西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【阿波エクスプレス神戸号乗車記】(徳島駅8:00→神戸空港10:24)将来のライバルは航空?

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午前7:50。JR徳島駅前。

 

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今回は駅ビルに向かって右手方向、駅前広場に面して立つダイワロイネットホテルの前から発車する、

神戸方面への高速バス「阿波エクスプレス神戸号」に乗車し終点の神戸空港へ向かいます。

 

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ダイワロイネットホテルの1階部分にある高速バス乗車券売り場。

入口には「EDDY 徳島バスグループ」「ジェイアール四国バス」の表記があります。

徳島と大阪・神戸方面を結ぶ高速バスは、徳島バス・神姫バス・阪神バス・阪急バスなどで構成される徳島バスグループと、

ジェイアール四国バス、西日本JRバス及び本四海峡バスで構成されるJR系のバスに大別されます。

ネット予約する場合は、徳島バスグループは発車オーライネット、JR 系は高速バスネット経由となります。

いずれの予約システムを利用しても表示されるのは実際の運行本数の半分ほどになるという点は注意が必要かもしれません。

なお徳島~京阪神を結ぶバスは全便座席指定制ですが、

平日の場合、大都市圏の私鉄特急のように「乗り場に着いてから次便の予約をして乗車」という層が一定割合をしめているようで、自由席に近い感覚で気軽に利用できます。

 

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乗車券売り場の発車表示を確認すると、乗車する8:00発の阿波エクスプレス神戸号は、

徳島バス運行の大阪方面行と同時刻発車であることがわかります。

 現在はコロナの影響でJR系・徳島バスグループとも減便運行になっていますが、

コロナ以前は毎時0分に徳島バスグループの大阪行とJR系の神戸行、

毎時30分にJR系の大阪行、徳島バスグループの神戸行が同時発車するパターンがほぼ終日つづくダイヤになっていました。

また大阪行については徳島バスグループが梅田先行の難波行、JR系が難波先行の梅田行で、

梅田・難波双方へ最短時間で行けるように配慮されています。

この点は予約システムとは反対に2つのグループに分かれていることで明確な棲み分けができ、

乗客にも利便をもたらしているように思われます。

 

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ダイワロイネットホテル前に並んだ、徳島駅前8:00発の大阪行の徳島バス(前)と神戸行のJR四国バス(後)

 

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神戸空港までお世話になるジェイアール四国バスの車両。 

国鉄バスの系譜を示すツバメのマークが誇らしく感じられます。

 

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「アライアンス」を組む徳島~阪神の高速バスですが、

JR系・徳島バスグループとも、トイレ付き4列シート車両に統一されています。

徳島県内の途中停留所からの乗車が多く、便としては満席でも、徳島駅発車時点では空席が目立つことが多いことも共通です。

 

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狭いバス車内ですか、隣接する座席の間にはパーティションが設置されるなど、様々なコロナ対策が施されていました。

 

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8:00。徳島バスの大阪行に続行する形で徳島駅前を発車。

 

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暫く大阪行と2台並んで走行しますが、神戸行のみ国道11号線に入ってしばらくの徳島大学前に停車します。

 

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国道11号線上、徳島大学前バス停付近。

 

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徳島大学前を発車して間もなく、

バスは四国三郎の異名を持つ大河「吉野川」を渡ります。

橋長は約1kmあり阿波エクスプレス神戸号が渡る橋としては、明石海峡大橋、大鳴門橋についで長い橋ということになります。

 

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吉野川をわたると次第に郊外の風景になり、

 

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8:18。徳島市に隣接する松茂町に位置する松茂バス停に停車。

  

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松茂バス停は、道向かいの物産館の名を借り「徳島とくとくターミナル」のサブ愛称が付されています。

 

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松茂バス停周辺には格安駐車場が多数あり、1人で徳島県内から阪神方面へ向かう場合は、

高速代を考えると、ここに車を置いてバスに乗り換える方が安くなります。

そのため便によっては徳島駅を上回る乗車が見られることもあり、

乗車中の阿波エクスプレス神戸号も10人程度の乗客を迎え、窓側の座席をほぽ埋めての発車となりました。

 

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8:30頃、鳴門ICから神戸淡路鳴門自動車道に進入。

 

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3分程高速道路を走り若干遅れて高速鳴門バス停に到着。

乗車停留所はここが最後となります。

 

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大阪・神戸方面からのバスが到着する高速鳴門バス停の下り線ホーム。

市街地との高低差を克服する無人運転のモノレールが設置されています。

JR鳴門駅までは徒歩15分程度です。

 

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高速鳴門バス停を発車して5分程で、前方に四国側と淡路島を結ぶ大鳴門橋が見えてきました。

1985年に開通した大鳴門橋は瀬戸大橋のような鉄道併用構造になっていますが、

1998年に開通した淡路島と本州を結ぶ明石海峡大橋は併用構造になっていません。

乗車中の阿波エクスプレス神戸号など頻繁運転の高速バスが、

大鳴門橋開通の時点では構想のあった徳島~本州を結ぶ鉄道の代わりを担っている格好です。

 

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大鳴門橋を通過。

 

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大鳴門橋から明石海峡大橋まで、淡路島の走行に要する時間はおよそ40分。

風景はやや単調で時間の長さを感じるかもしれませんが、

 

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反対車線に目をやると1日片道150~200便程度はあるものと思われる、

淡路島を介して本州と四国を結ぶ様々な事業者の高速バスと、

コロナ減便下でも絶えず行き交い飽きることがありません。

鉄道構想に話を戻すとJR特急列車1両の座席数は4列シートの高速バスの1.5台から2台程度、

高速バスの座席数を考えれば、便数が多い阪神~徳島・高松路線だけでも、

阪神~(鳴門分割)~徳島・高松に4両編成の特急列車を1時間に1本運転しているのに匹敵する輸送力がありそうです。

 

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淡路島の中枢洲本の街並みを右手に見て北上。

神戸淡路鳴門自動車道の法定速度は大橋部分をのぞくと、

淡路島区間の半分以上にあたる西淡三原IC以北が100km/hとなっており、

高速バスもほぼその速度での運転です。

この点は現状でもJRの在来線特急並みの速達性が確保されていると言えそうです。

 

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途中室津PA付近で播磨灘側に出たのち、小さな山越えで大阪湾側に移ると淡路島区間は間もなく終わります。

 

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淡路島の北端に位置する淡路SA。

SA内には明石海峡を見下ろす大観覧車が設置されています。

 

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淡路SA付近まで来ると前方に大鳴門橋の倍以上となる約4kmの明石海峡大橋が見えてきます。

乗車中の阿波エクスプレス神戸号をはじめとする、徳島と阪神地区を結ぶ高速バスの歴史は、

1998年4月にこの橋が開通した日から始まりました。

 

