211221212717j:plain

f:id:nishiuraexp:20211221212406j:plain 訪問日の時点では鳥取市街地に雪はありませんでした。

 

f:id:nishiuraexp:20211221212555j:plain鳥取滞在時間約1時間20分。

鳥取16:54発の特急スーパーはくと12号で帰路につきます。

 

f:id:nishiuraexp:20211221212845j:plain スーパーはくと12号は倉吉始発ですが、始発駅からの乗車も多く鳥取からの乗車で指定席はほぼ満席になりました。

 

f:id:nishiuraexp:20211221213003j:plain新規開業した智頭急行線を通ることで、京阪神と鳥取の所要時間を一気に1時間以上短縮したスーパーはくと号は、

開業直後に阪神大震災の影響で京阪神への乗り入れができなくなるなど災難にも見舞われましたが、

以後は堅調で、平行する鳥取自動車道が全線開通した現在も大きく利用者を減らしているようには見えません。

 

f:id:nishiuraexp:20211221213117j:plain夕食は鳥取駅前の大丸地下で買った弁当を車内で。

 

f:id:nishiuraexp:20211221213717j:plain

f:id:nishiuraexp:20211221213805j:plainスーパーはくと号に使われているHOT7000系は1994年の智頭急行開業、スーパーはくと号運転開始時に登場したものですが、

何度かリニューアルが施されており、シートだけでなくデッキの洗面所なども更新され快適性を維持しています。

なお2024年頃より新型車両への置き換えが始まるようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211221213559j:plain鳥取から2時間で明石に到着。

最近設置されたロープ式のホームドアは、

新快速などとドアの数や位置が全く違う特急車両にも対応できる優れものです。

 

f:id:nishiuraexp:20211221214018j:plain今回は19:11着の三ノ宮で下車しました。

このまま乗車すると大阪には19:31、新大阪には19:41、終点の京都には20:06に到着します。

ちなみに乗車したスーパーはくと号の34分前、16:20に鳥取駅を発車した岡山行スーパーいなば号は終点岡山に18:11到着。

岡山18:23発の山陽新幹線のぞみ50号に乗り継ぐと、新神戸に18:55、新大阪に19:07、京都には19:22に到着します。

偶然ですが新大阪までの所要時間は共に2時間47分、京都では岡山周りの方が所要時間が短くなります。

遠回りする分、運賃料金は高くなり、岡山での乗り換えの手間も余計とは言え、

一刻も早く目的地に着きたいときや、京阪神〜姫路〜上郡間の在来線で輸送障害が発生した際などには大いに活用できそうです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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【大阪行ひだ号】特急ひだ36号乗車記(高山15:38→大阪19:50)

f:id:nishiuraexp:20211212170251j:plain岐阜県高山市。JR東海高山本線高山駅。

今回はここから特急ひだ号に乗車します。

 

f:id:nishiuraexp:20211121145342j:plain特急ひだ号は富山、高山〜名古屋間を1〜2時間に1本の頻度で運転する特急列車ですが、

1日1往復だけ、岐阜まで名古屋行に併結し、岐阜から単独で大阪へ向かう便があります。

高山本線と大阪を直通する特急ひだ号は通称大阪ひだ号などと呼ばれています。

高山から大阪へ向かう大阪行特急ひだ号の高山発は15:38。

岐阜まで併結となる名古屋行は16号ですが大阪行には別途36号の号数が付番されています。

 

f:id:nishiuraexp:20211121145300j:plain高山駅ては北海道以外ではほとんど見られなくなった列車別改札が行われています。

15:38発の特急ひだ16号、36号に乗車する場合、写真右手の看板の後ろで列にならび15:10の改札開始を待つことになります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121161807j:plain改札が始まりホームへ。

特急ひだ号は全列車が写真のキハ85系での運転ですが、近く新型のハイブリッド車両HC85系に置き換えられる予定です。

 

f:id:nishiuraexp:20211121152016j:plain乗車日のひだ16号、36号は、

前方に大阪行ひだ36号3両編成、後方に名古屋行ひだ16号5両編成を併結した8両編成で高山駅を発車します。

なお8両編成の最前部となるのは大阪行編成の自由席です。

 

f:id:nishiuraexp:20211203172235j:plain キハ85系普通車車内。大阪行編成にグリーン車の連結はありません。(終点到着後撮影)

 

f:id:nishiuraexp:20211203172425j:plainキハ85系はシート部分が通路より一段高いハイデッカー構造になっています。

その結果、写真のように窓の下部が肘置きと同じ高さになり広い視野で車窓を楽しむことができます。

 

f:id:nishiuraexp:20211209203231j:plain今回は運転席後方の前面展望席を確保することができました。

なお反対方向、大阪から高山方面へ向か特急ひだ号の場合、

途中の岐阜で、大阪時点で先頭となる車両の前に名古屋からの車両を繋いで高山方面へ向かうため高山本線内の前面展望は楽しめません。

また岐阜までの区間についても、連結面が先頭になる関係で、写真の非連結(非貫通)車両ほどの前面展望は期待できません。

 

f:id:nishiuraexp:20211209203311j:plain15:38。定刻に高山駅を発車した列車はしばらく高山の市街地を進みます。

高山本線のうち高山〜岐阜間の最高速度は高山から下麻生まで100km/h、下麻生から岐阜までが110km/hとなっています。

 

f:id:nishiuraexp:20211203172922j:plain高山の次の駅にあたる飛騨一ノ宮を過ぎると高山盆地の平坦区間は終わり、一宮峠と呼ばれる勾配に差し掛かります。

 

f:id:nishiuraexp:20211203173007j:plain 山間に分け入る手前、線路は曲線を描いて高度を稼いでいきます。

先頭車から振り返ると8両編成のうち後ろ5両くらいが見えており、かなりの急曲線であることがわかります。

この区間の線形は、地図で見るとΩの文字のように見えることからオメガループなどと呼ばれ、鉄道撮影の名所としても知られます。

 

f:id:nishiuraexp:20211204192650j:plain高山を経由して富山と岐阜を結ぶ高山本線は、

富山寄りの砺波平野区間と岐阜寄りの濃尾平野区間を除く大半の区間が、曲線や勾配が連続する山間部区間となっており高速運転には不向きな路線です。

国鉄時代には電化して振子式車両の特急を走らせる計画もありましたが、頓挫し非電化のままJR東海に引き継がれました。

電化計画はJR化後も復活することはなく実質的に断念されたように見えますが、

JR発足から間もない時期にアメリカ•カミンズ社製の強力なエンジンを搭載してデビューしたキハ85系は、その代償という見方がされることもあるようです。

キハ85系登場により、先代の国鉄型80系特急型気動車で2時間50分かかっていた名古屋〜高山間は、分岐器改良など線路側の改善とあわせ、最終的には2時間9分まで短縮されています。

