西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【鉄分過多】快速マリンライナーパノラマ席の正しい楽しみ方(29号 岡山12:12→高松13:05)

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岡山駅と高松駅を1時間弱で結ぶJRの快速マリンライナー。

早朝から深夜までほぼ30分毎に運転され、編成はほとんどの便が5両編成となっています。

 

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そのうち高松寄り先頭車は2階建て車両で階上と運転席すぐ後ろの区画がグリーン席です。(階下は普通車指定席)

運転席のすぐ後ろの区画は前面展望(岡山行は後面展望)を楽しむことができるパノラマ席になっています。

 

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席番は1A ~1D の4席のみです。

AB は運転席の真後ろとなるため、前方(後方)の景色はCD 席のほうがよくみえます。

指定券の販売システム上も他のグリーン席と区分されているようですので、窓口で購入するときは「パノラマ席希望」と伝えたほうが良さそうです。

 

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今回は1D を予約しました。

 

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列車は定刻に岡山駅を発車。瀬戸大橋へと続く宇野線の軌道は岡山駅を出ると地平の山陽本線と高架の山陽新幹線の間を抜けて南に進路をとります。

 

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宇野線は瀬戸大橋開通までは全線が単線でしたが、瀬戸大橋後は列車の増加にともないボトルネックが指摘されるようになり、岡山の次の大元駅周辺と妹尾駅周辺、早島駅周辺が順次複線化されました。

 

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複線化と同時に高架駅になった大元駅を通過。

 

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大元駅の先のカーブ区間にみえているのは中継信号機です。

道路の予告信号機と同じくカーブで見通しが悪い区間などでその先にある信号機の現示を事前に知らせる役割があり、車以上に「急に止まれない」鉄道では多用される傾向にあります。縦3灯が進行(青)、斜めが注意(黄)、横が停止(赤)を意味します。

 

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次の備前西市駅手前で高架区間が終わるとともに単線になりますが

 

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高架を降りた先にある備前西市駅は行き違いができるようになっています。

このような単線区間の行き違い駅では多くの場合左側通行となります。

かつては駅の前後に両側に開く形のポイントを設置するのが通例でしたが、この駅のように通過列車が多い駅では片側が直線となるような線形に改良し、通過列車は上下列車とも直線側を通過するようにしている事例がJR化後多くみられるようになりました。

このような改良工事は「一線スルー化」と呼ばれ、JR九州・四国・西日本では特によく見られます。

 

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備前西市駅からはしばらく単線になりますが、妹尾駅が近づくと再び複線に。

複線に移行する地点のポイントは両開きスタイルですが、一部列車を除いて80kmでの通過が許容されるものが使用されています。

写真左下に見える勾配票の「L」はLEVEL(勾配なし)を意味しています。

 

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岡山を出て最初の停車駅である妹尾駅に接近。

 

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黄色一色に塗られた普通列車は、この区間では日中は1時間に1本のみの運転となっており、30分間隔に運転される快速マリンライナーが停車しない駅は、政令指定都市となった岡山市の近郊区間としては非常に不便だと思います。

 

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12:20妹尾駅に到着。左上に見えている標識の「5」は5両編成の停止目標です。

 

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妹尾駅から再び単線になり1面1線の備中箕島駅を通過。

 

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次の早島駅手前の高架道路をくぐると複線にもどります。

 

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30分間隔で運転される快速マリンライナーのうち日中の便は妹尾停車・早島通過の便と、妹尾通過・早島停車の便を繰り返すダイヤになっています。

乗車中の29号は前者で早島駅は通過します。

 

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早島駅を通過したところで対向のマリンライナー28号と行き違い。

こちらは早島停車・妹尾通過の便となっています。

 

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早島の次の久々原から単線となったのち、12:25茶屋町駅に到着。

茶屋町・児島・坂出の3駅はマリンライナー全便が停車します。

 

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茶屋町までは単線・複線、高架・地平が入り交じる「隘路」でしたが、茶屋町からは全線高架複線(瀬戸大橋含む)の幹線らしい軌道になります。

 

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茶屋町を出ると列車は一気に加速。

マリンライナーの最高速度である130km/h に近い速度に達します。

120km/hの「制限」標識がこの区間の線形の良さを誇示しているかのようです。

宇野方面へ向かう列車は写真奥に見えているポイントを渡り、高架線の左に沿う単線軌道へとすすみます。

今では影が薄くなった感がありますが、瀬戸大橋開通までは航路接続で高松に至るメインルートを形成していました。

 

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植町駅を通過。先ほど分岐した宇野線の彦崎駅とは徒歩10分ほどの距離にあります。

 

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植町からは長いトンネルとなり、トンネルとトンネルの間にある木見駅をトップスピードで通過。

 

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高速を維持したまま上の町駅を通過すると、まもなく次の停車駅児島に到着します。

 

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児島駅は瀬戸大橋の手前に位置しており、JR西日本とJR四国の境界駅でもあります。

乗務員も交代となるため、特急列車も含め全列車が停車します。

 

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岡山から児島駅まで27.8kmを21分で走り、12:33に到着。

 

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児島からしばらくで右手から瀬戸中央自動車道が寄り添うと神道山トンネルに突入。

道路もトンネルに入り、トンネル内で上下に並ぶ格好になり、

 

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トンネルをぬけると道路・鉄道2層構造の瀬戸大橋へと進みます。

 

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瀬戸大橋は岡山側から下津井瀬戸大橋、櫃石島橋、岩黒島橋、北備讃瀬戸大橋、南備讃瀬戸大橋の5つの橋と島上の高架橋で構成され全長は約9.4kmあります。

重量のある鉄道車両は吊り橋の中央付近の盛り上がりを押しつぶすように走行します。開通直前に電気機関車を連ねた実験車両が線路を押し下げながら進む映像は開通当時盛んにテレビなどで放映されていた記憶があります。

 

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パノラマ席に乗車して橋上区間に思いのほか大きなカーブがあることを知りました。

 

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海峡区間が終わり四国内の番の州高架橋を走行。

このあたりは周囲に民家がなく騒音の心配がないためか橋上にくらべ速度が上がります。

 

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右手には瀬戸大橋開通に前後して開発がすすんだ宇多津駅周辺の街並みが見えています。

 

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上を通っていた瀬戸中央道が左にわかれると瀬戸大橋線と予讃線が合流するジャンクションにさしかかります。

直進すると予讃線下り(松山方面)に入りますが、高松行きのマリンライナーは左にそれて予讃線上り(高松方面)に向かいます。

このジャンクションは全域がこの先にある宇多津駅の構内という扱いになっています。

 

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予讃線下り線との合流地点。

 

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予讃線に合流すると間もなく坂出駅に到着します。

坂出駅の乗車人員は5000人程度ですが、四国では4県庁所在地の代表駅に次ぐ5番目に利用者数の多い駅となっています。

 

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坂出からは高松方面への乗車もある程度見られますが、瀬戸大橋開通後は岡山方面への乗車のほうが数の上では勝っているようです。

 