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明石海峡大橋を通過。

上り線の神戸側では斜面を埋める垂水区の市街地に着陸していくようなダイナミックな光景が展開します。

 

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定刻9:21を少し過ぎて、橋を渡り終えた地点にある高速舞子バス停に到着。

エレベーターで地上に降りると、JR神戸線舞子駅と山陽電鉄舞子公園駅があり、

四国に直通するバスがない明石・加古川・姫路方面へは、

ここで鉄道に乗り換えとなります。

 

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高速舞子を発車すると明石海峡大橋とほぼ同じ長さの舞子トンネルに入り、

 

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その出口にある垂水JCTで神戸淡路鳴門自動車道から流出。

鳴門ICでの流入から約1時間しか経っていません。

 

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名谷JCTから第二神明道路、月見山料金所から阪神高速神戸線へと進みます。

 

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阪神高速神戸線は流れが滞り渋滞一歩手前の様相でした。

この区間で渋滞が発生した場合、阪神高速北神戸線・新神戸トンネル経由で、

六甲山系の裏側から三宮にアプローチする迂回路を走ることになります。

 

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進行方向右手に神戸らしい風景が見えると生田川ランプで一般道におり、

 

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数分でJRなど各路線の三宮駅に近い神戸三宮バスターミナルに到着します。

 

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三宮到着の定刻は9:48ですが、

阪神高速の流れが悪かったためか鳴門時点の遅れを引きずったまま数分遅れでの到着となりました。

ほぼ全員がここで下車するものと思っていましたが、8人~10人程度を車内に残して発車。

  

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三宮から10分で新幹線接続の新神戸駅に到着。

ここで5人以上が下車し車内は筆者ともう一人だけになりました。

徳島~東京の移動を考えれば、陸上ルートは「ここまでバス2時間」「ここから新幹線3時間弱」の計5時間程度となり、

徳島~羽田を1時間で結ぶ航空がシェアを圧倒しているようです。

そのため現状での新神戸駅での下車客の多くは、名古屋など東海地方へ向かっているものと推察されますが、

近い将来リニアが東京~名古屋間で開通すると、

「ここから」は2時間になり、徳島は鳥取とともに、 

対東京輸送で航空のシェアを切り崩すことも可能な「4時間」のラインに乗ることになります。

もっとも時間的には4時間でも名古屋と新神戸の2回の乗り換えが必要である点に留意する必要があると思います。

個人的には、

思い切った乗り継ぎ割引や先述の神戸市内の渋滞回避のための経路変更が頻発する時間帯は、

最初から迂回経路上にある新神戸駅に先行するダイヤにして所要時間短縮をはかるなど、

リニア開通前から新神戸乗り継ぎルートを少しでも普及させておくことが肝要ではないかと考えています。

 

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バスは新神戸駅から南下して終点の神戸空港へ向かいます。

阿波エクスプレス神戸号は、運行開始から長らく新神戸駅が起終点でしたが、

近年になって神戸空港へと延伸されました。

 

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新神戸からは神戸大橋ではなく海底の港島トンネルでポートアイランドに入り、最後は空港連絡橋を渡って神戸空港へ向かいます。

 

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10:24。最終区間のダイヤには余裕があるようで、

遅れを回復し終点の神戸空港に到着しましたが、三宮到着から約30分かかっています。

神戸空港への延伸は車庫への回送を兼ねていて、利用者がそれほど多くないのは織り込み済みだと思いますが、

乗客サイドから見れば、徳島から徳島空港以外の空港へ向かうなら、

神戸空港より路線数・便数とも充実している伊丹空港への直通が望まれるところではないかと思います。

三宮~伊丹空港間のリムジンバスの所要時間を考えれば、

阿波エクスプレス神戸号を三宮から伊丹空港に直行させても、

現状の神戸空港までの所要時間と大差なさそうですが、

徳島にとっては実質的に「新幹線最寄り駅」で、今後重要性を増すであろう新神戸駅を無視するわけにもいかないでしょう。

個人的には、JR系の阿波エクスプレス神戸号は、

リニア開通による首都圏~徳島4時間圏内化を見据え、

新神戸乗り継ぎでの首都圏~徳島の陸上ルートの普及拡大を模索し、

航空とのリンクについては、梅田先行でルート的に無駄がない徳島バスグループの大阪線の一部が伊丹空港に立ち寄るようにすれば、

神戸線の延伸より短い所要時間で徳島と伊丹空港を直結できるのではないかと思っています。

開業以来好成績ではあるが、高速道路料金の値下げや人口減少などの遠因もあって、

飽和状態とも考えられる徳島~阪神地区の高速バス路線に、

明るい将来展望をもたらすものがあるとすれば、

これまではそれほど重要視されていなかったであろう、

対首都圏輸送など高速・広域移動の取り込みではないかと個人的には考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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仙台ひたち14号乗車記2(仙台10:13→品川14:51)最高時速130kmで東北と関東を直結。

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本記事は、2020年3月に東日本大震災以来9年ぶりに運転を再開した、仙台始発の特急ひたち号に終点の品川まで乗り通す乗車記の後半です。

前半、仙台から福島県の「いわき」到着までは下に添付の記事をご覧下さい。

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いわき→上野の常磐線上りの時刻表。

仙台始発のひたち号は1日3往復のみですが、いわき以南は1時間毎の運転となり、主に茨城県北部の主要駅で乗客を拾い、水戸からはノンストップで上野へ急ぐダイヤになっています。


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12:16に「いわき」を発車した時点で始発の仙台から約2時間が経過。

仙台駅で乗車前に購入した駅弁「海の輝き」を広げることにしました。

 

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ご飯の上に鮭の切り身とイクラが交互にのっています。

似たようなレシピは全国にあると思いますが、

「はらこめし」と呼ぶときは、仙台発車から間もなくで通過した宮城県亘理町付近の郷土料理ということになるようです。

 

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駅弁を味わっている間、湯本駅、泉駅に連続停車。


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停車駅は多いものの、いわき発車後は体感でわかるレベルで列車の走行速度が上がりました。
常磐線の最高時速は、北から岩沼~いわき間が100km/h 、いわき~日立間が120km/h 、日立以南が130km/h となっています。

 

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勿来の関に近い勿来駅は福島県に位置しますが茨城県境に近く、

列車は東北地方から関東地方へと歩を進めます。


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12:51高萩駅停車。

途中下車して風格のある駅舎を正面から眺めてみたいものです。


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13:02日立駅停車。

特急列車としては頻繁に停まる印象ですが各駅とも一定の乗車があります。


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太平洋岸に沿って走る常磐線の車窓は、宮城県、福島県、茨城県と進んでも劇的な変化があるわけではありません。