★2021年12月現在では3号の2時間13分が最速です。

 

f:id:nishiuraexp:20211204192842j:plain

f:id:nishiuraexp:20211204193007j:plain高山以南の高山本線は、美濃太田の手前まで飛騨川に沿って進みます。

列車は何度となく飛騨川にかかる鉄橋を渡り、川は車窓の右へ左へと頻繁に移ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211204193530j:plain国道との並行区間。国道41号は概ね高山本線に並行して名古屋と富山を結んでいます。

また高山本線に関係する道路としては東海北陸自動車道が90年代に順次延伸され、2000年に高山に近い飛騨清見IC以南が全線開通。

名古屋〜高山間の高速バスも、キハ85系登場で早くなった特急ひだ号に匹敵する所要時間で運転されるようになり、特急ひだ号の利用にも影響を与えています。

 

f:id:nishiuraexp:20211204193654j:plain 16:14。最初の停車駅飛騨荻原に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211204193744j:plain飛騨萩原から10分弱、飛騨川沿いに広がる温泉街が車窓に見えると、間もなく高山本線では高山と並ぶ主要駅である下呂に到着します。

 

f:id:nishiuraexp:20211204193845j:plain16:22。下呂温泉の玄関として賑わう下呂駅に到着。

ホームでは観光を終え名古屋や大阪へ帰る乗客が列を成して特急ひだ号の到着を待っていました。

 

f:id:nishiuraexp:20211204194011j:plain下呂駅発車から数分。対向の特急ひだ13号を待たせて少々野信号所を通過。

下呂駅からわずか1.7kmの当信号所はかつて貨物駅として機能していたものです。

 

f:id:nishiuraexp:20211204195122j:plain時刻は17時前。次の停車駅美濃太田へ歩を進めるうち日が暮れてきました。

車窓の飛騨川の様子を撮影することも難しくなってきましたが、この付近で岩場を流れ下る飛騨川の車窓は特に美しいことで知られています。

 

f:id:nishiuraexp:20211204194830j:plain17:16。列車は山間部を抜け美濃太田に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211204194240j:plainさて美濃太田を発車後、乗車前に高山駅で購入した駅弁「飛騨牛入り牛しぐれ弁当」を開くことに。

弁当の下に発熱体が仕込まれていて、手前に見えている紐を引き抜くと化学反応で加熱。

 

f:id:nishiuraexp:20211204194315j:plain紐を引いて待つこと5分。

コンビニで温めてもらうより少し低いくらいの温度まで温まった弁当を開封すると、肉の香りが広がり食欲をそそります

なお今回は弁当を買った際にペットボトルのお茶も一緒に購入しましたが、

  

f:id:nishiuraexp:20211204194529j:plain特急ひだ号の車内デッキには飲料の自販機や、トイレから独立した洗面所も設置されています。

車内販売こそありませんが、持ち込みでの食事には重宝する設備です。

 

f:id:nishiuraexp:20211204195204j:plain 17:36。弁当を食するうちに東海道本線と合流し岐阜に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211204195323j:plain岐阜駅では名古屋行と大阪行の切り離しが行われます。

到着から5分の17:41。写真左手の名古屋行が進行方向を変えて先に発車時刻を迎えます。

 

f:id:nishiuraexp:20211204195456j:plainホームに残された大阪行の3両編成。

大阪行の発車は名古屋行に遅れること2分の17:43。

切り離し作業を見学していた大阪方面へ向かう他の乗客とともに急ぎ足で車内に戻ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211204195530j:plain岐阜から2駅目にあたる穂積駅を高速で通過。

東海道線に入り列車の速度はキハ85系の最高速度でもある120kmに迫ります。

通過駅であっても駅周辺に市街地の明かりが広がり、車窓からも大幹線に乗り入れたことを実感できます。

 

f:id:nishiuraexp:20211204195641j:plain17:53大垣着。

 名古屋方面から到着して折り返しを待つ近郊型車両越しに駅名標を撮影しました。

大垣は名古屋都市圏の西端に位置し、この先関ヶ原を越え滋賀県の米原まで、東海道線では最も列車本数が少ない区間となっています。

 

f:id:nishiuraexp:20211204195718j:plain大垣から約30分。 18:22米原に到着。

米原はJR東海とJR西日本の境界駅で短い停車時間の間に乗務員さんの交代が行われます。

 

f:id:nishiuraexp:20211204195932j:plain18:23米原を発車。JR西日本区間へと進みます。

米原の次の彦根駅周辺には大きな市街地が見えますが特急ひだ号は通過。

米原から終点の大阪まで、特急ひだ号は米原駅を6分前の18:17に発車した新快速播州赤穂行を追う形になります。

 

f:id:nishiuraexp:20211204200135j:plain 新快速は米原から京都までの間、彦根、能登川、近江八幡、野洲、守山、草津、南草津、石山、大津、山科に停車するのに対し、特急ひだ号は草津に停車するのみですが、

いわゆる平行ダイヤで、追いついたり追い越したりはせず、一定の間隔を保ったまま走るため、この区間では線形や車両の性能に比して控えめな速度での走行が続きます。

 

f:id:nishiuraexp:20211204200324j:plain19:01草津着。

ここから京都、大阪、神戸を経て兵庫県の西明石駅まで続く、全国最長約120kmの複々線区間に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211209211934j:plain19:17。

奈良線の205系と並走しながら京都駅に進入。右手にはライトアップされた京都タワーが見えます。 

 ★カメラの補正機能で運転室内が明るく見えますがフラッシュ等は使用していません。

 

f:id:nishiuraexp:20211204200602j:plain長岡京駅を高速通過。京都〜新大阪間では前を走る新快速も高槻に停車するのみ。

後に続く特急ひだ号の速度も上がります。

 

f:id:nishiuraexp:20211204200711j:plain 山崎駅付近の左カーブ。

右手にサントリーの工場があることからサントリーカーブと呼ばれ鉄道撮影の名所として知られます。

列車はこの付近で京都府から大阪府に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211204200830j:plain減速して駅に進入する普通電車をトップスピードで一気に追い抜き。複々線区間ならではの光景です。

