西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

徳島→高松200分 路線バス乗り継ぎ旅行


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 今回はJR徳島駅から、お隣香川県の高松駅へ向かう話です。徳島と高松はおよそ75キロ離れており、移動手段としてはJR高徳線の特急「うずしお」や普通列車、高速バスなどがありますが、今回は路線バスを乗り継いで行きたいと思います。


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徳島駅発7時30分の徳島バス小鳴門橋行で出発します。


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 徳島駅からの乗車は10人程度でした。


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 徳島・鳴門間のバスは多くの経路があり所要時間もそれぞれ違います。運転本数はトータルで1時間に2~3本程度です。


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 徳島駅を発車して約10分で吉野川大橋にさしかかります。四国三郎の異名を持つ大河「吉野川」の河口近くに架かる橋で橋長は1137mもあります。


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 水量も豊富で海峡を跨いでいるような感覚です。

 

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 徳島市を抜け松茂町に入ると片側3車線のバイバスから旧道にはいります。写真は免許センター停留所付近。免許センターは旧徳島空港ターミナルビルで、ここから空港へ徒歩アクセスが可能でしたが、現在の空港ターミナルビルは滑走路の反対側へ移転しており、徳島駅から徳島空港へ向かう場合は、空港行または空港経由の路線バスに乗車する必要があります。


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 松茂町から鳴門市へ入るあたりから乗車が目立ち乗客は15人程になりました。


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 徳島駅から鳴門駅までは460円でした。JRは360円ですが、同じ距離の路線バスの運賃としては安い部類に入ると思います。


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 定刻の8時03分に遅れること5分、鳴門駅前に到着、香川県の引田へ向かうバスに乗り継ぐためここで下車します。乗車してきたバスの終点「小鳴門橋」は阪神方面への高速バスの「高速鳴門」バス停に近く乗り換えが可能です。


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 目の前の鳴門駅には、徳島駅からの列車が到着するところでした。この列車の徳島駅発車は7時31分。ここまで乗車してきたバスとほぼ同時に徳島駅を出て、鳴門駅到着もほぼ同時だったことになります。ローカル線とはいえ鉄道の方が早いのですが、路線が西へ迂回しているため、このような結果になるようです。


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 JR鳴門駅は高徳線の池谷から分岐する鳴門線の終点です。列車は1時間に1本程度の運転で大半が徳島駅まで直通運転になっています。

 


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 鳴門駅前のバス乗場。大塚美術館などの観光地へはここからバスまたはタクシーで向かうことになります。なお徳島駅からのバスの一部は、ここ鳴門駅を経由して美術館方面へ直通しています。


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 バス乗場の内部。通常の待合室の奥は「足湯」になっていました。


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 営業は9時からで利用はできませんでしたが、鳴門の駅前にこんな施設があることを初めて知りました。


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 30分程のインターバルを経て8時35分発の引田駅・翼山温泉行のバスに乗車します。翼山温泉は終点の引田駅近くにある日帰り利用もできる温浴施設のようです。

 鳴門駅からの乗車は3人程度。引田駅まで入れ替わりはありましたが終始3人から5人程度の乗客数でした。この路線は最近まで鳴門市営バスが運行していましたが、現在は鳴門市から委託を受けて徳島バスが運行する形になっています。


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 鳴門市街を抜け、国道11号線に出たあたりで、対向のバスとすれ違い。鳴門~引田路線は概ね1時間に1本の運転です。


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 JR高徳線や高松自動車道は、内陸部の山越え(トンネル)で徳島、香川の県境を超えますが、国道11号は播磨灘沿いを迂回します。今日は水面に白波が立っているのがみえ、瀬戸内海の基準では「時化」の範疇に入るのかもしれません。


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 高松まで51キロ、引田まで11キロ。まだ全行程の3分の1程度です。 


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 海岸から少しだけそれる箇所があり、そこが徳島と香川の県境になっています。


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 内陸で山越えをしてきた高徳線の線路が見えるとまもなく引田駅に到着です。  


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 引田駅までの運賃は640円でした。


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 鳴門駅から約40分。9時15分ほぼ定刻に引田駅に到着しました。