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坂出を発車してすぐに快速マリンライナー32号と行き違い。

 

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簡易な構造の八十場駅を通過。予讃線の地平区間では車両の揺れが少々気になりました。

 

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八十場の次の鴨川駅は2面4線で列車の待避や追い越しが可能な構造になっています。

 

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鴨川~讃岐府中間。

 

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曲線上に設置された讃岐府中駅。

 

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讃岐府中から次の国分にかけての線路脇に見えた写真の標識はキロポストといい、路線の起点(走行中の予讃線の場合は高松)からの距離を示しています。

ただし予讃線の場合、起点の高松駅が21世紀入ってから周辺の再開発により約300m坂出寄りに移動しているため、現在では実際の距離を示していない可能性があります。

 

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曲線の国分駅を車両を傾けて通過。

 

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国分駅の先で特急いしづち11号松山行きと行き違い。

2014年登場の8600系の2両編成ですが、この先宇多津駅で岡山からのしおかぜ11号と併結し7両編成になって終点の松山へ向かいます。

 

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国分の次の駅「端岡」は快速マリンライナーは全便通過ですが、四国内のみを走る快速サンポート号は停車します。

狭いスペースに待避線を設置した複雑な配線・ホーム配置が見らえる駅です。

 

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端岡の次の鬼無駅付近で行違った普通列車坂出行きは7200系の2両編成。

国鉄末期に高松~観音寺・多度津~琴平が四国内で初めて電化された際に121系として導入された車両ですが、近年大掛かりな改良が施工されました。

改良の目玉は台車に最近登場したJAL国内線の新型機材A350でも注目された「炭素繊維」を用いたことで、その効用もあって乗り心地が体感で分かるレベルで向上しています。

 

f:id:nishiuraexp:20191128215612j:plain鬼無駅の先では貨物駅を左に見て、

 

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最後の通過駅香西駅を通過。

 

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少雨の高松を象徴するような水量の少ない香東川を渡り高松市中心部へと入ります。

車内では終点高松駅到着の車内放送が始まります。

 

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寝台特急サンライズ号なども休む車両基地を左に見て、

 

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複線の予讃線に右から単線の高徳線が合流し3線ならんで高松駅へのファイナルアプローチとなります。 

 

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高松駅が見えてきました。

線路の間に見える白いものはポイント付近での接触限界(これ以上前進すると隣の線路の車両と接触する)を示すもののだったと思いますが、筆者の記憶違いでしょうか。

不思議な位置に設置されています。

 

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5番線に進入。隣の6番線には13時10分発の岡山行きマリンライナー34号が発車待ちをしています。

乗車中の列車も回送されることなく折り返し岡山行きマリンライナー36号として折り返します。

このように高松駅では日中は5番線または6番線で常にマリンライナーが入線している状態であり、寒暖のあるホームで並んで列車を待つ必要がないよう配慮されています。

 

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13:05。岡山から53分で行き止まりスタイルの高松駅の車止めの前に停車し乗務終了です。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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【SFC会員プランで7650円】ANAクラウンプラザホテル岡山に宿泊。

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高松⇒岡山⇒広島⇒芸備線⇒新見⇒倉敷と1日でめぐり、最後は倉敷から快速サンライナーで19時35分に岡山駅に到着。

出発地高松への快速マリンライナーは日付が変わるまで運行されており、余裕で日着できるのですが、今回は岡山駅西口直結のANAクラウンプラザホテル岡山に宿泊することにしました。

 

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9月にANAの上級会員「SFC」に入り、ANA系列のホテルで特典が受けられるとのことだったので興味があり予約を入れた次第です。

なおこのホテルに予約を入れる際にANAクラウンプラザホテル岡山を含む全日空ホテルズと提携関係にあるIHG(インターコンチネンタルホテルズグループ)の会員登録(無料)もしています。

SFC会員・IHG会員双方で上乗せのサービスがあるようですが、筆者はホテルのサービスについては詳しくありません。

本記事は「SFC会員になり、IHG会員登録もしたうえでANA系列のホテルに宿泊したらこんなサービスが受けられました。」というスタンスで書いたものです。

 

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岡山駅西口からの歩道橋はホテルの建物につながっていますが、ホテルの玄関はエスカレーターで1階に降りた場所にあり、目の前にはローソンがあります。

 

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部屋は17階でした。

予約時のメールを見直すと 

プラン名:ANAスーパーフライヤーズ会員専用プラン

お部屋タイプ:スタンダードフロア・シングルルーム18㎡・禁煙

となっています。

 

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18㎡の部屋に大きなベッドが置かれ、それほど「広い部屋」という印象はもちませんでした。

バスルームにはシースルーの窓がついています。

 

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デスク回り。

テレビのサイズが控えめな点が良いと思いました。

1泊4000円程度の格安ホテルでも必ず部屋にテレビがあることに疑問を感じ、

少しランクの高いホテルでは「映画館なのか」と思うような「バカでかいテレビ」に驚かされることがよくあります。

「テレビなしを条件に数百円値引いてくれるようなプランがあればそちらを選択するのに」と思いながらスイッチを入れることなく退室。

というのが筆者がホテルに宿泊するときのいつものパターンです。

筆者より若い世代ではそういう方も少なくないと思うのですが。

 

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デスクにあったコーヒーメーカー。

メーカーの上部に、水色や紫色のカップに入った1杯分のコーヒー豆を入れ、背部の容器に水を入れると、淹れたてのコーヒーを飲むことができます。

淹れたてのコーヒーの味もさることながら、立派な箱を開けカラフルなカップを取り出すという過程も、コーヒーを飲む楽しみを増す演出のようです。

 

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部屋からの夜景。岡山駅方向。

岡山駅のメインは瀬戸内海に沿って東西に延びる山陽新幹線と山陽本線ですが、岡山駅自体は南北方向を向いているという事実は、あまり知られていないのではないでしょうか。大雑把に言うと写真左上が北、右上が東です。

 

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上の写真より北方向に向いて撮影したものです。

JRで言うと津山線方面を見ていることになります。

 

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翌朝、新聞のルームサービス。

新聞についてはチェックイン時に希望を聞かれ、特に指定がない場合は地元紙の山陽新聞になるようでした。

 

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 チェックイン時に受け取った朝食券とウエルカムドリンク券。

ウエルカムドリンク券はチェックアウト日まで有効とのことでした。

なお個人情報隠しのスティックコーヒーも、コーヒーマシーンに入れるものとは別の客室サービスです。

 

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朝食会場は20階のレストラン。

 

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スタッフが席を案内してくれました。

こういうとき一人利用だと影に隠れるような席に案内されることが多いので「窓側の席」をこちらからリクエストしました。

プレートの「会員」はSFCではなくIHGのほうでしょう。

 

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 バイキング朝食。

 

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ゆっくりと朝食を採りながら次々と岡山駅に進入してくる新幹線を眺めることができます。写真は700系ひかりレールスター。

 

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九州新幹線直通のN700系「さくら」。

 