前面展望への興味は日が暮れても尽きることはありません。

 

f:id:nishiuraexp:20211204201007j:plain19:44。最後の停車駅新大阪に到着。

新大阪では19:55発九州新幹線直通の鹿児島中央行みずほ615号に乗り継ぐことができます。

夕方まで高山や下呂に滞在し、その日のうちに熊本や鹿児島へ帰ることも、特急ひだ号と新幹線の乗り継ぎなら可能です。

 


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 新大阪から終点大阪駅到着までの5分間は動画に収めました。

淀川を渡り大阪都心のビル街からドームに覆われた大阪駅進入まで、大阪行特急ひだ36号前面展望のクライマックスをご覧下さい。

 

f:id:nishiuraexp:20211204201259j:plain

19:50。終点大阪駅に到着。

長編成の電車が頻繁に発着する大阪駅に据え付けられた3両のディーゼル特急車両は、

ホーム上を忙しく行き交う人々にむけて、有名観光地とこの地を直結する1日1往復だけの特別な列車であることを無言のうちに主張しているかのようです。

なお大阪から高山方面へ向かう特急ひだ25号は、大阪発平日7:58.土日祝日8:02発で高山には12:23に到着します。★2021年12月現在のダイヤです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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【パノラマグリーン車】特急しなの11号乗車記(名古屋12:00→長野14:56)

f:id:nishiuraexp:20211120114402j:plainJR東海名古屋駅。今回はここから特急しなの号に乗車し長野へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20211120114513j:plain名古屋駅改札口前掲示の在来線特急のりば案内。

松本、長野方面へ向かう特急しなの号は概ね1時間毎の00分発車で、運転本数、利用者数などの面から見ても名古屋発の在来線特急列車の代表格と言って良さそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211120114547j:plain改札口を抜け10番線ホームへ。

今回は名古屋駅12:00発の11号に乗車します。

 

f:id:nishiuraexp:20211120161453j:plain11:48。岐阜方から入線した特急しなの11号の編成。

本日はパノラマグリーン車を先頭にした383系6両編成での運転です。

 

f:id:nishiuraexp:20211120161540j:plain今回はパノラマグリーン車の一番前の前面展望席を確保しました。

 

f:id:nishiuraexp:20211128115804j:plainグリーン車は2列✕2列の横4列。

JRの在来線特急グリーン車は横3列のものも珍しくないので、それらに比べるとやや見劣りがするかも知れませんが、

 

f:id:nishiuraexp:20211120161706j:plainシートピッチは1200mmと標準より広く、シートもグリーン車らしい重厚なものです。

 

f:id:nishiuraexp:20211120161744j:plain最前列の座席は、名古屋発の場合左側が1番AB、右側が1番CDとなります。

AB席は運転席に視界を遮られるのでCD席の方がオススメです。

 

f:id:nishiuraexp:20211120161822j:plain1番D席からの眺め。

グリーン車が横4列となっている背景には、特急しなの号のグリーン車需要が少なくないことも背景にあると思いますが、

今回は10人程度の空いた状態で発車時刻を迎えました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083316j:plain12:00定刻に名古屋駅を発車した特急しなの11号は、東海道新幹線、東海道線、名鉄と並んで東へ向かい、2駅目の金山通過後に左にカーブして中央本線長野方面に進路をとります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083351j:plain中央本線単独の複線区間に入った列車は、次の停車駅千種まで名古屋市の中心部を進みます。

この区間は長野への旅の助走区間といったイメージですが、運転台の速度計を覗くと120kmに達しており、すでに特急らしい高速運転が始まっています。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083431j:plain12:06千種に停車。

名古屋市営地下鉄のメインライン東山線との乗り換えができる駅ですが、東山線は名古屋駅にも乗り入れています。

旅行者の視点では、名古屋駅に入らない名城線や、名鉄との乗り換えが容易な金山に停めるほうが便利なのではないか。という気もします。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083509j:plain千種発車後もしばらく市街地がつづき、大曽根、勝川といった乗り換え駅も高速で通過していきます。

中央本線名古屋口の列車本数は特急しなの号を除いても、高蔵寺まで毎時快速3本、普通5本と多く、展望席に座っていると頻繁に対向列車が迫ってきます。

 

f:id:nishiuraexp:20211128115118j:plain神領駅手前、神領車両区の脇を時速120kmで通過。

卸したての新型通勤車両315系の姿が見えました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083704j:plain岡崎方面への愛知環状鉄道の高架線が分岐する 高蔵寺駅を通過。

先述の普通列車5本のうち3本はこの駅で折り返しとなり、名古屋の都市圏はここで一区切りという印象です。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083827j:plain定光寺駅を通過。

高蔵寺を過ぎると車窓は一変、これから向かう木曽路の山間を思わせる風景の中を進みます。

この付近で列車は愛知県を抜け岐阜県に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083902j:plain再び眼前に大都市近郊の市街地が広がると、

13:22多治見に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083949j:plain中央本線のうち中央西線と称される名古屋〜塩尻間は高度成長期に電化複線化が順次進めらました。

多治見から先の写真の付近は昭和41年3月に複線化されていますが、

複線化時に下り線として使用されているトンネルが新設され、単線時代は山を迂回する右側の線路を使用していたのでしょう。

時代を下るにつれ土木技術が向上した様子だけでなく、複線トンネルの新設とならなかったあたりに、高度成長期に路線の近代化を急いだ様子も垣間見えます。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084141j:plain特急しなの号の最高時速は130km。

1973年に特急しなの号に投入された先代の381系は120kmでしたが、現在の383系への置き換えに際し10km向上しました。

しかし中央本線のようにカーブが連続する線区では最高速度だけを向上させても、必ずしも所要時間の短縮に結びつかない場合もあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084223j:plain右に大きくカーブする場面。

小さく写り込んでいる運転台の速度計は120km付近を指しています。

列車の曲線通過速度は、曲線半径などを基準に細かく定められており、その速度のことを本則と言いますが、

振子装置など曲線通過に対して特段の装備を備えている車両などは、本則を上回る速度で曲線を通過することが認められています。

現在、特急しなの号として運転されている383系は、曲線の手前から徐々に車体を傾ける制御振子を搭載しており、半径600m以上のカーブでは本則+35kmでの通過が許容されています。