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 翼山温泉へ向けて走り去る徳島バスの右手の車庫に並んでいる緑のバスが、ここから乗り継ぐ大川バスの車両です。


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 JR高徳線引田駅は香川県東部のターミナルになっており、高松からの普通列車の多くがここで折り返します。

 高松駅から引田止まりの普通列車で到着した際に、徳島方面への足として、乗車してきた鳴門・引田の路線バスが有効活用できるのではないでしょうか。


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 引田駅はカフェドカンパーニュという洋食店を併設しています。


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 引田は香川県の東端、東かがわ市に属する小さな街ですが、駅から徒歩で行ける距離にスーパーやコンビニなどがあり、乗り継ぎ時間が長い場合でも困ることはなさそうです。


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 今回は10分接続で、9時25分発の高松駅行に乗り継ぎます。


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 引田駅からの乗客は5人程度。入れ替わりはありましたが終点の高松駅まで10人に届くことはありませんでした。 

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 引田駅から2つめの三本松駅では、国道を離れ駅前まで乗り入れます。三本松は、高松と徳島の中間に位置し東讃地方の中心にあたります。高徳線の特急「うずしお」もすべて停車します。


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 バスは三本松駅をすぎると高徳線の次の駅である丹生駅付近で、国道11号から分岐する香川県道10号に入り内陸を進みます。

 乗車した車両にはUSBポートが設置され、スマホなどの充電ができるようでした。高速バスではコンセントが標準装備になりつつあるようですが、路線バスでこのようなサービスを見たのは初めてです。


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 大川バス本社前のバス停は、琴電長尾線の終点長尾駅のすぐ近くで容易に乗り換えることができます。写真奥の白い建物が長尾駅。

 乗車している引田・高松線は、このように琴電とJR高徳線を連絡する機能を有しています。鉄道ファンの間では三重県のJR東海名松線と近鉄名張駅を結ぶバス路線などが有名ですが、ここも利用価値が高い路線だと思います。


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屋島の平坦な稜線が見え、高松が近づいたことを実感。


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 高松市の繁華街に位置する「ことでん」の瓦町駅に到着。


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 宇高航路を介して岡山へとつづく国道30号線を北上。


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 引田駅からの運賃は1000円。徳島駅からのトータルでは2100(460+640+1000)円でした。


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 長尾からは信号待ちや交通量が多くなり、高松駅前の路線バスターミナルには10分遅れの11時に到着しました。徳島駅からの所要時間は3時間30分でした。


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 徳島・高松間はJR高徳線を利用すれば普通列車でも2時間20分程で到達でき、運賃も1460円で済みます。

 そういう意味では、今回の乗り継ぎにどれほど実用性があるかは少々疑問ですが、公共交通の衰退が止まらない中、70km以上離れた2つの地方都市の間が、数百mおきにバス停がある純粋な路線バスで、それほど無理なく「つながる」というのは大変心強いことだと思います。

 全線乗車でなくても鉄道路線間の連絡・短絡、鉄道の便が少ない時間帯の補完などに積極的に路線バスを活用したいところです。

 最後に今回の乗り継ぎ旅行の簡単な地図とダイヤなどをまとめましたので、ご参考にしていただければと思います。f:id:nishiuraexp:20190317105535j:image

 

 

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米子・岡山間3000円。高速バス「ももたろうエクスプレス」に乗車。(岡山鳥取鉄道旅行4)

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(★文中記載の運賃は2019年10月時点のものに修正しています。)

 

手持ちの青春18切符が3日分余っているので、高松から⇒岡山⇒津山⇒鳥取⇒米子⇒(高速バス)岡山⇒高松の日帰り旅行を計画しました。

本記事は4回目で米子から高速バスとマリンライナーを乗り継いで高松に戻ります。

 

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米子駅前の高速バスのりばから、16時08分発の岡山行高速バス「ももたろうエクスプレス」に乗車します。

「ももたろうエクスプレス」は岡山駅から米子駅・松江駅などを経由して出雲市を結ぶ路線で、JRの特急「やくも」と競合関係にあります。

1日9往復の運転で、所要時間は岡山駅から米子駅まで2時間33分、松江駅まで3時間6分、出雲市駅まで4時間1分です。岡山駅から米子駅・松江駅までなら特急「やくも」と大きな差はありません。