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N700系16両編成の「のぞみ」。

チェックアウトの延長サービスもあり、正午まで滞在可能となっていたため、食後のコーヒーを含め1時間程度レストランで過ごしました。

 

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朝食会場から一旦部屋にもどって寛いだあと11時30分頃にチェックアウト。

ウエルカムドリンク券を持ってフロント横のカジュアルレストラン「ウルバーノ」へ。

ウエルカムドリンクのサービス券の表示によれば、ウルバーノの営業は11時30分からとなっており、チェックアウト日に利用しようとすると、延長されたチェックアウト時刻直前まで待って、昼食を食べに訪れた地元のお客さんに交じってというスタイルにならざるを得ないようです。

ホテルとしては到着日の夜に食事メニューのプラスアルファで使ってほしいというのが本音なのでしょうか。

 

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アルコール類も選択できるようでしたが、昼前ということで「紅茶」を注文。

10分程で席を立ちました。

 

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チェックアウト時の支払額は7650円でした。

予約するタイミングや日程によってはさらに安い価格で同じサービスを受けられる場合もあるようです。

駅直結、シティービュー18㎡の部屋、眺めの良い会場での朝食、新聞サービス、レストランでのウエルカムドリンクサービス、正午チェックアウト。という内容で、

近隣の東横インと大差ない価格というのは大変魅力的であり、1000円札1枚の「働き」は1泊4000円程度の格安ホテルを上回るのではないでしょうか。

ホテルへのこだわりはあまりなく、これまではホテル名にJALやANAの文字があるだけで「高い」と決めつけ確認もせずに宿泊先の候補から外していることもありましたが、

今後のホテル探しでは「少なくとも値段のチェックくらいはしよう」と思いながら岡山駅の改札口へ向かいました。

このあと快速マリンライナーのパノラマ席(1号車グリーン車の先頭部分)に座り高松まで戻りました。

乗車記はこちらです。

 

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【1日3本!営業係数は10万?!】芸備線の末端区間を通り岡山へ。(備後庄原13:37→備後落合→新見→倉敷→岡山19:35)

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広島から臨時快速列車「庄原ライナー」で到着した芸備線の備後庄原駅。

周辺散歩を終え駅に戻ってきました。

 

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駅舎内。

 

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備後庄原駅で折り返す列車もあり、三次方面が1日8本、備後落合方面が1日6本となっています。

ただし曜日によって運転されない列車もあります。

 

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駅の跨線橋から備後落合方向を俯瞰。

 

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13:37発の備後落合行に乗車します。

JR 西日本が閑散ローカル線の合理化のために90年代に導入した小型ディーゼルカーでの運転です。

中国地方ではかなり広範囲で活躍している車両です。

 

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備後庄原まで利用した庄原ライナーに使われていたような国鉄型のディーゼルカーに比べ加速や登坂性能では勝りますが、乗り心地・車内設備は後退している印象です。

 

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窓から後方にながれる車窓を撮影したところ、JR 西日本の閑散ローカル線を象徴する標識が写り込んでしまいました。

速度を落として線路への負担を軽減することにより保線費用を削減することが狙いです。

 

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終点備後落合の一駅手前にあたる比婆山駅。

 

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最後の一駅は中国山地に分け入り、6.8km を14分かけてゆっくりと進みます。

 

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14:25備後落合駅に到着。

 

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秘境駅という言葉をよく聞くようになりましたが、ここは芸備線と木次線が乗り入れる「秘境ターミナル」です。

 

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芸備線下り三次方面が1日5本、芸備線上り新見方面と木次線宍道方面は1日3本となっています。

 

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昭和10年の開業当初からのものと思われる立派な駅舎がありますが、

無人化されて久しく、統計上の1日の利用者数は13人となっています。

周囲に人家はほとんどなく13人というのは筆者のような「乗り鉄」の皆さんが稼いだ数値なのでしょう。

 

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10年ほど前まではもっと静かでしたが、駅は一種の観光スポットになりつつあるようです。

 

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左がここまで乗ってきた三次からの列車、右が新見から到着した列車でともに備後落合で折り返し、来た道を戻るダイヤになっています。

少し離れたホームには木次線の列車も到着していました。

 

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折り返しの新見行に乗り継ぎます。

乗車する14:37の便が日中唯一の新見方面の列車(他の2本は6:41 ・20:12)ですが、青春18切符期間外の今回は10人程度の乗車でした。

 

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東城までは山間部を進みます。

途中の駅には統計上の利用者が「0」という駅が複数あるようで、

芸備線のこの区間の輸送密度は9人、営業係数(100円の収入を得るためにかかるコスト)は10万とも言われています。

 

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備後落合~新見間では最大の拠点となる東城駅は駅舎も立派ですが、

1日の利用者数はこの駅でも10人程度となっています。

 

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備後落合駅と違い駅周辺には市街地が広がっています。

駅の利用者数を見るに鉄道は「忘れ去られた存在」と言わざるを得ないようです。

 

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広島から辿ってきた芸備線は東城から5駅目の備中神代駅で幹線の伯備線と合流する形で終わります。

備後落合方面からの列車は全列車が備中神代駅から伯備線に乗り入れ新見までの運転となっています。

備中神代~新見間にある布原駅は伯備線の駅でありながら芸備線からの乗り入れ列車だけが停車する駅で、その造りは実に簡素です。

 

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16:00新見に到着。

東城からの区間で県境を越えており新見は岡山県に属しています。

 

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新見市は人口約3万人の小都市ですが、

新見駅は岡山と山陰を結ぶ特急やくも号の全便が停車する主要駅であり、

芸備線の末端区間から到着すると立派な駅舎・駅前にみえるものです。

 

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駅前通りを散歩。

紅葉が進む周辺の山々に夕陽が差して印象的な光景が見られました。

 

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新見駅からは岡山方面へ向かいます。

接続の16:37発の特急やくも22号は指定席・グリーン車とも満席でした。

自由席に空席があったとしても窮屈だろうと思い、

 

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後続の16:51発の普通三石行に乗車。

 

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岡山までは特急で約1時間、普通でも1時間半程度であり、

急ぎでなければ満席の特急列車より、転換クロスシートを備え空いている普通列車のほうが快適といえそうです。

 

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途中特急が停車する備中高梁や総社駅で多少の乗車がありましたが、

 

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空席を残した状態で倉敷に到着。

岡山までは20分弱ですが、ここで途中下車することにしました。

 

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倉敷市は岡山市に次ぐ岡山県第2の都市で人口は47万人を数えます。

その中心に立地する倉敷駅の利用者数も1日約2万人(乗車人員)と活気が感じられます。

大原美術館などがある美観地区へのアクセスやバス、水島臨海鉄道への乗り換えに便利な南口駅舎は近年8階建の8階から3階までを解体するダウンサイジングが実施されました。

ローカル線の駅では老朽化した立派な木造駅舎が簡素な駅舎に建て替えられる事例が多く見られますが、

今後は倉敷駅のような大きな駅でも施設のスリム化が進むのかもしれません。

 

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改札前の自由通路で結ばれた駅の反対側には、

 