かつてSL時代に上野と東北を結んだ優等列車の一部は、

内陸部を平行する東北本線に比べ「勾配が少ない」という理由で常磐線経由で運転されたものもありました。


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13:06日立多賀駅停車。


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13:10大甕駅停車。

読みは「おおみか」です。

ローカル私鉄の日立電鉄が当駅と水郡線の常陸太田駅(常北太田)との間を結んでいましたが2005年に廃止されています。

末期に運転されていた地下鉄丸ノ内線から転じた赤い車両が印象的でした。


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13:20勝田駅停車。

東京方面のひたち号が停車するホームにはひたちなか海浜鉄道の改札口があります。

ひたちなか海浜鉄道も単線非電化のローカル私鉄ですが、こちらは路線延伸の予定があります。

いわき方面から1時間毎に到着するひたち号の間を埋める形で、

当駅から特急ときわ号が1時間毎に発車し勝田以南の常磐線は特急が30分間隔で走るダイヤになっています。


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勝田からしばらく田園地帯を走ると左から鹿島臨海鉄道の高架線が接近。

 

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仙台から約3時間。

高架線から地平に降りた鹿島臨海鉄道の線路と並んで水戸駅に進入。

 

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水戸からは一定数の乗車があったものの、ここまで停車してきた茨城県内の駅に比べて突出して多いというほどではなかったようです。

コロナによる出控えの影響もあると思いますが、

「ひたち号」の間を埋める「ときわ号」のほうが、水戸から乗車する場合は空いていて利用しやすいことも関係ありそうです。

また両者の所要時間差の推移にも注目したいところです。

現在の「ひたち号」車両657系の先代の651系が、

「スーパーひたち号」として現在の「ひたち号」とほぼ同じ水戸~上野間66分の所要時間で1時間毎の運転を始めた90年代初頭、

現在の「ときわ号」に相当する「勝田始発のひたち号」には国鉄型車両が使われていました。

「ひたち号」は「スーパーひたち号」かノンストップで走る水戸~上野間で、

友部、石岡、土浦などに途中停車する上、加速性能の差もあって、

水戸~上野間の所要時間は「スーパーひたち号」と「ひたち号」で20分近い差がありました。

その点、現在は「スーパーひたち号」の流れを汲む「ひたち号」と、

従来のひたち号と言える勝田始発の「ときわ号」は、ともに657系が使われるようになり、

「ときわ号」は「勝田始発のひたち号」の途中停車を引き継ぎながらも所要時間差を10分以下にまで縮めています。

話を元に戻すと、かつては水戸時点では空いていても「車両が古く次のスーパーひたち号に追い上げられるダイヤ」だった勝田始発のひたち号を敬遠していた層も、

その後継である「ときわ号」を好んで選択している可能性もあり、

車両共通化によって、いわき始発と勝田始発の特急の混雑平準化が図られているようにも見えます。

 

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水戸駅構内に留置中の水郡線などで活躍する新型ディーゼルカー。

個人的には「新型」という認識ですが、すでに登場から20年近くが経過しています。


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水戸発車時点での乗車率は40%から50%程度。

在来線特急も一時のガラ空き状態から見れば活気を取り戻しつつあるようです。

 

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 水戸を出ると次は上野まで1時間以上ノンストップ。

列車は最高時速130km/h 近い速度を維持して走ります。


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北関東の田園地帯をトップスピードで快走しますが、駅停車の加減速がなくなり、軌道レベルも日立以北より高いようで、

水戸発車後はいわき~水戸に比べ乗り心地が改善した印象をうけました。

 

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水戸発車から30分弱で土浦通過。

隣で発車を待っているのは後続の土浦始発の特別快速のようです。

常磐線の特別快速は、関西の新快速などとならび在来線快速列車としては最速の最高時速130kmを誇りますが、

所要時間をみれば土浦~上野で58分と「ひたち号」の水戸~上野間の所要時間と大差ありません。

ひたち号の水戸~上野65分運転の価値を改めて認識させられる場面です。


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駅に進入する新京成電鉄の電車を追い越し松戸を通過。

宮城県、福島県、茨城県と走ってきた列車は、この付近で一時的に千葉県に入ります。

 

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行き交う列車も格段に増え、左手の車窓にはスカイツリーが見えてきました。

 このあたりまでくると、俊足のひたち号も90km/h程度で流すような走りになります。

 

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隣の鉄橋を渡る東武直通の東京メトロ車両とならんで荒川を渡り、

 

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北千住を通過。

 

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さらに速度が落ちて、仙台発車後間もなくの岩沼駅で別れた東北本線や、山手線などと合流すると間もなく上野に到着します。


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14: 35上野着。

長らくここが「ひたち号」の終点で全員が下車していましたが、

品川直通となった現在、下車はあるものの一気に空くという程ではなく、

東京、品川直通の恩恵を受ける人が多いようです。

 

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上野を発車。

 

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秋葉原駅付近を通過。

上野東京ラインは上野~東京間の途中駅にホームは設けられていません。

 

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14:42。仙台から約4時間半をかけ東京に到着。

東北新幹線最速の「はやぶさ号」のおよそ3倍の時間をかけての到着です。

 

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東京からのラスト区間。浜松町~田町間では東京モノレールの姿も。

 

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東京での下車は上野より多く、終点品川まで乗り通した乗客は1両10人以下でした

 

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14:51終点品川駅に到着。仙台から4時間38分の長旅が終わりました。

列車は車内清掃ののち15:15発のときわ号勝田行となって折り返します。

 

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 仙台直通ひたち号の走行距離や所要時間を他の路線にあてはめれば、

特急しなの号の名古屋~塩尻間と特急あずさ号の塩尻~新宿間を直通しているのとほぼ同じという計算になります。

平成の31年間を通じて縮小の一途を辿ってきた在来線長距離特急が、

令和の時代になって全区間10両運転という形で復活したのは奇跡的ともいえることで、

震災前は4両だったいわき以北の区間は供給過剰を承知での運行がつづけられているようにも見えます。

なんらかの「適正化」が進められる前に是非乗っておきたい列車です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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仙台ひたち14号乗車記1(仙台10:13→品川14:51)津波と原発事故からの復旧区間を行く

 本記事は下に添付の記事の続きです。

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仙台駅東口。午前10時。

今回は2020年3月に東日本大震災以来9年

ぶりに全線復旧を果たした常磐線を走る特急「ひたち」で東京品川へ向かいます。

 

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「えきねっと」で購入した仙台→品川の指定席特急券・乗車券。

トクだ値10という割引商品ですが8350円と割安感を感じないのは、

仙台→東京都区内の距離の長さ故のこと。

品川まで373.8kmは、東京から東海道線を西に下ると名古屋(366.0km)の先、稲沢駅の手前辺りに相当します。

 