 

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運賃は今回乗車した米子駅⇒岡山駅の場合、片道3500円・往復6400円ですが、WEB予約かつクレジットカード決済の場合、片道3000円で乗車できます。またWEB予約の画面で座席の選択も可能でした。

ちなみに特急「やくも」号は、普通運賃2640円・指定席特急券2730円で、計5370円となります。往復ではなく片道にかかる費用です。

岡山で新幹線に乗り継ぐ場合などは事情が変わってきますが、岡山から米子や松江へ向かう場合は、所要時間差を考慮しても、高速バスの方がコストパフォーマンスがよいといえるでしょう。

 

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乗車便の車内は一般的な4列シートでした。今回の乗客は20人弱で2人席を1人で使えたため非常に快適でした。

ただ今回利用した最前列1番のシートは、シートベルトが乗用車と同じ3点式になっており、2列目以降の腰の部分だけのベルトに比べると圧迫感がありました。

車内でゆったりしたい方は2列目以降の座席のほうが良いと思います。(なお「ももたろうエクスプレス」は5社共同運行のため車内の仕様は乗車便により違う可能性があります。)(写真はSA停車中に撮影)

 

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足元にはコンセントもついていました。

 

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福岡が空港に近い街なら、米子は高速道路に近い街だと思います。米子駅発車から5分程で山陰道上り線に入りました。

 

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山陰道の走行は数kmで、すぐに米子道に入り、進行方向は東から南にかわります。

 

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米子まで乗車した山陰本線の快速「とっとりライナー」では北から眺めた大山を、今度は西から眺めます。見る方向により形が違ってみえる山です。

 

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米子駅から40分弱しか経っていませんが、蒜山高原サービスエリアで10分間の休憩。始発の出雲市から乗車していると、このあたりが時間的な中間点になるようです。

すでに岡山県に入っていますが山小屋風の建物の後ろにはまだ大山が見えています。

 

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サービスエリアの道路インフォメーション。

蛍光灯が映り込んでいますがその左端付近が現在地(蒜山高原SA)です。

岡山までまっすぐ南下できず、東へ西へ迂回を強いられることがよくわかります。

 

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米子駅発車時には高速道路でのシートベルト着用義務化の放送だけではなく、航空機の離陸前のような着用チェックまであった一方、SAやバス停到着のたびにドアの前にステップがおかれるなど、他社ではあまり見られないキメ細かい配慮もありました。

このような「硬軟織り交ぜた」接客もあって、乗務員さんや運行会社としての「両備バス」のイメージは大変よいものでした。

 

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SA発車後、米子駅の「吾左衛門鮓」で購入した幕ノ内駅弁「伯耆物語」を広げ夕食にします。

 

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箱のデザインやおかずのバラエティ・ボリュームは高評価ですが、トレーは白より黒など濃い色のほうが高級に見えるかもしれません。

 

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駅弁を食べているうちにバスは米子道を南下、米子道の終点(起点)で中国道との合流点にあたる落合JCTに接近します。ここから中国道下り線を広島方面へしばらく走ります。

なお落合JCTは鉄道でいえばJR姫新線の中国勝山や久世に近く、特急「やくも」が通る新見などとはかなり離れています。

 

 

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中国道をしばらく西へ進み、北房JCTから岡山道へ進入。再び南に進路をとります。

 

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弁当と快適な走行のおかげで岡山道区間はほとんど寝ていました。写真は岡山道の終点(起点)である岡山JCTで、今度は山陽道上り線に合流するところです。

 

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山陰道上り⇒米子道⇒中国道下り⇒岡山道⇒山陽道上りと5つの高速道路を経由する複雑な経路を走った末、岡山インターで流出。時刻は18時12分、米子出発から約2時間での到着です。

 

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岡山インターを出るとすぐに岡山インターバス停に到着。

所定18時26分で10分ほどの早着でした。

大規模な駐車場を併設するバス停で、ここまで車で来てバスに乗り換える形での利用が主流のようです。

 

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岡山市内の一般道は渋滞していました。

 