なお1996年まで定期列車の特急しなの号として運転されていた先述の381系も、自然振子式を採用していましたが、同等の曲線半径で本則+20km。

381系から383系への置き換えに際し名古屋〜松本、長野間の所要時間が10分程短縮されましたが、

所要時間短縮への貢献という点では、最高速度の向上よりも、本則からの上乗せ分拡大の方が大きかったはずです。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084324j:plain下り勾配の先に広がる恵那駅周辺の市街地。

恵那駅は第3セクター鉄道の明智鉄道との乗り換え駅で特急しなの号も一部の列車が停車します。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084414j:plain12:48中津川に到着。

ホーム反対側に停車中のオレンジの313系は、名古屋〜中津川間で運転されていた座席定員制(座席定員まで発行されるライナー券を別購入して乗車)の快速列車セントラルライナー向けに登場した車両です。

名古屋駅からの主要路線を見ると東海道線は豊橋方面、岐阜方面とも名鉄と競合、関西本線四日市方面は近鉄と競合しているのに対し、

中央本線は競合路線がなく、追加料金が必要な快速列車登場の背景にはそうした事情もあると言われていましたが、

セン(銭)トラレルライナーの異名まであったようで乗車率は芳しくなく2013年に廃止。現在車両は通常の313系と混用されています。

外観の塗装だけでなく内装も多少快適な仕様になっているので、名古屋口の中央本線では当たり車両と言えそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084503j:plain中津川を発車してしばらく、長野からの特急しなの10号と行き違い。

特急しなの号の編成は長野寄りの先頭車が乗車中のパノラマグリーン車、名古屋寄りの先頭車は写真の対向列車のように他の車両と連結可能な非パノラマの普通車というのがノーマルの姿ですが、

増結や車両運用の関係で長野寄りの先頭車がパノラマタイプではないグリーン車となることがあります。

日によってパノラマグリーン車が連結されるか否かは、時刻表やJR東海のホームページでも知ることができません。 

今回も運悪く非パノラマのグリーン車になる可能性があることを承知で、パノラマ車両の場合に展望が良い席を早々に購入していました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084800j:plain13:00南木曽駅通過。タンク車両を連ねた貨物列車と行き違い。

列車は一つ手前の田立駅から長野県に入っています。

海に面さない長野県は石油燃料を陸上輸送で搬入していますが、

中央本線に並行する高速道路中央自動車道には延長が5kmを超え危険物積載車両が通れないトンネルが存在することから、その輸送の主役は今でも貨物列車が担っています。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084542j:plain長野県区間に入ると、しだいに木曽路らしい山間の風景が前方に展開するようになります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084618j:plain十二兼駅で名古屋から続いた複線区間は終了。

この先終点の長野まで単線区間と複線区間が頻繁に入れ替わります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084657j:plain11月の木曽路は冠雪した高山と沿線の紅葉の対比が美しく、車窓を見ていて飽きることがありませんが、

木曽川が開いた谷間を駆け抜けていく、この区間らしい車窓を楽しむなら、進行方向左手の座席を選択するほうがよいかも知れません。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084905j:plain13:25。木曽福島駅に到着。

左手に見える山小屋風の三角屋根が特徴の駅で

標高は約800m。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084945j:plain木曽福島を発車して25分。列車は塩尻駅に接近。

塩尻駅は名古屋を東京を結ぶ中央本線の中間駅であり、写真右手の線路が東京方面にのびています。

かつては塩尻駅も右手方向(東京方)に存在したため、名古屋方面から松本長野方面へは塩尻駅で進行方向を変え写真左手方向へ向かう必要がありましたが、

塩尻と岡谷を直線的に結ぶ塩嶺トンネル開通を翌年に控えた昭和57年、線形改良により塩尻駅は写真左手に移転しました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085020j:plain左カーブで東京新宿方面からの線路と並んて塩尻駅に進入。

この移転改良により、塩尻駅は東京新宿方面と名古屋方面から松本長野方面へ向かう列車が、同じ方向から進入する構造となり、どちらから来ても進行方向転換は必要なくなつた一方、

かつての塩尻駅を経由する線路も残され、東京方面と名古屋方面を直結する短絡線的な機能を担っています。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085054j:plain13:52塩尻駅に停車。

塩尻はJR東海とJR東日本の境界駅です。

特急しなの号は2分停車の間にJR東海からJR東日本の乗務員さんに引き継がれます。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085128j:plain13:54塩尻駅を発車。

列車は東京方面へ向かう中央本線と別れ、この先、終点長野手前の篠ノ井までJR東日本篠ノ井線を走行します。

 

f:id:nishiuraexp:20211128114237j:plain篠ノ井線に入った列車は松本平野に延びる直線区間を快走。

対向の名古屋行特急しなの14号と200km以上の相対速度で行き違います。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085322j:plain14:03。塩尻から9分、名古屋から約2時間で松本駅に到着。

名古屋からの乗客の多くが下車する一方、松本から長野への長野県内移動のため、ここからの利用も少なくありません。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085358j:plain松本を発車した列車はしばらく日本海側の糸魚川へ抜ける大糸線との単線並列区間を走行。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085437j:plain大糸線と別れた篠ノ井線はしばらく奈良井川を左にみながら進みます。

川は列車の進行方向に流れており、千曲川に合流したのち、最後は新潟市から日本海へ注ぎます。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085506j:plain篠ノ井線の明科〜西条間は、1988年に地滑り地帯を通っていた旧線から、トンネル主体の新線に切り替えられ、防災面の強化だけでなく、直線的な短絡ルートとなったことで特急列車の所要時間が2分短縮されました。

当初は複線化も視野に入っておりトンネルも複線分の断面となっていますが、

建設中の国鉄財政悪化などから、JR化後に単線で開通。今のところ複線化の具体的な予定はありません。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085534j:plain聖高原駅で運転停車し特急しなの16号と行き違い。

名古屋発車直後に6号と行き違ってから6本目の特急しなの号同士の行き違いですが、

特急同士の行き違いは極力複線区間で行われるようダイヤが工夫されているようで、運転停車を伴う行き違いは、ここ1箇所のみでした。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085607j:plainスイッチバック駅として知られる姨捨駅を通過。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085641j:plain木曽の山中では進行方向左側のほうが眺めが良い一方、姨捨駅周辺では進行方向右側に善光寺平とその真ん中を流れる千曲川の雄大な風景を眺めることができます。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085728j:plain列車は下り勾配を進み、姨捨駅付近で見下ろした善光寺平の平坦区間へ。