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仙台駅在来線改札口前の発車表示。

仙台近郊の行先表示が並ぶ中に表示された「特急ひたち14号・10:13・品川・6番線」の文字が目立ちます。

 

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ひたち号が発車する6番線に降りる階段の壁面は、運転再開から半年以上を経てもそのPRで埋められていました。

 

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ひたち号は仙台行に限らずE657系の10両編成での運転に統一されています。

震災前の未来予想図では、ひたち号の運転を途中の「いわき」で分断し、

いわき~仙台間は、4両程度の短編成の特急を運転することが計画されていたようですが、

震災による長期不通の間に計画が変更され、東北新幹線開通前を思わせる10両編成の特急が仙台駅に入線することになりました。

 

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始発の仙台駅から乗車する客は少なく静かに発車時刻を待ちます。

短い編成で足りるとされていたことも頷ける風景です。

 

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車両デッキ部分の編成案内。

編成中1箇所のみの設備は、中程5号車のグリーン車のデッキにまとめられていることがわかります。

 

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指定の4号車車内。発車直前でも乗客は5人程でした。

 

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かつてはグリーン車のものだった可動式の枕がついた座席。

一方、最近の車両ではフットレストは省略されることが多いようです。

 

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肘置きにはコンセントが内臓されています。

 


【仙台ひたち14号】仙台駅発車後の車内放送と車窓

10:13定刻に仙台駅を発車すると自動放送のあと、車掌さんの肉声放送で終点品川までの全停車駅と到着時刻が案内されました。

在来線屈指の長距離特急の旅立ちにふさわしい長い車内放送は動画に収録しました。

 

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仙台地下鉄南北線のと接続駅長町駅付近の高架線を走行。

特急ひたち号は仙台を発車すると、次は常磐線の相馬まで30分以上無停車で走ります。

 

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仙台発車から15分程、東北本線を走行し岩沼駅を通過。

 

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岩沼駅から少し進んだ地点で、東北本線と分岐し、ひたち号はこの先上野まで常磐線を進みます。

 

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東北本線と別れてすぐに阿武隈川の河口近くにかかる長い鉄橋を通過。

 

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亘理駅通過中に撮影。

ホームに隣接する城郭風の建物「悠里館」には、図書館や郷土資料館などが入居しています。

ここから南の区間の常磐線は東日本大震災による津波被害のため、約2年に渡り運休となり、亘理駅はその間仙台方面からの列車の折り返し駅となっていました。

 

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亘理の次の浜吉田駅から3駅先の新地駅付近までは津波の被害が甚大だった区間で、

復旧に際しては、線路の内陸移設と高架化が施工され、震災から5年9ヶ月後の2016年12月に運転が再開されました。

 

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線路付け替え区間内にあった山下、坂元の2駅も移転のうえ新築されています。

 

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田園地帯に延びる付け替え区間の新しい高架線。

 

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新地駅で旧線に復し、

10:51最初の停車駅相馬に到着。

すでに宮城県を抜け福島県に入っています。

 

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E657系の快適な乗り心地のため、速度が出ているという感じがしませんが、

旧線に復してもコンスタントに100km 近い速度を維持していました。

 

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 11:06原ノ町駅に到着。

 

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時刻表では原ノ町の次の停車駅は浪江ですが、

途中の桃内駅に運転停車し下りの「ひたち3号」と行き違います。

「ひたち3号」は上野を8:00に発車し仙台に12:31に到着します。

ひたち号は概ね1時間に1本の運転で、大半は福島県の「いわき」までの運転ですが、下りの3号、13号、19号、上りの14号、26号、30号が例外的に仙台まで直通する格好です。

 

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11:25浪江着。

 この先、富岡駅まで4駅20.8kmは震災時に発生した原発事故による放射能被害の影響で最後まで不通区間として残っていました。

復旧は2020年3月。その期間は9年に及びます。

 

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浪江の次の双葉駅にも連続停車しますが乗降はほとんどみられません。

元は行き違い可能だったものを、単線一面の棒線駅としての復旧させたようです。

 

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この付近では、何らかの理由で列車が運行不能になった場合、

線路沿いの道路にバスなどを横付けして乗客を「安全な場所」に誘導することになっているようです。

 

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11:36大野着。

大野駅は、事故のあった福島第1原子力発電所の最寄り駅です。

 

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大野駅周辺の車窓。

鉄道が復旧し、駅周辺の道路の通行もできるようですが、

道路に面した公園は、よく見ると規制線が張られているように見え、

駅周辺を行き交う人の姿も見られませんでした。

震災直後には目を覆いたくなるような惨状が日々報道されていた津波の被害を受けた地域が、

数年単位の時間の経過の中で、すでに新しく生まれ変わりつつあるのに対して、

放射能被害を受けた地域の復旧復興は鉄道の復旧によって、ようやく「端緒についた」そんな印象を受けました。

 

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一見、自然豊かで長閑に見える車窓風景ですが、

長い間、人間が暮らせないレベルの放射能に晒されてきたのかと思うと、複雑な気持ちになります。

 

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11:44富岡駅に到着。駅周辺は更地が目立ち、その先には太平洋の水面が見えています。

 

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11:58広野着。

駅の海側には、震災後に整備されたと思われる真新しい駅前風景が広がっていました。

 

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「今は山中、今は浜、今は鉄橋渡るぞと、思う間もなくトンネルの闇を通って広野原」

有名な唱歌「汽車」の歌詞ですが、この付近の常磐線の車窓を歌ったものとも言われています。

 

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仙台以来の大きな市街地が車窓に広がると、列車は福島県最大の都市「いわき」に到着します。

 

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12:16。いわき着。

福島県いわき市の人口は約33万人、福島県浜通りの中心で、

品川・上野からの大半の「ひたち号」がここまでの運転となっています。

また仙台発車後間もなくの岩沼駅で別れた東北本線の郡山へ向かう磐越東線との乗り換え駅でもあります。

 

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「いわき」では、まとまった下車とそれを上回る乗車があり、

閑散としていた車内は次第に賑やかになってきました。

つづき「いわき」から終点品川までの乗車記はこちらです。

 

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【新幹線半額!お先にトクだ値スペシャル】はやぶさ34号乗車記(新青森15:52→仙台17:29)

本記事は下に添付の記事のつづきです。 

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JR 東日本とJR東北本線を受け継いだ第3セクター「青い森鉄道」が乗り入れる青森駅。

今回はここから隣の新青森駅に移動し、東北新幹線で仙台へ向かいます。

 

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青森駅のコンコース。

JR の券売機やみどりの窓口は写真左手方向にあります。

 