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 18時41分、渋滞を時間調整に利用したかのように、ピタリ定刻に終点の岡山駅西口に到着しました。

特急「やくも」を応援したい気持ちもありますが、ほぼ半額の運賃で、乗り心地も「やくも」の381系より間違いなく快適、所要時間も20分ほどしか違わないとなれば、「今後もバスで良いかな」という結論になってしまいそうです。

 

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岡山から今回の旅の起点の高松へは、ほぼ鉄道一択です。少し待って19時12分のマリンライナーで帰路につきます。

マリンライナーの詳細については往路の記事(本記事の最後に添付)をご覧ください。

 

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20時07分高松到着。朝の出発から12時間が経過していました。

 

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青春18きっぷは残り2日分になりましたが、1日は津山の桜を含む次の行程(高松⇒岡山⇒津山(津山城 桜)⇒新見⇒総社⇒(井原鉄道)⇒神辺⇒福山(福山城 桜)⇒岡山⇒高松)に使い、もう1日は、おおさか東線やAシートなど関西圏の鉄道ネタに使おうかなどと考えています。(未定です)

 

 

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岡山鳥取鉄道旅行3 快速とっとりライナーから「大山」を撮る

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  手持ちの春の青春18切符が3日分残っているので、高松を起点に岡山⇒津山⇒鳥取⇒米子⇒岡山⇒高松と巡る日帰り鉄道旅行を計画しました。(米子⇒岡山は高速バス)本記事は3回目で、智頭から鳥取へ出て山陰本線の快速「とっとりライナー」で米子へ向かいます。

 

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 津山からの普通列車で到着して約5分で、折り返し12時56分発鳥取行となる列車が入線。智頭から鳥取まで全線がJR因美線ですが、智頭急行の車両での運転でした。

 

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 全国の第3セクター鉄道でよく見かけるボックス席の車内。掛け心地は悪くありません。

 

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 理由はいくつもありますが、国内の内陸部の古い鉄道路線は「例外なく」と言っても過言ではないくらい川に沿って敷設されています。分水嶺を越え、車窓を流れる川は鳥取の市街地を流れ日本海へ注ぐ千代川です。

 

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 若桜鉄道との分岐駅「郡家」に停車。

 

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 岡山を出発して以来4時間ぶりに「都市」の風景を目にすると、まもなく終点の鳥取に到着です。

 

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 鳥取駅前。鳥取駅の青文字の近くにアナログ時計があったと思うのですが撤去されたのでしょうか。

 

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 今回は20分の乗り継ぎのため訪問できませんでしたが、鳥取駅前に「すなば珈琲」という喫茶店があります。

 鳥取県は数年前までスターバックスが1店もなかったのですが、鳥取の方曰く「「スタバ」はないが「すなば」ならある」と。砂丘のことかと思いましたが同業他社のことだったようで、駅や空港では写真のような土産物も販売されています。入ってしまえば普通の喫茶店だと思いますが話のネタに一度行かれてみてはいかがでしょうか。

 

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 鳥取駅改札口付近にあった砂の美術館の広告。砂丘の入口にある美術館で7年ほど前に一度行きましたが見ごたえのある展示内容でした。詳細は別記事に書いています、この記事の最後に添付しておきますので、ご覧ください。

 

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 鳥取からの乗り継ぎは14時02分発快速「とっとりライナー」米子行です。快速「とっとりライナー」は2時間に1本程度の運転で、鳥取~米子間を1時間40分程度で結んでいます。

 

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 車内に入ると、クールな外見とは対照的に、どこか国鉄時代の気動車急行を連想させる内装で、好感の持てる車両です。なお写真は終点の米子に到着してから下車間際に撮影したものです。鳥取から乗車した時は立客も多数の盛況でした。今回乗車した便に限らず「とっとりライナー」の利用者は多く、始発以外からでは座れないこともありますので注意が必要です。

 

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 快速とっとりライナーの走行区間である鳥取~米子間は直線が多く、高速化工事が実施されているため、列車の速度は高く、

 

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 単線非電化でありながら、速度計の針は頻繁に最高時速の100kmに達していました。

 