間もなく篠ノ井に到着します。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085800j:plain14:47。篠ノ井に停車。

奥のホームに見える仕切りの向こうには、北陸新幹線の軌道が在来線と同じ高さで通っていますが、駅はなく、ここから東京方面へ向かう場合は長野まで逆行するか、しなの鉄道で上田まで向かう必要があります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085830j:plain篠ノ井から終点長野の間は信越本線区間となります。

いまではJRに乗り入れる形となっている第3セクターしなの鉄道ですが、そのルーツはJR東日本信越本線であり、

1997年の北陸新幹線開通までは特急しなの号を含め篠ノ井線松本方面からの列車が、この区間の信越本線に乗り入れるイメージでした。

現在でも列車本数や通過人員数では、しなの鉄道方面のほうが多いのではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085913j:plain篠ノ井から並行してきた北陸新幹線と並んで終点の長野駅に進入。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085957j:plain 14:56。名古屋から約3時間。終点の長野に到着しました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121090117j:plain下車前に普通車内を撮影。

 

f:id:nishiuraexp:20211121090141j:plain20年以上前の1995年に登場した車両とあってコンセントなどはありませんが、シートピッチは1000mmとJR在来線特急の普通車としては一部の改造車両やグリーン車流用のものを除いて最も広く、快適性はこちらでも申し分なさそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211121090209j:plain左側が名古屋から乗車してきた特急しなの11号。

ホーム反対側からは長野15:00発の特急しなの18号名古屋行が間もなく発車します。

 

3大都市に数えられる大都会名古屋と北海道と並ぶ雄大な自然が広がる長野県を直結する特急しなの号は、乗車時間も適当かつ車窓も秀逸であり、数あるJR在来線特急のなかでも特に魅力のある列車ではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20211121090323j:plain北陸新幹線金沢開通にあわせリニューアルされた長野駅善光寺口周辺の賑わい。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

 
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【鉄道ボビートレイン】JR四国予土線乗車記(宇和島6:04→窪川8:09)

f:id:nishiuraexp:20211019183438j:plain愛媛県宇和島市。JR四国宇和島駅。

今回はここから予土線経由の列車で高知県の窪川へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183552j:plain乗車するのは宇和島6:04発の窪川行です。

発車表示の種別欄には普通ホビートレインとあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183632j:plain3番線で発車を待つホビートレイン。

ホビートレインは昭和39年の東海道新幹線開業時から平成20年の山陽新幹線区間での引退まで、44年にわたり活躍した0系新幹線に似せて改造されたディーゼルカーの愛称です。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183654j:plain臨時列車ではなく地元利用もある定期列車での運行ということもあってか車内の大半はロングシートですが、

 

f:id:nishiuraexp:20211019183712j:plain

f:id:nishiuraexp:20211019183728j:plain一部はショーケースが設置され、四国で活躍した車両やHOサイズの新幹線車両の模型が展示されているほか、

 

f:id:nishiuraexp:20211024154047j:plain車内の窪川寄りには0系新幹線の普通車で使われていた転換クロスシートが配置されています。

このシートは乗車記念の撮影などに使うことが想定されているようですが、空いていれば自由に掛けることができます。(窪川駅到着後撮影)

 

f:id:nishiuraexp:20211019183831j:plain6:04。定刻に宇和島駅を発車。次の北宇和島までは予讃線を走ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183858j:plain北宇和島駅を発車すると予讃線から右手方向に分岐し予土線に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211104182126j:plain 予土線は四国の南西部、愛媛県宇和島市の北宇和島駅から高知県高岡郡四万十町の若井駅に至る76.3kmの路線です。

予土線を走る列車は途中で折り返すものを除いて、宇和島〜北宇和島間でJR予讃線に、若井〜窪川間で土佐くろしお鉄道に乗り入れ、宇和島〜窪川を直通します。

宇和島〜窪川間の所要時間は2時間〜2時間半程度となっています。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183930j:plain 北宇和島駅から予土線に入ると次の務田駅まで約6kmにわたり急勾配、急曲線が連続します。

予土線のうち宇和島に近い北宇和島〜吉野生間は、大正時代に軽便鉄道として開業した(一部後年に経路変更)経緯があり、線形は悪く高速運転には全く適していません。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183955j:plain勾配を登る列車の速度は30km程度。

宇和島周辺ではルートの優位もあり並行する路線バスの方が所要時間が短い状況にあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184014j:plain務田駅からは田園地帯の中を進みます。

この付近は宇和島まで10km〜15kmの言わば宇和島近郊区間であり、駅前に小さな市街地が形成されている駅もあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184033j:plain大内駅。

予土線はJR四国の中でも特に利用が少ない線区で、輸送密度はコロナ前の数値で約300人。

宇和島近郊区間はその予土線の中では比較的利用がある区間です。

列車の運転本数も利用実態を反映しており、宇和島から7駅目の近永駅までは10.5往復ありますが、その先江川崎まで7.5往復、江川崎以南は4往復となります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184126j:plain6:50。松丸駅に停車。

駅は松野町ふれあい交流館と一体になっており、2階は「森の国ぽっぽ温泉」という温泉施設が入っています。

また川向いの国道381号には、道の駅「虹の森公園まつの」もあり、

予土線の駅から徒歩で観光するならこの駅が一番かもしれません。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184141j:plain6:54。吉野生駅で2分停車しキハ54形で運転の宇和島行始発列車と行き違い。

この列車の宇和島着は8:02。江川崎で行き違う次の列車だと宇和島着は8:37ですので、通勤通学に利用できるのはこの列車のみという方も少なくないはずです。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184157j:plain7:12。高知県に入り江川崎駅に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184242j:plain行き違い待ちのため3分の停車時間があり駅前へ。

予土線の主要駅の一つですが1日の利用者は50人以下。駅前は閑散としています。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184306j:plainホームの反対側に窪川始発の宇和島行が到着。

吉野生駅で行き違ったキハ54形より一回り小さいキハ32形での運転です。

キハ32形は、国鉄が分割民営化される直前に四国地方のローカル線向けに製造された小型ディーゼル車で、

実は乗車しているホビートレインの種車でもあります。

こうして横に並んだ原型の32形と改造後のホビートレインの姿を見比べると、

ボビートレインは前面、側面の窓やドアには手を加えず、パーツの付加と塗装変更程度の最低限の手間とコストで製造された改造車両であることがわかります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184328j:plain江川崎から南の高知県内区間は清流四万十川に沿って進みます。