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三井アウトレットパークがあります。

昭和の時代には紡績工場だった敷地が、90年代のレジャーブーム「チボリ公園」というテーマパークになり、

チボリ公園閉園後に現在のショッピング施設が建設されたという経緯があります。

 

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駅舎内で夕食を済ませ岡山へ向かいます。

倉敷~岡山は山陽本線の列車と伯備線の列車が重複し、日中でも毎時5本、ラッシュ時には8本程度と待たずに乗れるダイヤになっています。

 

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倉敷発19:22。

山陽本線の福山~岡山間で朝夕に運転される快速列車サンライナーに乗車します。

 

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サンライナーには昭和55年に京阪神の新快速車両としてデビューした117係が使用されています。

車内も新快速当時からほとんど変わっていません。

関西から岡山を訪れこの車両に出会った人は鉄道ファンでなくても懐かしさを感じるのではないでしようか。

京阪神の新快速は、その後昭和62年のJR 発足から数年で新型車両の221係に置き換えられ、

余剰となった117係の一部が岡山・福山地区の快速列車サンライナーに充当されたのですが、

すでにサンライナーとしての運転が京阪神の新快速として運転された期間の倍以上となっています。

 

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倉敷~岡山間はノンストップで、走りも新快速時代を彷彿とさせるものです。

 

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19:35。倉敷から13分で岡山に到着。

出発地の高松までは快速マリンライナーで1時間ですが、

 

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今回は岡山駅西口直結のANAクラウンプラザホテルに宿泊します。

いつも筆者が鉄道旅行で利用しているホテルに比べると「高級」に類するホテルですが、SFC(ANA の上級会員) の特典などでお得に宿泊できることを知り利用してみることにしました。

宿泊記はこちらです。

 

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【特定市内特例で990円】臨時快速「庄原ライナー」乗車記(広島10:05→備後庄原11:56)

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高松からマリンライナーと山陽新幹線を乗り継いで広島に到着。

 

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10月23日に2018年夏の水害から1年以上を経て全線復旧を果たした芸備線で12月8日まで運転されている臨時快速列車「庄原ライナー」に乗り継ぎます。

 

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庄原ライナーは定期列車の「みよしライナー」のダイヤで三次まで行き、そこから臨時延長運転という形で備後庄原へむかいます。

 

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車両はキハ47の2両編成で「みよしライナー」として運転されているものと同じです。

 

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入線前からホームには行列が出来ていましたが、ボックスシートに2~3人程度の着席率に落ち着きました。

 

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さて今回山陽新幹線からの乗り継ぎで備後庄原まで向かうために用意した普通乗車券は写真の2枚です。

一見すると広島~井原市間が抜けたキセル乗車のようですが、

 

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JR の旅客規則で東京23区内(東京)、札幌市内(札幌)、仙台市内(仙台)、横浜市内(横浜)、名古屋市内(名古屋)、京都市内(京都)、大阪市内(大阪)、神戸市内(神戸)、広島市内(広島)、北九州市内(小倉)、福岡市内(博多)の駅を発着地とする片道201km 以上の乗車券は、

それぞれの()内に記載の中心駅を発着するものとして扱われることになっています。

言い換えれば中心駅までの乗車券があれば(券面は「~市内」と表記)、その市内区間は途中下車しない限り有効ということになります。

 

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市販の時刻表にはそれぞれの市内駅が明記されており、それによれば芸備線の場合、広島駅から13駅も先の井原市駅までが広島市内の駅にふくまれていることがわかります。

 

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広島から井原市までは37.1kmあり、芸備線の主要駅三次までの68.8km半分以上が広島市内というのは驚きです。

ちなみに広島で途中下車して三次までの切符を買い直すと1340円ですが、井原市から三次までを別買いすると590円で済みます。(備後庄原までは990円です)

東からの場合、201km 以上の要件に該当するのは、概ね兵庫県以東と四国内となりますが、それらの地域から芸備線三次方面を目指す場合は知っておいて損はないでしょう。

 

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さて快速列車の庄原ライナー(通常ダイヤの「みよしライナー」)ですが、広島を出ると5駅目の下深川までは各駅に停車します。

写真は最初の停車駅矢賀駅です。

対向列車の向こうには新幹線の車庫への引き込み線が見えています。

 

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快速列車が下深川まで各駅に停車するのは沿線人口が多い広島近郊区間のフリークエンシー確保が狙いのようです。

この区間の沿線ニュータウンは昭和後期に開発されたものですが、広島駅が広島の繁華街から離れていることもあり、

住民の足はバスが中心で、

国鉄芸備線は三次など内陸の都市へ向かうためのものという位置付けで近郊輸送にはあまり活用されていませんでした。

それがJRになるとラッシュ時10分程度、日中20分毎まで列車が増発され、バス利用の一角を切り崩すに至ったというのが最近までの状況でした。

しかし近年では日中のダイヤが30分毎に改悪されるなど後ろ向きの施策も見られるようになっています。

バスに押し返されたというよりは沿線ニュータウン自体が高齢化などで活気を失いつつあるのではないでしょうか。

 

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下深川に到着。

広島から14.2km 約20分ですが、広島近郊区間はここで一区切りとなります。

この程度の距離の都市圏輸送であるがゆえに長らくバスが主役でいられたのかもしれません。

快速列車はこの先主要駅のみ停車で内陸の三次へ急ぎます。

 

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下深川を出ると2018年夏の水害が深刻だった区間に入ります。

復旧された鉄橋の脇には全線復旧を祝う横断幕も見えましたが、

違う場所では川をまたぐ道路橋が途中で途切れ、その少し下流には流された構造物がそのままになっているというところもありました。

ライフラインの復旧を優先させた結果でしょうが1年以上が経ってなおそのような状況であることに驚かされました。

 

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志和口駅を出てると広島市内最北の井原市駅は通過。

このあたりまで来ると沿線にはのどかな田園地帯が広がります。

 

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井原市の次の向原に停車し、下りの快速「みよしライナー」と行き違い。

芸備線は広島へ向かう方向が「下り」です。

 

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向原の次は甲立に停車。この駅にも全線復旧を祝う横断幕がありました。

この付近の拠点は三次であり駅の利用者も三次駅が多いのですが、三次~広島には高速バスも運転されており、鉄道が水害で寸断されて本当に困っていたのは、甲立のような途中の小さな駅の利用者だったのかもしれません。

 

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11:26。甲立から16分、広島から1時間21分で三次に到着。通常ダイヤではここが終点となります。

 

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三次市の人口は約5万人で広島県北部の拠点となる都市です。

瀬戸内側の広島県から分水嶺を超えて日本海側の島根県に至るというイメージがありますが、三次市内を流れるのは島根県江津市で日本海に注ぐ江の川です。

 

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三次駅は江の川沿いに江津に至る三江線の始発駅でしたが2018年に廃止され、

駅から広島・江津方向をみると踏切をわたる自動車の向こうに路盤だけが残されていました。

 