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 米子方面へ向かう列車では、進行方向右手に日本海が見えますが、鳥取~米子間の場合、写真のように海岸線まで若干距離がある場合が多く、海を間近に感じることができる区間は限られています。

 

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 一方、進行方向左側には、倉吉をすぎてしばらくすると大山が見えてきます。

 筆者の場合、島根県区間を走る快速「アクアライナー」では、日本海や宍道湖を間近に見ることができる海側の席を選びますが、「とっとりライナー」では大山を眺めるため山側に座ることが多いように思います。

 

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 大山は標高1729m、関西より西の地域ではトップクラスの高山です。今回は雪の量や光線の角度などがよかったのか、ひときわ美しくみえました。

 

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 御来屋(みくりや)駅を過ぎたあたりが一番きれいに見えていたように思います。

 

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 15時46分。終点の米子に到着。米子市は、地理的には鳥取市より島根県の松江市や出雲市に近いですが鳥取県に属しています。

 

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 米子駅1番線ホームにある「吾左衛門鮓」。うどん・そばや駅弁を買うことができます。ホームからは立ち食いスタイルですが、改札を出で反対側から入店すると席に座って食べられるようになっています。

 

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 国鉄時代からの堂々とした駅舎は、間もなく建て替えられると駅舎内の掲示が伝えていました。高松への帰路は、駅前から岡山行の高速バス「ももたろうエクスプレス」を利用しました。つづきはこちらです。

 

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 記事中の「砂の美術館」についてはこちらをどうぞ。www.nishiuraexp.com

 

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岡山鳥取鉄道旅行2 快速ことぶきノスタルジー

 手持ちの青春18切符が3日分余っているので、高松から→岡山→鳥取→米子→岡山→高松(米子→岡山は高速バス)と巡る鉄道旅行を計画しました。本記事は2回目で、岡山から津山線の快速ことぶき(ノスタルジー編成)で津山へ向かいます。


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岡山9:42発の快速ことぶき津山行に乗り継ぎます。

快速ことぶき号は岡山と津山を結ぶ津山線を走る快速列車で、1997年にそれまで津山経由で岡山と鳥取を結んでいた急行砂丘号が智頭急行線経由の特急いなば号に格上げされる形で廃止されたため、途中の津山までの利便確保のため登場しました。

急行の後を継いだという経緯もあって登場からしばらくは一部が指定席になっていましたが、現在は全席自由席となっています。

今回乗車した車両は、数年前に「みまさかノスタルジー号」として運転するために改造された編成が、そのまま使われていました。津山までは1時間少々の乗車です。


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 国鉄色に塗り替えられた外観に比べると、車内の改造は小規模で、他の同形車両(キハ47)と変わらないように見えます。


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シートのモケットはオリジナルではなく、あえて国鉄ブルーにもどされたようです。


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座席脇のテーブルの下には「せんぬき」がありました。ペットボトルどころか缶飲料も少なかった時代の産物です。キハ20や旧型客車では標準装備だったようですが、昭和50年代登場のキハ47は最初からついていなかったと思います。


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車端のロングシート部分は、イベント列車らしい改造がなされていました。


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岡山を出て10分程ですが、窓に向いた座席の設置もうなずける豊かな風景が広がりました。並行する川は旭川です。


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もう一つ津山線に並行するのが国道53号線です。一般道ですが、市街地を抜けると法定速度は60キロで、岡山と津山を結ぶ路線バスも高速バスのような扱いで運転されています。運賃は鉄道とほぼ同じ1100円ですが、2019年3月現在キャンペーンで800円になっています。


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4人ボックス席の3人分が埋まる程度の乗車率であまり写真を撮れないまま、10:50終点の津山に到着しました。


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津山の古い駅施設に、ノスタルジーの国鉄色がよく似合っています。


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駅前は大規模な改修工事が終わり見違えるようになっていました。駅をでて右手に進むと高速バス乗場があります。

津山駅はJRと神姫バスが共同運行する中国高速線のターミナルになっており、大阪行のバスが概ね30分に1本という高い頻度で発車しています。

みまさかノスタルジーとも似通ったカラーリングの写真の車両は大阪駅から到着した神姫バスの車両です。


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駅を出て左手には路線バス乗場があります。写真は津山市のコミュニティバスで、桜の名所である津山城跡や衆楽園への足として利用できるようでした。