車窓は美しい予土線の高知県区間ですが、利用者は少なく列車本数は先述のように1日僅か4往復。

窪川方面への通勤通学に予土線を利用しようとしても、朝は乗車中のホビートレインが始発列車で窪川着は8:09。次の便は4時間後。

夕方の帰宅に使えるのは窪川駅発17:40のみでそれが最終列車という状況です。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184402j:plain江川崎の次の駅は半家と書いてハゲと読みます。

この地に住み着いた平家の落ち武者が、源氏の追手から逃れるために、平の文字の横線を移動させたのが地名の由来と言われています。

なおこのハゲ駅のお陰で、単独では何の変哲もない?JR東海御殿場線の上大井駅が珍駅名扱いされることもあるようです。

駅名ばかりが注目される半家駅ですが、写真でもわかるように、隣接道路との高低差が大きく長い階段を登り降りしないと利用できない構造になっている点が気になります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184420j:plain大正時代に宇和島近郊区間が開通した予土線ですが、その後昭和28年に江川崎まで延長され、高度成長末期の昭和49年になって若井までの全線が開通しました。

発達した土木技術に物を言わせて敷かれた江川崎〜若井間の線路は線形がよく、列車は最高時速の85kmに達する快走を続けますが、

この区間の沿線人口は元々多くないうえ、開通を迎えた昭和49年の時点で、地方における交通の主役はすでにマイカーになっていました。

多少なりとも需要がある宇和島近郊区間では、軽便鉄道由来の貧弱な線形で、区間によっては原付バイクなみの低速走行を強いられるのに対し、

高度成長期以降の開通で速達性を発揮できる区間は利用者が極端に少ないというのは皮肉な話です。

鉄道は構想、計画から開通まで数十年かかることも珍しくなく、その間の社会情勢の変化を正確に予測し需要を見通すことは容易ではありません。

そしてそれは、これからの鉄道建設計画にも当てはまり、四国にもある新幹線構想もその例外ではないでしょう。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184438j:plain予土線には「しまんとグリーンライン」の愛称が付されています。

四万十川が緩やかに蛇行している箇所では川に沿って進みますが、

蛇行が大きいところでは「トンネルで川沿いの山を貫通し鉄橋で川を跨ぐ」という、まさに新幹線のような線形になっている区間もあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184518j:plain土佐大正駅。

ここも予土線高知県内区間の主たる駅の一つですが、10年前の2011年には100人を越えていた駅利用者数は最近では30人程度まで減少しています。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184539j:plain窪川の一つ手前の若井駅付近からは第3セクターの土佐くろしお鉄道線を走行し終点の窪川駅へ。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184555j:plain8:09。終点の窪川駅に到着。

宇和島から窪川までの運賃は若井駅までのJR区間が1660円、若井〜窪川の土佐くろしお鉄道区間が210円で計1870円となります。

その金額でも宇和島近郊の地元利用(往復)の4人分くらいになる計算ですが、

3大都市圏など沿線外から予土線を訪問しようとすれば、四国まで飛行機を利用したとしても、空港からは松山〜宇和島や高知〜窪川間でJR四国の特急利用となる場合が多いと思われ、

JR四国が予土線にホビートレインのような注目列車を走らせる狙いはその点にあると見て間違いなさそうです。

またJR四国は「JR四国全線○日乗り放題」という企画切符を多数発売していますが、予土線がなければ鉄道だけで四国を周遊することが難しくなり、それらの売上にも影響があるかも知れません。

予土線は輸送密度の数値だけ見れば、宇和島近郊区間も含めバスで代替できないことはないと個人的には思いますが、

路線単独の輸送密度だけで存在価値を判断できない要素も多い路線とも言えそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184617j:plain窪川駅舎。

駅から徒歩10分の距離には四国霊場88箇所の37番札所岩本寺があります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184654j:plain今回は窪川から高知方面の特急に乗り継ぎましたが、窪川駅で高知方面の時刻表を見ると7:41に特急あしずり4号が発車したあと、

10:04の特急あしずり6号まで約2時間以上、普通列車も含め列車がありません。

沿線外からの利用で予土線を支えようとするなら、

地元利用が少ない土曜休日だけでも予讃線、土讃線の特急との接続を重視したダイヤにするほうがよいのではないか。

という気がしないでもありません。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184719j:plain特急あしずり6号の到着まで2時間を過ごした窪川駅舎内。

コンセント完備のラウンジがあり思いのほか快適に列車待ちの時間を過ごせたのは幸いでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。 

 

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【新東名経由になった】JR高速バスグラン昼特急7号乗車記(東京駅10:10→大阪駅18:33)

f:id:nishiuraexp:20211030094737j:plain東京駅八重洲口高速バスターミナル。

JR高速バスきっぷうりば。

 

f:id:nishiuraexp:20211030094804j:plainJR高速バスきっぷうりば内発車表示。

今回は上から3段目、10:10発大阪駅行「グラン昼特急7号」に終点の大阪駅まで乗車します。

東京と大阪を結ぶJRの高速バス「グラン昼特急号」や「青春昼特急号」は、これまで名古屋以東の区間は東名高速道路を経由していましたが、2021年10月28日より新東名高速道路経由に変更になりました。

経路変更によるダイヤ改正で「グラン昼特急7号」の場合、東京駅発時刻は変わらす大阪駅到着は18:56から18:33になり、23分の所要時間短縮が図られています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030101248j:plainきっぷうりば前の9番のりばに入線した「グラン昼特急7号」大阪駅行。

 

f:id:nishiuraexp:20211031170938j:plainダブルデッカーでの運転です。

 

f:id:nishiuraexp:20211030101410j:plain車内。1階部分は通路を挟んで2人掛けシートが5対10席。

 

f:id:nishiuraexp:20211030103330j:plain 1階後方にはトイレと2階への階段。

 

f:id:nishiuraexp:20211030105959j:plain2階部分は独立シートが横3列で並びます。

 

f:id:nishiuraexp:20211030110111j:plain今回は乗車券発売日(前月同日)に高速バスネットから2階席最前列のシートを予約しました。