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三次駅で4分停車した後、11:30分、臨時快速列車として備後庄原に向けて発車。

車内はボックス席に1人程度という空き具合でした。

 

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三次から終点の備後庄原まではノンストップです。

3駅目の塩町駅では福山方面への福塩線が分岐。

 

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三次以南にも増してのどかな風景の中を列車は思いのほか軽快な速度で走行します。

 

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三次発車後に車掌さんから記念乗車証と記念品の配布がありました。

 

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三次から約25分で庄原の街並みが見え、

 

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11:56。終点の備後庄原に到着。

 

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いまでは閑散ローカル線になってしまった芸備線の三次以北ですが、平成初期までは木次線経由で広島と松江・鳥取方面を結ぶ急行列車が運転されるなど、陰陽連絡の使命をになっていた区間でもあります。

駅の利用者や列車の本数に比して広大な備後庄原駅の敷地は無言のうちにその経歴を語っているかのようです。

 

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駅舎も立派なものですが、駅前の整備にともない建て替えられるのでしょうか。

 

 

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駅前工事の完成図の看板が立っていました。

 

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駅前にたつ古い建物は地方銀行の支店のようですが、玄関には地元バス会社「備北交通」の社名がありました。

 

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さて備後庄原駅の近くには広大な備北丘陵公園などがありますが、乗り継ぎの13:37発の備後落合行の発車までに徒歩で往復するには遠く、駅から10分ほどの上野総合公園まで散歩することにしました。

 

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上野総合公園は上野池という池のほとりに設けられた公園で春には桜が美しいことで知られているようです。

 

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秋のシーズンの来園者は多くないようでしたが、紅葉も美しい静かな公園でした。

 

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桜のシーズンだけ営業するのでしょうか。売店の建物もありました。

庄原ライナーという臨時列車がなければ備後庄原という駅で降りることもなければ、この公園を訪れることもなかったかもしれず、

他にもそういう人がいるのであれば、訪問者にとっても庄原に住む人にとっても(臨時列車の運転は)よかったのではないかと思いながら駅に戻りました。

つつきはこちらです。

 

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快速マリンライナー12号グリーン車と山陽新幹線さくら547号(高松7:48→広島9:33)

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今回はJR 四国高松駅から、2018年の水害から1年以上を経て10月23日に全線復旧を果たしたJR 西日本芸備線の乗り歩きに出かけます。

 

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全線復旧後のダイヤは水害前とほぼ同じですが、12月8日までの期間限定で広島~三次の間で運転されている快速「みよしライナー」が、「庄原ライナー」として備後庄原まで臨時延長運転されていることを知りました。

「どうせ乗りにいくなら」ということで、広島10:05の発車に間に合わせる方法を検討、

岡山、福山などでの前泊も考えましたが、普通運賃に追加でかかる金額を考えれば、素直に早朝の快速マリンライナーと新幹線を乗り継ぐルートが一番良いだろうという結論になりました。

 

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マリンライナーは5両編成のうち高松寄り1両が2階建車両になっており、階下が普通車指定席、階上がグリーン車指定席になっています。

普段は階下の指定席を愛用していますが、今回はJR 西日本の予約システム5489で、残席数に余裕のあったグリーン車を利用することにしました。

 

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入口にある車内略図。

階上と高松寄りの展望席がグリーン車、階下と岡山寄りの平屋部分が普通車指定席となっています。

 

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2階席の様子。

首都圏の普通列車グリーン車とほぼ同等ですが、こちらは指定席のため青春18切符は使用できません。

 

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階下の普通車指定席もリクライニングシートが並んでいますが、ピッチが若干広いこと、テーブルがあることなどが相違点です。

 

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快速マリンライナーについては、JWEST 会員(JR 西日本が発行するクレジットカードJWEST カードを発行すると)普通車指定席券、グリーン券とも半額以下で購入できます。

今回もこの特典を利用して岡山まで470円の追加でグリーン車に乗車しています。

 

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JR四国の本社ビルを横に見て高松駅を発車。

 

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最初の停車駅は坂出。

坂出からは時間帯を問わずまとまった乗車がありますが、グリーン車については高松~岡山を乗り通す客が大部分ということが多いようです。

 

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坂出を出ると高架のデルタ線を通り瀬戸大橋へと進みます。

 

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約9Kmの瀬戸大橋を渡ると児島に停車。

長いトンネルを抜け次の停車駅「茶屋町」が近づくと児島湾の干拓地が車窓に広がり、東から宇野線が合流します。

 

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岡山県内の停車駅は岡山への通勤・通学などの乗車が多く、マリンライナーは高松寄りに比べ岡山寄りの方が混雑する傾向にあります。

新幹線乗り継ぎなどで岡山から高松を往復するときは岡山からの便のみ指定席券を購入していれば往復とも座れる可能性が高いのではないでしょうか。

 

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山陽新幹線をアンダークロス、地平の山陽本線オーバークロスして岡山駅に進入します。高松からの所要時間は多くの便で55分程度です。

 

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8:45。岡山駅8番線に到着。

 

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中国地方においては、駅の利用者数では広島駅が岡山駅を上回りますが、

岡山駅の場合、駅利用者数にカウントされない、山陰からの特急「やくも号」や四国からの特急「しおかぜ号」「南風号」と山陽新幹線を乗り継ぐ客が非常に多く、改札内の活気では岡山の方が上回っている印象があります。

 

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今回岡山から広島まで利用するのは九州新幹線直通のさくら547号です。

 

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9分の乗り換え時間がありましたが、ほとんどホームで待つことなく「さくら547号」が入線。

九州新幹線には、山陽新幹線にはない急勾配区間が存在することなどが理由と思われますが、九州新幹線に直通する列車は全てJR九州の新幹線車両での運転となっています。

山陽新幹線直通用の車両はJR 西日本やJR 東海の車両にくらべ「青味がかった」塗装になっており、外見で容易に区別できます。

 

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山陽新幹線と九州新幹線の直通が始まったのは東日本大震災の翌日2011年3月12日ですでに8年以上になります。

博多での特急料金通算がされず割高な印象もありますが、熊本・鹿児島とも空港が市街地から遠いことや、各種割引切符の発売で利用者数は堅調に推移しているようです。

 

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山陽新幹線で九州新幹線に直通する「みずほ号」「さくら号」に乗車するときは指定席がおすすめです。

自由席が通路をはさんで2列3列のシート配置になっているのに対し、指定席はグリーン車と同じ2列2列の配置で横幅に余裕があるほか、木目を多様した高級感のあるインテリアも手伝って

「もっともグリーン車に近い普通車」と言われることもあるようです。

 

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さくら547号の岡山~広島間での停車駅は福山のみです。

福山駅のホームの向こうには福山城の天守閣が見えています。

 

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福山で行き違った上りこだま号はハローキティーラッピングの500系でした。

国内初の300km運転を実現した500系の登場は1997年のこと。この車両の活躍をみられるのもあと少しと思われます。

 

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三原を通過して間もなくで「あと10分少々で広島に到着します」と車内放送が入り新幹線の早さを改めて実感しました。