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青森駅に掲出されていた「えきねっとお先にトクだ値スペシャル50%OFF」の広告。

今回、新青森から仙台までの東北新幹線の乗車券・特急券は、この切符の利用しました。

 

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新青森→仙台の場合は5610円です。

 

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青森駅から東北新幹線の新青森まではJR 奥羽本線で一駅190円。

 

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青森~仙台では計5800円となります。

駅前から発車する仙台行の高速バスの運賃を確認すると、

乗車日により変動があるものの、概ね平日は4000円台、週末は5000円台となっており、所要時間は約5時間。

東北新幹線を利用すれば新青森での乗り換え時間を含めても2時間程度ですから、

バス会社にとっては厳しい「新幹線半額セール」に違いありません。

 

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新青森から乗車するのは15:52発のはやぶさ34号で接続列車は15:35発の弘前行ですが、

一本前の15:07発の津軽新城行で新青森へ向かいます。

 

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青森駅改札口と各ホームを結ぶ跨線橋。

青函連絡船時代の面影を残していましたが、近い将来撤去される予定のようです。

 

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青森15:07発津軽新城行。701系2両編成。

 

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3分程で新青森駅に到着。

新幹線連絡の利便を図るため、青森~新青森間に限り、特急列車に普通乗車券だけで乗れる特例も用意されています。

 

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 新青森駅新幹線乗り換え改札。

新青森までの190円の切符と、新青森からの新幹線の切符を入れると、新青森からの新幹線の切符だけが出てきました。

新幹線改札内はロビーのような待合室や店舗もあって、長めの待ち時間でも快適に過ごすことができます。

 

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15:50。新函館始発の「はやぶさ34号」が入線。

コロナ下でも新青森からまとまった乗車がありました。

 

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半額と格安の「えきねっとお先にトクだ値スペシャル」ですが予約時に任意の空席を指定することができます。

今回は2人掛けの窓側E席を選択、下車駅の仙台まで隣は空席のままでした。

 

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隣は空席だったものの、Go Toの東京解禁や「半額セール」の影響か、4割程度の席が埋まりました。

 

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16:15。青森県南部の八戸に停車。

 

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16:44。新青森から約50分で盛岡に到着。

盛岡駅は東北新幹線開業から約20年間、東北新幹線の終点として機能し、

青函トンネルが開業後は、特急はつかり号が東北新幹線で到着した乗客を受け、盛岡~函館を約4時間の所要時間でリレーしていました。

約4時間という所要時間は乗車中のはやぶさ号の東京~新函館北斗間の所要時間と同等であり、

近年の東北筋の鉄道の進化の早さを実感させられます。

 

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世界トップクラスの俊足を誇る「はやぶさ号」ですが、

乗車中の34号の場合、盛岡で6分もの停車時間があります。

 

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はやぶさ号の到着から約3分。後方に秋田からの「こまち34号」が接近。

徐行と停止を繰り返しつつ接近し、長い鼻先同士を連結させます。

はやぶさ号は10両編成、こまち号は7両編成で、

両者の連結により旅客列車としては国内最長の17両編成が完成します。

 


【はやぶさ・こまち連結】盛岡駅 はやぶさ34号・こまち34号連結シーン

 

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時刻表を確認すると「こまち34号」は「はやぶさ34号」が新函館北斗を発車した18分後の15:06に秋田を発車していることがわかります。

盛岡で「はやぶさ・こまち34号」となり東京には19:04に到着します。

 

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連結が完了すると、発車まであと1分程。急いで「はやぶさ号」の車内に戻りました。

 

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東北新幹線の盛岡から宇都宮までの区間、はやぶさ号・こまち号の最高時速は320km /h 。

 

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盛岡発車後の車窓。

まだ17時ですが秋の東北地方の日暮れは早いようで、すでに夜の風景になっています。

 

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約30分続いた300km/hオーバーの疾走が終わり、

前方から高層ビル街が近づくと東北一の大都市、仙台到着の車内放送が流れました。

 

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17:29。新青森から1時間37分で仙台駅に到着。本日の旅程はここまでです。

 

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ホテルへ向かう前に仙台駅構内の立ちそば処「杜」へ立ち寄り。

 

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鶏そばに生卵のトッピングで490円。

写真のように鶏の大きさは期待以上で、コスパにも優れたお勧めできる一品です。

 

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仙台と都市規模が似通う広島の玄関広島駅と歩調を合わせるように、

近年すっかり装いを改め華やかな雰囲気が漂うようになった仙台駅構内を歩き、

 

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東口から徒歩5分程で今夜の宿「コンフォートホテル仙台東口」に到着。

 

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一泊朝食付きで5000円台が「Go To」で3000円台になり、

1000円分の地域共通クーポンを受け取ることができました。

 

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朝食。

 

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翌朝は10時前にチェックアウトし、

 

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仙台駅10:13発の特急ひたち14号に乗車。

終点の品川まで乗り通しました。

つづきはこちらです。

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FDA神戸青森線(FDA833便・JAL2633便)搭乗記。神戸11:45→青森13:25。

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今回は神戸空港から2020年3月に運航を開始したフジドリームエアラインズの神戸→青森線を利用します。

 

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神戸空港の出発フロア。

神戸空港は2006年に人工島ポートアイランドの沖合に開設された比較的新しい空港で、

既存の伊丹空港や関西空港にも近いことから、管制上の理由などにより1日の発着便数に制限が課されていますが、

2019年にその制限が緩和され、その後、静岡県に本拠をおくフジドリームエアラインズの新規路線開設が相次いでいます。

 

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フジドリームエアラインズのチェックインカウンターは、

神戸空港の主役であるスカイマークの裏側に設けられています。

 

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神戸空港発着のフジドリームエアラインズの路線は、

2019年秋に運航を開始した出雲行と松本行、2019年12月に運航を開始した高知行、そして今回利用する青森行の4路線ですが、

コロナの影響で2020年10月下旬現在、高知線は特定日のみ運航、出雲線は休止となっています。

コロナの影響と言っても運航が継続されている松本や青森に比して、

出雲や高知での感染状況が特に深刻であるということはなく、

コロナ以前の搭乗率を参考に、運航を継続する路線と休止(一部休止)する路線が決定されたものと思われます。

結果をみれば、西へ向かうフライトは休止、東へ向かうフライトは運航継続になっており、

背景には、神戸空港利用者の居住地の重心が、空港より西にあることが関係しているのではないか。という気が個人的にはしています。

例えば「三宮→神戸空港→高知空港→高知市街地」という移動では鉄道に対して善戦できても、

三宮が明石になれば互角になり、姫路になると「お手上げ状態」。というようなことが実際に起こっているのではないでしょうか。

 