青春18切符があと2日分あるので開花情報を見ながら、もう一度訪問しようかと考えています。


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高速バス乗場に隣接して和風建築の待合室や土産物屋、喫茶店などが並んでいました。


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小型蒸気機関車C11の展示もあります。

今は非常に美しい状態を保っていますが、屋根のないところでの展示は苦労が多いと聞いたことがあります。


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駅前が綺麗になった代償というべきか、存在感のあった古い駅舎が見えにくくなってしまい、津 山 駅 と大きな看板が設置されていました。


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津山まなびの鉄道館は駅から岡山・新見方向へ徒歩10分程度です。

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(2016年5月に訪問時の写真:入場は300円で京都や大宮とは違った良さのある鉄道博物館でした。)

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(2016年5月訪問時の写真:鉄道模型コーナーもあり地元で活躍している車両が走っていました。)


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さて今回津山から乗り継ぐのは11:35発、因美線に入る智頭行です。


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乗客15人程度のうち10人くらいが鉄道ファンのようでした。

因美線の智頭以南の輸送密度はWIKIPEDIA情報で191人とのこと。数字だけみればバスで無理なく運ぶことぎできる人数です。


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津山の次の駅、東津山からが因美線区間です。左が因美線鳥取方面、右が姫新線姫路方面です。


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寄り添う川は引き続き旭川かとおもえば、旭川は鉄道でいえば姫新線新見方面へ別れ、吉井川水系の川沿いを走っているようです。


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JR西日本の閑散区間では、列車通過による軌道への負担を軽減することなどを目的に随所に25キロ制限の徐行区間が設けられています。


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後部運転台のスピードメーター。


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途中の停車駅は非常に簡素ですが、整備状態は悪くないようでした。地元の方の協力もあるのかもしれません。


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今度の25は勾配標です。「水平距離」1000メートルでの高低差を示しています。鉄道では急勾配の部類に入ります。


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勾配の頂上付近にある物見トンネルは3077mあり、これを抜けると列車は岡山県から鳥取県に入ります。


f:id:nishiuraexp:20190309134033j:image国境の長いトンネルをぬけても雪の「ゆ」の字もありません。今年は例年にない少雪だったようです。

 

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峠を下り智頭急行線と合流すると終点智頭に到着。智頭は鳥取市の南約30キロに位置する小さな街です。


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智頭急行とJR西日本の境界駅のため、京阪神から智頭急行経由で鳥取へ向かうスーパーはくと号など、すべての特急が停車しますが、駅前は静かな雰囲気でした。

 

 つづきはこちらです。

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【追加520円】青春18で利用できるマリンライナー指定席(岡山鳥取鉄道旅行1)

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 手持ちの春の青春18切符が3日分残っているので、高松を起点に岡山→津山→鳥取→米子→岡山→高松と巡る日帰り鉄道旅行を計画しました。(米子→岡山は高速バス)本記事は1回目で高松から乗車のマリンライナーについてです。

 マリンライナーは瀬戸大橋を通り、岡山と高松を55分程度で結ぶJRの快速列車で、1988年の瀬戸大橋開通と同時に運転を開始しました。早朝から深夜まで約30分毎に運転されています。列車は大半が5両編成で、そのうち岡山寄りの4両は京阪神の新快速などと同じ2人掛けの転換クロスシートを備えた自由席車両で、普通乗車券のみで利用できます。高松寄りの先頭車両については、首都圏の普通列車グリーン車とよく似た2階建車両になっていますが、マリンライナーの場合は1階部分は普通車指定席で、2階部分のみグリーン車指定席という扱いになっています。

 前置きが長くなりましたが、今回は高松発8:22のマリンライナーの指定席(2階建車両の1階部分)で岡山へむかいます。


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 行き止まりスタイルの高松駅のホームで発車を待つマリンライナー。


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 一番手前の車両が2階建車両です。車内に入ったところに階段があります。