写真は東広島駅付近の車窓です。

付近には広島空港があります。

部外者が地図だけ見れば、山陽新幹線から数キロの支線で空港に到達でき、20分かからずに空港と広島駅の間を走行できそうに思いますが、対東京輸送で「敵に塩を送る」ことになる懸念があるのでしょうか

(新幹線トンネル内と空港の高低差など他に理由があるのかもしれません。)

 

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東広島駅付近から勾配を下り平野に抜けると広島駅はすぐです。

 

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9:33。岡山から39分で広島に到着。

 

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広島駅は近年のリニューアルで様相が大きく変わり、うっかり改札外へ出てしまうところでした。

今回は大都市特例を利用して芸備線広島~三次間の半分以上を乗車する切符の買い方をしているだけに、ここで改札外に出るわけにはいきません。(詳細は次の記事に記載します。)

 

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広島駅にあった乗車予定の庄原ライナーの広告。

つづき庄原ライナー乗車記はこちらです。

 

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【神姫バス】神戸三宮バスターミナルと出雲市行「ポートレイク号」乗車記(神戸三宮8:00⇒松江駅11:55)

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神戸市中央区。JR三ノ宮駅東口から高架に沿って200mほど東に進んだ場所にある、神姫バス神戸三宮バスターミナル。今回はここから高速バス「ポート・レイク号」で島根県の松江へ向かいます。

神姫バスは姫路に拠点を置き兵庫県南部一帯に路線網を持つバス会社ですが、姫路駅、明石駅、神戸市営地下鉄西神中央駅などを拠点とする短距離路線バスに対し、神戸三宮バスターミナルを発着するのは高速道路経由の中長距離路線がメインです。

 

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神戸三宮バスターミナル発着の中長距離のバス路線は、これから乗車する「ポート・レイク号」を含む、淡路島・中国四国方面への長距離路線「高速バス」と

 

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神戸電鉄沿線などへ向かう終点まで30km~50km程度の中距離路線「一般バス」(路線バス)に大別されます。

 

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座席定員制が中心の一般バス(路線バス)利用者は写真右のレーン、座席指定制が多い高速バスの利用者は写真左のレーン(ベンチの向こう)からバスに乗車するよう区分されています。

 

 

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それぞれのレーンの先端には、写真のような発車案内が設置されています。

 

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概ね発車10分前になると乗場が表示され、

 

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高架下に縦列駐車するバスの間を通り抜け指定の乗場へ向かいます。

昭和の時代から変わらないこのバスターミナル独特の光景です。

 

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乗り場に設置された表示板とバス車体後方の表示で行先を確認し、前方扉から乗車します。

 

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前面道路から見た発車前のポートレイク号。

 

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車内は最後方のシートも含め独立3列シートで長時間の乗車でも快適に過ごすことができます。

 

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足元の余裕も充分です。

 

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座席にはコンセントがあるほか、車内中央右手のトイレ付近には「おしぼり」と神戸三宮バスターミナルを発着する高速バス路線の時刻表が備えられていました。

 

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セルフサービスでブランケットを借りることもできるようです。

 

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8時定刻に三宮バスターミナルを発車すると約5分程で新幹線新神戸駅付近から六甲山を貫く新神戸トンネルに入ります。

 

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 約7kmの新神戸トンネルを抜けると阪神高速北神戸線、六甲北有料道路と進み、8時30分頃神戸三田インターで中国道に合流しました。

写真は六甲北有料道路からみえる神戸市北区のニュータウンです。

神戸電鉄やJR 福知山線を利用して神戸・大阪の都心への通勤することを視野に入れた開発ですが、

神姫バスは乗車中のポートレイク号と同じ経路で、先述の三宮バスターミナルとニュータウン内を直接結ぶ路線を多数運行しており神戸電鉄と競合状態になっています。

 

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神戸三田インターから中国道を快調に走り、約40分で兵庫県宍粟郡の中心に近い山崎インターを通過。

写真中央には神姫バスの分社会社ウエスト神姫の車庫が見えています。

このあたりは姫路との結びつきが強い地域ですが、ウエスト神姫が運行する山崎と神戸三宮を結ぶ高速バス路線は人気路線に成長し増発が続いているようです。

 

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今回は兵庫県の西端に近い佐用インターの手前で車線規制を伴う工事が行われており渋滞が発生していました。

 

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下り線2車線のうち1車線を上り線として使用し、本来の上り線を修繕しているようです。

先月鳥取から姫路へ向かう高速バス「プリンセスバード号」では上り線でこの工事渋滞にはまり姫路到着が45分遅れとなりましたが、今回は10分程で渋滞を抜けることができました。

 

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10分程度の遅延は吸収できるダイヤになっているようで、三宮発車時の予告通り9時52分に津山インターの手前に位置する勝央サービスエリアに到着。15分のトイレ休憩となりました。

なお乗務員さんは休憩ではなく「交代」となるようです。

首都圏と関西を結ぶJRの夜行高速バス「ドリーム号」では、途中静岡県の三ヶ日インター付近での乗務員交代が伝統のようになっていますが、日中の4~5時間程度の路線での乗務員交代は珍しいのではないでしょうか。

安全性という点では好ましくても、鉄道にくらべ遅れが発生しやすいバスでこのようなシフトを組むのは大変かもしれません。

 

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昭和のうちに全線開通した中国道のサービスエリアは古びた施設が目立ちますが、中を覗くと多種多様な土産物・特産品が並びレジには常時行列ができるなど活気がありました。

 

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手短に用事を済ませ、シートベルトをして発車を待ちます。

 

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勝央サービスエリアを出発して津山の街を過ぎると、沿道にはのどかな田園風景が広がります。交通量も西へ進むにつれ減っているようで、この付近なら車線規制を伴う工事をしても度々渋滞が発生することはないのではないでしょうか。

 

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落合ジャンクションで中国道を離れ米子道に入ります。

 

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中国道と鳥取県西部、島根県方面を結ぶ米子道からは、かなりの距離にわたり「大山」の美しい姿を見ることができますが、今日は雲に覆われ裾野だけが見えている状態でした。

 

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中国山地を縦断し日本海側の平野に抜けると米子道は山陰道と合流。前方には米子の市街地が見えています。

 

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山陰道に入ってから車内でスマホを検索していると、写真のような広告に行き当たりました。

現在乗車中の神戸と松江・出雲市を結ぶポートレイク号や日本交通が運行する大阪・神戸~米子の高速バス路線はJRの山陽新幹線および伯備線経由の特急やくも号と競合しています。

JRの場合、新大阪・新神戸から山陽新幹線で岡山まで行き特急やくも号に乗り継いで米子・松江まで行くと運賃・料金は10000円以上になりますが、

14日前まで・席数限定とはいえ、このスーパー早得きっぷを使うと半額以下の5000円程度まで値引きになるようです。

一方バスの運賃については、ポートレイク号の場合、神戸~松江では閑散期の「早売5」が最も安く3800円、最繁忙期の5500円が最高額となっています。

このような状況は一見すると「早いが高いJR特急や新幹線」と「時間はかかるが安い高速バス」の競合の構図に見えますが、阪神地区~米子・松江に限れば、両者の所要時間の差はわずかです。