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カウンターで受け取った搭乗券。

フジドリームエアラインズは神戸青森線も含めて多くの路線で、JAL とのコードシェアを実施しており、

今回はJALのサイトからJAL2633便として購入。金額は12100円でした。

11:45の出発まで時間があるので空港内を見回してみます。

 

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ターミナルビル3階から見下ろした2階出発フロア。

西半分がスカイマークとフジドリームエアラインズのチェックインカウンターと土産物売場など、

 

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東側半分はANAやソラシドエア、AIR DO  のチェックインカウンターとファミリーマートがあります。

 

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3階は飲食フロアで西半分に神戸洋食キッチンと讃岐うどん店が、

 

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東半分は地元「上島珈琲」の喫茶店と、その奥には自販機・フライトシミュレーターなどを備えた休憩スペースがあります。

店舗数は少ないながら「レストラン、うどん店、喫茶店」と偏りや重複がないよう配慮されているようです。

 

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飲食店フロアの上階は展望デッキになっています。

滑走路の向こうには大阪湾の海が広がっています。

 

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神戸空港の場合は滑走路とは反対側の神戸市都心方向も、

六甲山系の山並みをバックに高層ビルが並ぶ絵になる風景が広がっています。

 

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2階出発フロアに戻り、保安検査場を抜けると左手にカードラウンジの「ラウンジ神戸」があります。

 

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空港の規模を考えても、小ぶりのラウンジで混雑することも多いのですが今回は空いていました。

空いていれば空港施設が新しいこともあり快適で雰囲気も良いラウンジです。

近い将来コロナの影響がなくなれば、再び混雑が目立つようになることは容易に想像でき、

利用者が一時的に減っている今のタイミングで拡張などが検討されても良いのかも知れません。

 

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11:45の出発時刻が近づき、ラウンジ前の4番搭乗口へ。

 

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搭乗機。エンブラエル170。

大阪に拠点を置くJAL の系列会社「JAIR 」で何度もお世話になっているものと同じ機材です。

 

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機内。

 

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シートピッチの余裕は、LCC とは一線を画しており、JALやANA の一般的な機材のエコノミーと同レベルです。

 

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機内誌。DREAM3776。

 

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「DREAM3776」掲載のフジドリームエアラインズの路線図。

 

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神戸青森線は神戸空港離陸後、兵庫県の播磨地方、但馬地方を北上。

京都府北部の天橋立付近から日本海上に出て、能登半島、佐渡島上空などを飛行して青森に至ります。

 

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定刻に駐機場を離れ11:50頃離陸。

 

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左の機窓に淡路島が広がると、右に旋回し西から北へ、北から北東へと進路を変え、目的地青森の方向に機首を向けます。

 

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兵庫県播磨地方内陸部。

高度が上がり分かりにくいですが、中国自動車道の福崎ICや加西IC付近が見えているようです。

 

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雲の上へ抜け水平飛行に入ると、ベルトサインが消灯し機内サービスの時間。

今回は紙パックのドリンクに加え「青天の霹靂」というすごいネーミングの青森の地元米をふんだんに使用したという、洋菓子「青天のフィナンシェ」も配られました。

 

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フジドリームエアラインズの利用は去年秋の出雲→神戸線以来2回目です。

コロナ流行前だった出雲→神戸線の利用時も同じ紙パックのお茶をもらったのですが、

当時の当ブログの記事を見返すと、

「お茶はフジドリームエアラインズの本拠地である静岡のメーカーのものかと思えば違った」

と書いているのですが、

今回改めてパックを見ると「ハラダ製茶株式会社」静岡県島田市・・と記載がありました。

 

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雲の上の飛行がつづきましたが、

機長からの機内放送によれば、能登半島上空を高度37000feet、対地速度1000km/hで順調に飛行中とのこと。

 

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新潟、庄内平野の上空を飛行したのち青森空港に向けて降下を開始。

雲を抜けると紅葉が進む北東北の山地が眼下に広がりました。

 

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曇天の青森空港へのファイナルアプローチ。

 

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13:00。神戸空港離陸から約1時間10分で青森空港に着陸しました。

 

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着陸前の機内放送によれば青森空港の気温は11度。

北国の冷気を感じながらボーディングブリッジを渡りターミナルビルへ向かいました。

 

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手荷物受取から制限エリア外にでると、天井には紅葉した山々の大きな写真が。写真は季節によって変わるのでしょうか。

 

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到着ロビーに掲出の空港からのバス時刻表。

写真は青森駅行で概ね1時間に1本程度。青森駅までの運賃710円、所要時間は35分となっています。

 

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こちらは弘前駅行。便数は青森駅行と大差ありません。弘前駅までの運賃は1200円、所要時間55分です。

県庁所在地ではなく距離的にも青森より遠い弘前という街が、この地域では重要な地位にあることが推察されます。

 

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青森、弘前とも運賃は降車時払いのため、空港到着後はそのままバス乗り場に向かうことができます。

地元路線の同じような運賃区間は降車時払いなのに、

空港連絡バスの利用者だけ空港で事前に切符を購入させる事例が全国で見られますが、

合理的な理由があるのか疑問に感じることがあります。

 

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次の青森駅行バスの発車は13:45。

神戸からの到着予定時刻が13:25なので「余裕のある接続ダイヤ」となっているようですが、

今回は20分も早着したため時間を持て余し気味です。

せっかくなので空港内を散歩することにしました。

 

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1階到着フロアにはファミリーマートのほか、JAL ,ANA, FDA のチェックインカウンターがあります。

 

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エスカレーターで出発フロアの2階にあがると目の前に保安検査場の入口があり、

 

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右手方向にはタリーズなどの飲食店が。

 

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左手方向にはJAL系の土産物売場「BLUE SKY 」などが並んでおり、その奥に、

 

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カードラウンジの「エアポートラウンジ」があります。

 

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10分程お邪魔しましたが、最近リニューアルされたのか設備が新しく、

収容力も神戸空港のラウンジ神戸の倍はありそうで、

カードラウンジとしては居心地の良い空間になっていました。

 

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サービスは新聞・雑誌の閲覧、ソフトドリンクのセルフサービス、コンセントつきのソファなど、

一般的なカードラウンジと同じです。

 

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青森駅行バスの発車時刻が近づきターミナルビル前のバス乗り場へ。

目の前に停車している車両がJRバス東北が運行する青森駅行。

その前に停車しているのが、同時刻発の弘南バスの弘前駅行です。

対東京輸送で新幹線との競合もある空港のアクセス輸送を、JRバスが担っているというのは他には思いつきません。

ライバル会社の商品(航空便)を利用する消費者を一同に集め、ピンポイントで自社の商品(新幹線)を売り込むこともできそうですが・・・。

 