 

f:id:nishiuraexp:20211030110216j:plain最前列席からの視界。

早期に高速バスネットから予約すると割引運賃を選択できることがありますが、最前列は対象外。今回の大阪駅までの運賃は正規の7000円からネット割2%を差し引いた6860円です。

 

f:id:nishiuraexp:20211030114244j:plain座席周り。左肘置きの下にUSBポート。

 

f:id:nishiuraexp:20211030114326j:plain レッグレストと、最前列席には足乗せが用意されています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030114416j:plain最前部には乗務員さんと通話ができる非常電話と、その横には前方の窓が曇った際に使用すると思われるスイッチがついています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030110323j:plain10:10定刻に東京駅八重洲口を発車したバスは一般道経由でバスタ新宿へ向かいます。

大阪駅までに降車できるバスストップは、愛知県新城市の道の駅「もっくる新城」と名神高速道路上の京都深草バスストップのみですが、

乗車のみ可能のバスストップは「もっくる新城」のほか東名御殿場以東に多数設定されています。

また途中休憩箇所は東名高速道路足柄SA、道の駅「もっくる新城」、新名神高速道路甲南PAの3箇所で、

そのうち足柄SAと甲南PAは東名高速道路経由のときと同じです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030215636j:plain 10:40。バスタ新宿に到着。

始発の東京駅からは10名程度乗車がありましたが、バスタ新宿からの乗車はそれより少なかったようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030105733j:plain10:50定刻。バスタ新宿を発車したバスはJR新宿駅前を通り首都高へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20211030111057j:plain東京駅発車から55分。

11:05初台南入口より首都高速へ。

新宿は関東一帯や中央本線沿線に住む方にとっては非常に重要な地位にあるターミナルだと思いますが、

グラン昼特急号が向かう愛知県や京都、大阪周辺に住む方にとっては、東京の出入口は昔から東京駅だったはずであり、

新宿を経由するメリットと、それにより所要時間が延びるデメリットを慎重に比較することが必要なのではないか。と個人的には思います。

 

f:id:nishiuraexp:20211030113500j:plain11:35。首都高速から東名高速道路に進入。

多摩川を渡り東京都から神奈川県に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211030114123j:plain11:38。東京料金所を通過。

料金所脇には東名向ヶ丘バスストップがあり、ここからの乗車も可能ですが本日は乗車なし。

 

f:id:nishiuraexp:20211030115048j:plain連休ではない普段の週末で、高速道路料金の割引復活も延期されている状況ですが、

東名高速道路は盆や年末年始を思わせる20kmを越える大渋滞。

コロナ感染者数の沈静化と無関係ではなさそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030115118j:plain11:49東名江田バスストップ。所定11:23。乗車なし。


f:id:nishiuraexp:20211030123716j:plain東名大和バスストップを12:30頃に通過。所定11:34。

渋滞で遅れはすでに約1時間に達しています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030124231j:plain12:40綾瀬バスストップ付近。所定11:38。

グラン昼特急号の綾瀬バスストップ停車は新東名高速道路乗り入れにともなうダイヤ改正で追加されたものです。
 

f:id:nishiuraexp:20211030124931j:plain12:48厚木バスストップ。所定11:44。

 

f:id:nishiuraexp:20211031195512j:plain 渋滞の車列越しに望む富士山。

 

f:id:nishiuraexp:20211030135318j:plain神奈川県から静岡県に入り最初の休憩地足柄SAに接近。

このあたりでようやく本来の速度での走行ができるようになりました。
 

f:id:nishiuraexp:20211030143924j:plain13:51。足柄サービスエリアに到着。東京駅から3時間40分、バスタ新宿から3時間を要しての到着です。

 

f:id:nishiuraexp:20211030144001j:plain足柄サービスエリア。

施設は充実しており1時間以上の滞在でも退屈することはなさそうです。

吉野家やココイチなども店を構えています。

 f:id:nishiuraexp:20211030222013j:plain

f:id:nishiuraexp:20211030144108j:plain サービスエリアでの休憩時間は20分程度。

トイレを済ませてから飲食するには少し短い感じであり、シュウマイ弁当で有名な崎陽軒の弁当を購入して車内に戻りました。

 

f:id:nishiuraexp:20211030144143j:plainデザートも調達。

三ヶ日みかん味のジェラート。

静岡県西部、浜名湖に近い三ヶ日の地名は、本乗車記では無視することができません。

浜名湖周辺は東京と大阪の中間地点にあたり、鉄道では東京と新大阪を同時刻に発車した東海道新幹線のぞみ号がすれ違うのが浜名湖あたりと言われています。

東京と関西を結ぶJR高速バス路線においては、東名高速道路三ヶ日IC付近の一般道沿いに乗務員の詰所が置かれ、三ヶ日以東はJRバス関東の乗務員が、三ヶ日以西は西日本JRバスの乗務員がハンドルを握ることが、半ば伝統のようになっていました。

そのため新東名高速道路開通後、途中で乗務員交代がない東京と名古屋を結ぶ路線の一部が、新東名スーパーライナーとして、東名高速道路から新東名高速道路に経路変更したのちも、

東京と関西を結ぶ路線は、長らく「三ヶ日縛り」のために全便が東名高速道路経由となっていました。 

そしてこの度、新東名高速道路新城IC近くの道の駅「もっくる新城」に隣接して新たな乗務員詰所が設けられ、

ようやく「グラン昼特急号」を始めとする東京〜関西間のJR高速バスの新東名高速道路への経路変更が可能になったということのようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030144226j:plain14:15。到着時のアナウンス通りの時刻に足柄SAを発車。(1時間35分遅れ)

なお休憩箇所発車時の人数確認はなく、乗り遅れても払い戻しなどは受けられない旨の注意書きを乗車時に渡されました。

鉄道では当然のことであり、この扱いに不満などはありませんが、

気になるのは休憩箇所より先までの乗車券を用意しておいて、

休憩箇所で意図的に乗り遅れ、迎えの車などで帰宅したり目的地へ向かっても、

この扱いなら問題として浮上しないだろうという点です。

JRでは国鉄以来の規定により、100km未満の乗車券を購入すると、券面に途中下車前途無効と記載されます。

90km先の駅までの切符を買って列車に乗り、60km先の駅で下車し改札を出たら、残り30kmの区間は無効になるというのが直接の意味ですが、

そこには「無効承知で手前の駅で下車するならそれは客の自由」という消極的な意味が含まれていると解することもできます。

##高速バスにおいて休憩箇所での下車が認められているという事実は確認していませんので御注意下さい。##

 