一例として乗車中のポートレイク号は神戸三宮を8:00に発車し松江駅には11:55に到着します。

同じ時間帯のJRについて調べてみると、新神戸発8:17の山陽新幹線さくら547号の岡山到着が8:53。岡山発9:04の特急やくも5号の乗り継ぐと松江着は11:40となります。

JRは高速バスに対し「17分遅く出発して15分早く着く」計算になりますが、出発地は神戸の繁華街「三宮」から離れた新神戸駅であり、移動時間を考えれば実質的な所要時間差は10分ほどでしょう。

これは大げさにいえば岡山経由のJRは直角三角形の二辺をたどる迂回ルートになっているのに対し、米子道経由のバスは斜辺をショートカットするようなルートになっているため、高速バスが新幹線を含むJRと所要時間で互角の勝負ができているということのようです。

なおJRについていえば、京阪神と鳥取を結ぶ特急スーパーはくと号が三ノ宮と鳥取を最速2時間7分で結んでおり、これに山陰本線の特急スーパーまつかぜ号の鳥取~松江の所要時間(最速1時間21分)を足すと、三ノ宮~松江は岡山経由と同等の3時間28分で直通できる計算になります。

この場合は途中駅での乗り換えが不要となるだけではなく、運賃・料金も岡山経由より大幅に安くなるはずであり、直通運転をすれば「高速バスに大きな顔をさせない」だけの戦力になりそうですが、

「新幹線に誘導したい」というJRの「食い意地」が高速バスに活路を与えているとすれば皮肉な話だという印象を受けます。

 

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さてポートレイク号は山陰道を出て松江市内に入りました。県庁所在都市では人口の少ないほうから数えたほうが早い松江市ですが、中心部の道路や街並みは美しく整備され、来訪者に都会的な印象を与えています。

 

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定刻11時55分に対して5分ほど遅れて松江駅前のバス停に到着。バスはこのあと山陰道に戻り終点の出雲市を目指しますが、ここで半数程度の客が下車したようでした。神戸三宮から4時間の乗車でしたが、中間に15分の休憩があることや満席でも隣の席の人と干渉しない独立シートのおかげで車内は非常に快適でした。

神姫バスの高速バス車両は中国四国地方の各地で見かけるようになりましたが、誰がどうやって運んだのか、島根県で神姫バスのバス停ポールを見かけることになるとは思っていませんでした。なおこのポールが島根まで遠征しているのには事情があります。

 

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最後になってしまいましたが、この路線を利用するときの注意点があります。

ポートレイク号は中国JRバスと神姫バスとの共同運行になっていますが、松江では中国JRバスは駅前バスターミナル9番乗り場、神姫バス運行便は松江駅北口正面から伸びる道路上(ローソン前)に発着します。

神姫バスの神戸側のターミナルは先述のようにJRの高架下であり、また国鉄バス時代から大阪と津山を結ぶ中国高速線と共同運行してきた実績もあって、部外者にはJRとの関係が良好なバス会社というイメージがあるのですが、乗り場を統一できないのには何か理由があるのでしょうか。

現状では松江駅から神戸方面へのポートレイク号に乗車する場合は乗り場に十分な注意が必要です。(神姫バスの乗り場は松江駅北口から地下道を通って5分ほどかかります。)

 

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寝台特急サンライズエクスプレス瀬戸号乗車記(シングル個室利用 東京22:00⇒高松7:27)

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特急サンダーバード号で大阪駅を発ってから3日目の夜。21時30分。

今回の鉄道旅行は東京駅発22時の寝台特急サンライズエクスプレス号で締めくくりです。

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天井装飾が見事な東京駅丸の内北口。

 

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東京発のサンライズエクスプレス号は東京から四国高松へ向かうサンライズ瀬戸号7両編成と山陰出雲市へ向かうサンライズ出雲号7両編成を併結した14両編成で東京駅を出発し翌朝6時27分着の岡山駅で2つの列車に分割。

サンライズ瀬戸号は瀬戸大橋を渡り7時27分に高松駅に、サンライズ出雲号は伯備線経由で日本海側へ抜け9時58分に出雲市駅に到着します。

今回はサンライズ瀬戸号で終点の高松へ向かいます。

(東京行きの上りは出雲市発18時51分、高松発21時26分で東京には翌朝7時08分に到着します。

 

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発車20分程前にサンライズエクスプレス号が入線。

 サンライズの車内は、4種類の個室とカーペット敷のノビノビ座席で構成されており、すべて事前に指定券を購入する必要があります。

今回は4種類の個室のうち最も部屋数の多い「シングル」を予約しています。

 

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指定の車両は1号車ですが4号車から乗車し3号車に通り抜けました。

サンライズ瀬戸号(前7両)の3号車、サンライズ出雲号(後ろ7両)の10号車には写真のようなミニロビーやソフトドリングの自販機、シャワー室などが集められた区画があります。

 

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シャワーはシャワー室の横にあるシャワーカードを購入して利用する仕組みになっており、その発売枚数には制限があります。

指定の1号車ではなく4号車から乗り込んで3号車に通り抜ける(3号車からだと車内で3号車1両分を歩く必要があります)という手の込んだことをしたのは、このシャワー券を確実に購入するためでした。

 

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シャワーカードは1枚330円。シャワー使用後もカード自体は返却されるので乗車記念にもなります。

注意点としてはシャワー室が東京駅発車直後は混雑すること。タオルの自販機や車内販売はないため事前に用意する必要があることが挙げられます。

なお4種類の個室のうち最上級の「シングルデラックス」については個室内にタオルなどのアメニティとシャワーカードが用意されています。

 

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無事シャワーカードを購入できたので指定の1号車8番の「シングル」個室へ向かいます。

サンライズ号に使用される車両の特徴は瀬戸号の3号車、5号車。出雲号の10号車、12号車を除く、10両が2階建てになっていることです。

シングル個室の場合ほとんどが2階建て車両にあり、デッキの表示で自分の部屋が階下か階上かを確認して、

 

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階段を登り降りして指定の個室へ向かいます。

 

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指定の8番は階下でした。

 

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入り口から見たシングル個室。

室内の大半をベッドが占めていますが、若干の床面と立ち上がることができる天地方向の寸法がありカプセルホテルより快適といえます。

 

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奥を頭にして寝ることが前提のようで、室内灯のスイッチや目覚まし時計などの操作パネルが壁面に埋め込まれています。

 

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足元となるドア側には小さなテーブルとミラー、コンセントが1口ついています。

テーブルには備え付けのコップがありました。

 

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多くのカプセルホテルと違い、任意に設定した4桁の暗証番号でドアを施錠できるようになっています。

 

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気になる価格ですが、シングル個室利用の場合、東京~高松で乗車券が11540円、特急券と寝台券(個室料金)が11000円で計22540円(写真の切符は特急券・寝台券が消費増税前の価格、乗車券が増税後の価格になっています。)