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13:45。弘前行の弘南バスとともに空港ターミナルを発車。

弘前行は空港前の交差点を左折、乗車した青森行は直進し青森市街地へ向かいます。

 

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空港を出て数分で東北新幹線の軌道をオーバークロス。

その気になれば短距離のアクセス線建設で新幹線と空路を直結させることもできそうです。

空港に高速鉄道が乗り入れる例は国内にはありませんが、

ソウルの仁川空港(現在は廃止)、上海の虹橋空港のほか、フランスなどでも事例があり、

ヨーロッパでは高速鉄道と航空便のコードシェアも行われています。

 

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郊外型の店舗が並ぶ幹線道路をしばらく走るうち、

平野の彼方に見えていた青森市街地が目の前に迫り、

 

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空港から約25分。14:11に青森駅前に到着しました。

神戸空港出発から2時間余り、神戸都心の三宮からでも3時間程度で到達できる計算です。

東京乗り継ぎで新幹線が繋がっていると言っても、所要時間6時間となれば、関西~青森など北東北の輸送は航空一択に近く、

その点では同時期に神戸空港に就航した高知線や出雲線より条件的に恵まれているのかも知れません

 

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 青森駅から新青森駅に移動し東北新幹線で仙台へ向かいました。

つづきはこちらです。

 

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185系特急踊り子・黒船電車など。ひさびさ旅復路。

 本記事は下に添付の記事の続きです。

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下田の街歩きを終え伊豆急下田駅に戻ってきました。

 

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伊豆急下田駅の広いコンコース。

 

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伊豆急下田からJR伊東線に接する伊東駅まで伊豆急行線区間の運賃は1650円。

 

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普通運賃はJRより高い設定になっていますが、

伊豆急線内の特急料金は距離に関係なく自由席の場合410円と格安です。

 

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そんなわけで伊豆急下田発15:07の特急踊り子16号に伊東まで乗車することにしました。

 

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特急踊り子16号は、国鉄末期に登場し長らく活躍を続けてきた185系での運転です。

 

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185系を使用する特急列車に「新特急」の愛称が付された時期もありましたが、

デッキの雰囲気などは今となっては485系に代表される「国鉄型特急電車そのもの」という印象です。

 

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デッキの洗面台もほぼ登場時も姿のままで使われているようです。

 

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客室妻面には昭和56年川崎重工の銘板が。

国鉄から継承した特急車両はJR四国やJR北海道に残っていますが、経年39年は最高齢だと思います。

都内で踊り子号と並走する山手線に目をやれば、39年の間に103系⇒205系⇒231系⇒235系と世代交代しており、流れた時間の長さを実感せずにはいられません。

 

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東京到着が17:48と行楽帰りにはちょうどよい時間帯の列車であり、

10号車自由席は始発の伊豆急下田駅発車時点で窓側の席が埋まってしまいました。

 

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シートは登場時のリクライニング機構のない転換シートから、

リクライニングができるシートに交換されていますが、

ピッチはやや狭く、座席下に機器があって足をのばすことができません。

 

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特急車両でありながら窓を開けることができるのも185系の特徴です。

 

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トンネル通過時の騒音や保温を考えて窓を開けることは断念しましたが、

海だけでなく山間部走行もある伊豆急行線内の景色を、

185系の走行音をBGM に楽しむこと53分。

 

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16:00。伊東駅に到着。

2分の停車時間で伊豆急行からJR東日本へ乗務員交代が行われていました。

 

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準備を整え発車時刻を待つ185系踊り子号。

東京までは約1時間50分の道のりです。

 

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ホームの乗車位置表示も車両置き換えに伴い交換されるのでしょうか。

 

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伊東駅舎。

熱海から17km、JR伊東線の終点で、人口約65000人の静岡県伊東市の玄関です。

 

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伊東駅改札付近。

リニューアル繰り返しつつ、古い駅舎を大切に使い続けている様子に好感を持ちました。

 

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伊東から熱海へのJR 伊東線区間は伊豆急行線内より運転本数が多く、

特急と普通を合わせると1時間に概ね2本~3本が確保されています。

 

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伊東から乗り継いだ列車は伊東駅発16:22普通列車熱海行です。

市販の時刻表には特に記載がありませんが、観光客向けに改造された「黒船電車」での運転です。

 

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黒船電車乗車口付近。

 

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この車両の最大の特徴は先頭車両にパノラマ座席を備えていることですが、

コロナの影響か最前方の座席は封鎖されていました。

一部の席を封鎖してしまうと、残りの座席で「密」ができてしまいそうですが、

乗務員を感染から守る目的があるのかもしれません。

 

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パノラマ席部分以外も、大きな窓に向いた座席などがゆったりした配置で並んでおり、

乗車券だけで乗車できる普通列車としては「乗り得列車」と言えます。

JR伊東線区間内のみの乗車なら青春18切符などでの乗車も可能です。

 

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窓の下には弁当なども置けそうな広いスペースが確保されていました。

 

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黒船電車の大きな窓から眺める伊東線の車窓。

 

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16:49。伊東から27分で熱海に到着。

土日だけでもこの先東海道線に乗り入れ小田原まで直通すれば、小田急ロマンスカーとの乗り継ぎや、

箱根と伊豆の観光客を送客しあうことで相乗効果も得られそうですが・・。

 

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現状では特急踊り子号を除くと、伊東線から東海道線への直通は朝の一本のみとなっているため、

東海道線の快速アクティに乗り継いで小田原まで戻ります。

 

今回は、新大阪~小田原往復の新幹線指定席と小田原駅のKioskで使える500円クーポンがセットになった、

JR 東海ツアーズの企画商品「ひさびさ旅割引。日帰り1day小田原。東海キヨスククーポン付き」を利用して旅行しています。

「ひさびさ旅・・」には熱海着もあり、伊豆を訪れる場合、経路的には有利ですが、

新大阪発の場合、小田原着と熱海着の価格差は100円しかなく、

熱海着なら「こだま」に対して、小田原着なら「ひかり」が利用できる状況であれば、

小田原着を選択したほうが便利かも知れません。

(ひさびさ旅の往復新幹線は候補便の中から任意に選択できます。)

 

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快速アクティは15両編成で始発の熱海からは余裕のある乗車率でした。

 

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日没前の根府川駅。

海の眺めが美しいことで知られます。

 

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11:02発の踊り子号で出発して約6時間で小田原駅に戻ってきました。

 

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夕暮れ時の小田原駅前。

箱根観光の玄関としての顔と、京阪神周辺で言えば姫路のような、

首都圏の西の要の一つとしての都市機能の両方が感じられる駅前風景です。

 

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小田原構内の二宮尊徳像もマスク着用。

 

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復路の新幹線指定便は小田原発18:07の「ひかり653号」。