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f:id:nishiuraexp:20211030142348j:plain足柄SAを発車したバスはしばらく本線を走り14:20御殿場ICで流出。

東名御殿場バスストップに停車。
 

f:id:nishiuraexp:20211030165150j:plain御殿場ICから本線に復帰して数分、御殿場JCTで東名高速道路と別れ新東名高速道路へ進入。

 

f:id:nishiuraexp:20211030165533j:plain新東名高速道路の静岡県区間の大半では、法定最高時速が段階的に引き上げられ、現在一部の車両を除いて120kmとなっています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030165815j:plain法定最高速度向上にあわせ100mの車間距離目標の先に150mの目標が追加されるなどの対策が進められているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030183502j:plainバスも120kmが許容されるているはずですが、今回のような大幅遅延でも、運転席のメーター読みで100km程度の運転となるようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030150220j:plain15:00。新清水JCT通過。

ここで分岐する中部横断自動車道は8月に中央道と直結し、高速道路のみで静岡と甲府を行き来できるようになりました。
 

f:id:nishiuraexp:20211030162121j:plain15:56。静岡県から愛知県へ。

新東名高速道路の愛知県区間は現在のところ片側2車線となっており、法定最高時速も他の主要高速道路と同等の100kmとなっています。
 f:id:nishiuraexp:20211030184325j:plain愛知県区間に入ってしばらく、新城ICで一旦高速を降り、道の駅「もっくる新城」まで3分程一般道を走行。
 

f:id:nishiuraexp:20211030162224j:plain16:07。道の駅「もっくる新城」に到着。

足柄SAに続く2回目の休憩箇所であり、グラン昼特急号では唯一の乗車降車とも可能のバスストップでもあります。
 

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f:id:nishiuraexp:20211030170355j:plain20分の休憩時間を利用して道の駅もっくる新城内を散策。

地元の農産品や土産物を扱う店舗がならびます。

 

f:id:nishiuraexp:20211030170617j:plainバス停が設けられた観光案内所前には、JR高速バスの乗り入れを祝う看板が設置されていました。

 

f:id:nishiuraexp:20211031154951j:plain 休憩中にJRバス関東から西日本JRバスの乗務員さんへと引き継がれた「グラン昼特急7号」は、所定より約1時間35分遅れの16:27「もっくる新城」を発車。

新城ICより新東名高速道路に復帰します。

乗客の休憩中に乗務員交代が行われるようになったことも所定の所要時間を短縮することに貢献しているはずです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030170237j:plain17:00。豊田JCT通過。新東名高速道路から伊勢湾岸自動車道へと進みます。

秋の日暮れは早くフロントガラスからの西陽が眩しいと感じたのも束の間、対向車両の多くはすでにヘッドライトを点灯させています。
 

f:id:nishiuraexp:20211030172035j:plain17:18名港中央IC付近を通過。

鉄道でいうと名古屋駅からの「あおなみ線」の終点金城ふ頭駅付近を走行しています。

 

f:id:nishiuraexp:20211031160105j:plain バスは愛知県から三重県に入り、湾岸長島IC付近では左手にライトアップされたナガシマスパーランドのアトラクションが見えます。

 

f:id:nishiuraexp:20211031160155j:plain四日市JCTから新名神高速道路へ。

伊勢湾岸自動車道と新名神高速道路が繋がったことで、東名阪自動車道への迂回が不要になりました。

鉄道と比べ高速道路ネットワーク整備の進捗の早さに驚かされます。

 

f:id:nishiuraexp:20211030182648j:plainバスは滋賀県に入り18:05、最後の休憩地である新名神高速道路甲南PAに到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211030182947j:plainサービスエリアではなくパーキングエリアということもあり、足柄サービスエリアや道の駅「もっくる新城」に比べると店舗施設などは小規模です。

 

f:id:nishiuraexp:20211031160224j:plain18:25に甲南PAを発車したバスは、18:40名神高速道路に合流。

新名神高速道路は大津JCTから高槻JCTが未開通ですが、この区間でも工事が進捗しています。

 

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f:id:nishiuraexp:20211030190222j:plain名神高速道路上のバスストップ京都深草到着のアナウンスが流れると降車ボタンがおされました。

 

f:id:nishiuraexp:20211030190302j:plain18:55。京都深草バスストップに到着。

名神高速道路上の京都深草バスストップは、京阪電鉄本線藤森駅徒歩10分、近鉄京都線竹田駅徒歩15分の場所に位置しています。

なお写真の先行車両は東京駅を1時間前に発車して同じ経路で大阪駅へ向かう青春昼特急号のようで、追いついてしまった格好です。

早い時間帯はさらに長い渋滞が発生していたのかも知れません。

 

f:id:nishiuraexp:20211030192458j:plain大阪周辺でも渋滞が発生しており、最後は名神高速道路から阪神高速11号池田線に迂回。

 

f:id:nishiuraexp:20211030233602j:plain 阪神高速池田線を南下するにつれ、東京都心を抜けて以来の大都会の光景がフロントガラス越しに展開するようになります。

 

f:id:nishiuraexp:20211030233635j:plain 梅田で阪神高速を降りると、終点の大阪駅高速バスターミナルは目の前ですが、ターミナル進入方向の関係で大阪駅前を一回り。

首都東京からの旅人に「西の大都会ここにあり」と誇示しているかのようでもあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211031171049j:plain 19:41。足柄サービスエリア発車時点で1時間35分あった遅延を1時間8分まで縮めて終点の大阪駅高速バスターミナルに到着。

東京駅前から9時間31分(所定8時間23分)、バスタ新宿から8時間51分(所定7時間43分)。1都2府5県を駆け抜けた高速バスの旅はここで終了です。

3大都市圏を貫く高速バス路線は注目を集めやすく需要もある反面、今回のように渋滞で遅延するリスクが大きいのは残念ながら事実だと思いますが、

見方を変えれば、20km以上の渋滞に巻き込まれても1時間程度の遅延で到着できた。とも言えそうです。

そもそもダイヤ通りの運行でも東海道線新幹線のぞみ号の3倍程度の時間がかかるので、先を急ぐ客は多くないと思われ、今回も困った様子を見せる乗客は皆無でした。

東海道移動の選択肢の一つとして、時間はかかるが新幹線より安く、移動自体を楽しめる昼間の高速バスの存在を知っておいて損はないと思います。 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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