なおサンライズ出雲の場合、松江駅および終点の出雲市までの乗車券が12210円、特急券と寝台券(個室料金)は同額の11000円で計23210円となります。

 

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なおワンフロアで上下2室を互い違いに配置したソロ個室は、上階や下階の一部が室内にはみ出し天地も十分ではありませんが、寝台券(個室料金)はシングルより1100円安い6600円となっています、

 

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こちらは最上級の個室シングルデラックスの室内です。(2014年7月乗車時の写真)

個室料金は13980円とシングル個室やソロ個室の倍近くしますが、広さや快適性は別格です。室内にはデスクにチェア、洗面台などが備わり面積もゆったりしています。

個室料金は倍近くかかっても乗車券は、どの設備を利用しても同額であり、シングル個室でも東京から出雲市や高松まで20000円以上かかることを考えれば「1度乗ってみたい」という方には、筆者としてはこのシングルデラックス個室の利用をお勧めします。

また個室料金は乗車距離・時間にかかわらず同額のため、終点出雲市の到着が9時58分と遅く朝の時間が長いサンライズ出雲号では、この個室に投資する価値が高いといえそうです。

 

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シングルデラックス車内写真。この写真を撮影したときもサンライズ出雲号でした。(設備はサンライズ瀬戸号も同一です。)

 

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先述のアメニティセット(2014年7月乗車時のものです。)

 

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階下の個室から眺める東京駅のホーム。個室からの眺めは階上の個室に軍配が上がることは間違いなさそうです。

眺め以外については、筆者の個人的な感想としては、揺れは階下のほうが少なく、走行音は階上のほうが小さいような気がしますが、階下と階上の比較においては、いずれも決定的な差ではないと思います。

なお2階建て車両ではないサンライズ瀬戸5号車とサンライズ出雲12号車は、大半がカーペット敷のノビノビ座席になっていますが、その車端部にもシングル個室があります。

これは「平屋シングル」などといわれ、2階建て車両の階上、階下のシングルと同額で利用でき、天地寸法が大きく窓の湾曲もないことから写真では快適そうに見えますが、一度利用して「車端部はよく揺れる」という鉄道車両の特性を痛感することになりました。

 

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少し遅れて東京駅を発車。

建物内から花火を楽しむ要領で、個室の室内灯を消し車窓を流れる都会の夜景をしばし眺めて過ごします。

 

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就寝前に空いていれば利用しようと思いシャワー室へ行ってみると、「使用中」でしたが次を待つ人はおらず、5分ほどの待ち時間で利用することができました。

更衣室にある操作パネル。使用後は青いボタンを押して室内を洗浄します。

 

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湯が出る時間は6分間。途中で湯を止めるとカウントダウンも止まるため、それほど時間を意識せず使用することができます。

 

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0時頃にシャワー室から個室にもどりベッドに横になるとすぐに寝てしまい、目覚めたのは東の空に夜明けの気配を感じる姫路駅を発車するところでした。

サンライズ号は東京を出ると、横浜22:24、熱海23:23、沼津23:40、富士23:54、静岡0:20、浜松1:12の順に停車します。

浜松を出ると乗務員の交代を除き、翌朝5:25に到着する姫路駅まで止まりません。

 

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姫路の次の停車駅は岡山。

サンライズ号のネーミングと車体の色は、日の出のタイミングで赤味を帯びる空の色をイメージしたものです。

岡山駅が近づくと車内放送が再開され、列車の運転状況(遅れの有無)とサンライズ瀬戸号とサンライズ出雲号の切り離し準備のため車内の通り抜けができなくなることなどを告げられます。

 

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夜は賑わっていたミニロビーやシャワー室も朝は閑散としていました。

朝の時間が長いサンライズ出雲号では朝にシャワー室を利用するのも良いかもしれません。

 

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6時30分過ぎ10分程遅れて岡山駅に到着。

遅れの原因は夜間走行中に踏切の安全点検が行われたためとのことでした。

在来線を長距離走行するサンライズ号は日中の特急列車や新幹線にくらべ遅れが発生する確率が高いというのは事実のようです。

 

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列車の分割や連結は大都市近郊などでは頻繁に見れれるはずですが、サンライズ瀬戸号とサンライズ出雲号の切り離しは乗客にとっては「朝の儀式」扱いで、カメラを構えた多くのギャラリーが見守る中で行われていました。

なお岡山駅のホームでは売店が営業中です。終点までの行程が長いサンライズ出雲号の乗客にとっては岡山駅停車時間が食料購入の貴重な時間となります。

 

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この日はサンライズ号が遅れていたため後発の高松行快速マリンライナーを先に通してからサンライズ瀬戸号が発車、瀬戸号の後ろに連結されているサンライズ出雲号の発車はさらにそのあととなりました。

 

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サンライズ瀬戸号は岡山から宇野線に入り約20分で児島駅に到着。

 

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瀬戸内海を望む児島駅はJR西日本とJR四国の境界駅で乗務員の交代が行われます。サンライズ出雲号は東京から出雲市までJR東日本、JR東海、JR西日本の3社の路線を走行しますが、運転距離が短いサンライズ瀬戸号の方はJR四国が加わり4社またがりとなるのは興味深いところです。

 

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児島駅を発車して間もなくで瀬戸大橋を渡り列車は四国へを歩を進めます。

 

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香川県に入り、この地域特有の綺麗な三角錐の形をした俗称「おにぎり山」が車窓に見えると、まもなく終点高松到着の車内放送が流れます。

 

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7時40分ころ、約15分遅れて高松駅6番線に到着。乗車日は琴平への臨時延長運転が実施されていました。

 

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東京から9時間半をかけての到着ですが、普段とかわらない時刻にベッドで就寝し途中目覚めることもなかったため、まったくと言ってよいほど疲れを感じませんでした。

20年前のサンライズエクスプレス号運転開始当初には、特にサンライズ瀬戸号のダイヤについて、最終のフライトより後に東京を発って、朝一番のフライトより先に到着できるということが強調されていました。

現在の羽田から高松への航空ダイヤに注目すると、羽田発の最終は20時発のJAL487便で高松到着が21時20分。朝一番はJAL475便で羽田発7時40分、高松到着は9時となっており、サンライズ号を利用すると概ね2時間遅くまで東京都心に滞在でき翌日は2時間早く高松市の中心に立つことができる計算になります。

都心で仕事を終えて東京駅22時発のサンライズ瀬戸号に乗車することは容易でも、郊外の自宅から羽田発7時40分のフライトに間に合わせるのは大変という方も少なくないはずです。

観光利用ではサンライズ瀬戸号よりサンライズ出雲号のほうが人気があるようにも見えますが、瀬戸号のビジネス利用というのはもっと宣伝されてもよいのではなかと感じました。

大阪から3泊4日、11頁にまたがった旅行記は朝の高松で終了です。

最後までお読みいただきありがとうございました。(下に1~10ページまでの記事を添付しておきます。)

 

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