 

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ひかり653号。

小田原発車時点で、小田原からの乗客が半数近いのではないかと思われるほど、小田原からの乗車が目立っていました。

小田原を出ると次の停車駅は名古屋であり、小田原停車の「ひかり」は、見方によっては小田原停車の「のぞみ」とも言えそうです。

 

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小田原駅のKioskには土産物なども並んでいましたが、

今回は堅実に弁当を買い車内での夕食にあてました。

500円バウチャーはお得なだけでなく、日帰りの企画商品で「Go To 」の適用条件をクリアさせる役目も担っています。

 

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20:27新大阪に到着。

「ひさびさ旅割引。日帰り1day小田原。東海キヨスククーポン付き」の価格は13400円ですが、Go To 適用で8710円まで値引きされ、

小田原~伊豆急下田往復や下田での食事・ロープウェー代などを合わせた旅行費用の総額は20000円ほどで済みました

新大阪~小田原の新幹線指定席片道にかかる運賃・料金だけで通常は12850円であることを考えれば、かなりお得に旅行できたことがわかります。

個人的には緊急事態宣言の頃から危惧していましたが、長引くコロナの影響で自殺が増加しているという不穏なニュースも聞かれるようになっています。

鉄道会社も消毒や換気など常にコロナ対策を施しており、

旅行者自身が感染を呼び込むような行為を慎んでいれば、

行き先に関わらず、そう簡単に感染するものではないと考えています。

破格の旅行商品にGo To の35%引きが適用できる今こそ、

旅行に出かけて自粛のストレスを解消し、

心身の健康を維持したいものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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【下田散策】寝姿山からの展望と「THE ROYAL HOUSE 」は特におすすめ。

 本記事は下に添付の記事の続きです。

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12:41小田原から乗車した特急踊り子7号で終点の伊豆急下田駅に到着。

 

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元東急車両の普通電車を真ん中に、新旧の踊り子号が並びました。

 

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伊豆急下田駅改札口。

伊豆急下田は乗り潰し目的で駅だけは来たことがありましたが、

今回は短時間ですが街歩きに出かけようと思います。

 

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街歩きに出かけますが、

まずは駅建物内に店を構える「さかなや道場」で腹ごしらえ。

 

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注文したのは名物の金目鯛の煮付け。

下田港は金目鯛の水揚高が全国一位で年間1000トン以上。

下田港の水揚げの8割を金目鯛が占めるというから驚きです。

 

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南国風情が感じられる伊豆急下田駅前。

 

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下田まちなか案内図。

伊豆急下田駅と了仙寺を結ぶ道路が下田市街地のメインストリート(地図中央付近の太いライン)となっているようです。

 

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そのメインストリートの途中に位置する宝福寺に立ち寄りました。

坂本龍馬が脱藩のゆるしを乞い許された寺として知られます。

 

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伊豆急下田駅からゆっくり歩いて15分くらいで了仙寺に到着。

了仙寺は江戸初期の1635年に下田奉行によって創建された日蓮宗の寺です。

幕末の1854年には、鎖国政策を転換することとなった日米和親条約締結に際して、

黒船で来航したペリーらと日本全権の条約交渉の場となりました。

今に続く日米両国間の歴史がここから始まったと言っても過言はなさそうです。

 

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了仙寺境内。

 

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寺の建物に近づくと頭上にカラーの版画が飾られていることに気づきます。

この画は歴史の教科書にも登場する貴重なものです。

 

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画の下に「安政元年ペリー提督黒船陸戦隊調練の図」と説明があります。

今自分がいる場所が、画の左寄りの建物の前なのだと、しばらく眺めていて気づきました。

 

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原画はアメリカ海軍兵学校にあり、了仙寺のものは石版画とのこと。

 

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了仙寺の敷地内にあるMoBS黒船ミュージアム。

ペリーや黒船に関する資料が多数展示されています。

 

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こちらは了仙寺境内の脇から伸びるペリーロード。

しだれ柳と水路の組み合わせは兵庫県北部の城崎温泉を連想させます。

ペリーロードには、筆者のように駅から徒歩で了仙寺を訪れた観光客が、

来た道を戻ってしまうことがないよう、市街地に点在する見所に誘う役割もありそうです。

 

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ペリーロードの終点に建つ旧澤村邸。

大正7年に建築された、なまこ壁が特徴のこの建物は、現在は休憩施設として開放されています。

 

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生活感漂う下田の街中の街路を伊豆急下田駅方向に適当に歩くこと15分。

 

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伊豆急下田駅の向かいに位置する下田ロープウェー乗り場に到着。

 

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下田ロープウェーは伊豆急下田駅前と寝姿山の山頂駅を3分程度で結んでいます。運賃は往復1050円です。

 

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コロナの影響が消えない中でも一定の需要かあって、

切符購入後、乗車待ちの列に並び1本見送っての乗車となりました。

 

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山頂駅に到着。

 

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ロープウェーの駅舎から出てすぐの場所に小さな展望台があり、

ほぼバリアフリーでパノラマをたのしむことができるようになっていましたが、

ロープウェーを降りた乗客の多くは1~2分程坂道を登ったところにある寝姿山展望台へ向かいました。

 

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寝姿山展望台からは伊豆七島を一望できます。

 

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寝姿山展望台からの眺め左方向。伊豆大島方面。

 

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右方向。

 

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眼下の水面には黒船をイメージした遊覧船の姿も。

 

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展望台からの景色を楽しんだ後は、ロープウェー寝姿山駅に併設されているレストランTHE ROYAL HOUSE へ。

 

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店内は、鉄道車両デザイナーとして有名な水戸岡氏か手掛けたもので、

木の温もりを感じる内装は、

JR 九州のクルーズ列車「ななつ星」に代表される同氏の「作品」に通じるものがあります。

 

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ケーキとコーヒーで1000円以下と気軽に入れる価格設定も魅力です。

 

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窓側の席は満席でしたが、

着席できればバルコニー越しに伊豆の海を眺めながら飲食を楽しむことができます。

 

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THE ROYAL HOUSE を出ると目の前がロープウェー乗り場です。

 

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ロープウェー車内から撮影した下田の街並み。

 

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ロープウェーを降り、伊豆急下田駅に戻ってきました。

 

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小田原までの復路は特急料金が格安の伊東までの伊豆急行線内は、特急踊り子号に、

 

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普通運賃が伊豆急行より安い伊東からのJR伊東線区間は普通運賃だけで乗車できる観光列車「黒船電車」に乗車して、小田原方面に戻りました。

続きはこちらです。

 

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* * 最後に下田ロープウェーの車窓動画(上り)を添付します。


【車窓】下田ロープウェーからの眺め(新下田→寝姿山)