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 席番2~9が2階グリーン車、10~18が1階指定席です。ちなみに平屋部分の運転席すぐ後ろの1番席(パノラマ席)もグリーン車扱いですが、2階席とは別枠で販売されているようなので、希望する場合は、みどりの窓口でパノラマ席希望と伝えたほうがよさそうです。高松寄りに連結されているので、前方の景色を楽しむことができるのは岡山発の列車にかぎられます。


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 1階の指定席のシートピッチは97センチで首都圏のグリーン車両と同等ですが、テーブルがない、リクライニング角度が浅いなど、2階のグリーン席と格差がつけられています。(2階グリーン席のシートピッチは100センチで首都圏グリーン車両を上回ります。)


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 なおグリーン席、指定席とも写真のような荷物スペースが設置されているので、大きな荷物はこちらに置くことができます。

 追加料金は指定席が520円、グリーン席は距離により異なりますが、岡山から高松までの場合980円です。グリーン席は首都圏の普通列車グリーン車と違い指定席ですので、青春18切符では利用できない点に注意が必要です。


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 正規の追加料金でも値段の価値は充分あると思いますが、JR西日本が発行するクレジットカードJWESTカードを持っていると、指定席を210円、グリーン席を460円で購入でき、パノラマ席を含めネット予約時に座席を選択できます。ポイントなどの面で特に優れているわけではないので、クレジットカード紹介のブログなどに登場することも稀ですが、年会費無料で、山陽新幹線や西日本の特急列車の指定席特急券が自由席特急券の値段で買えるなど、鉄道ファンでなくても持っていて損のないカードだとおもいます。


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 列車は高松出発から約20分で瀬戸大橋にさしかかります。橋上部分は対流の発生を防ぐ観点からだとおもいますが、線路脇に障害物がないため低い1階席でも2階席と変わらない眺望をたのしむことができます。


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 岡山県側は都市近郊の田園風景が広がりますが、岡山、高松の都市間移動に、岡山への通勤通学の乗客が加わり、普通車両はこの付近では混雑することが多いようです。


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 高松から55分程で、山陽本線をオーバークロスし、方向を変えながら坂道を下り岡山駅に滑り込みます。

 余談ですが、この付近の進行方向左手の線路脇に、カイタック不動産と広告を出したマンションが見えます。カイタックは世界一着陸が難しいと言われた香港の啓徳空港(すでに廃止)のことではないでしょうか。なるほどマンションの上階から岡山駅に進入するマリンライナーを見れば、旋回しながら滑走路に着陸する航空機のように見えるのかもしれません。オーナーは鉄道ファンか航空ファンなんでしょうか。


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 9:19定刻に岡山駅に到着しました。2階建車両は折り返しの度に、座席転換を兼ねた清掃作業がおこなわれ、車内はいつも清潔に保たれています。

 つづきはこちらです。

 

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《青春18》東海道線乗り継ぎ 東京⇒神戸9時間10分(北陸鉄道旅行4)


※2019年3月の乗車記ですが、2020年12月現在も時刻表上では同時刻での乗り継ぎが可能であることを確認しています。


前日に青春18切符を利用して、神戸から長浜・福井に立ち寄り小松へ。一泊して今朝小松発JAL184便で10時45分に羽田に到着しました。東京からはふたたび青春18切符を使い、東海道線乗り継ぎで神戸に帰ります。

 

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羽田から京急で品川へ、京浜東北線の快速に乗り継いで、東海道線の起点「東京」へ向かいます。

 

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東海道線全線を乗り継ぐ旅のはじめに東京駅舎を写しておきたかったのですがタイムリミットが迫り断念。熱海行きの快速アクティーが入線する前にグリーン券を用意しておきます。熱海までのグリーン料金は事前に買って乗車する場合780円です。(休日価格) 

 

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神戸への第1ランナーとなる東京駅12時37分発、快速アクティー熱海行が入線。「短い」10両編成での運転です。編成中間の2両が2階建てのグリーン車になっています。2階席は窓側が埋まる程度でしたが、眺めの悪い1階は空席多数で、今回は1階の窓側に陣取りました。首都圏の普通列車グリーン車は自由席ですので事前にグリーン券を購入しても席がない可能性もあります。

 

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新橋(12時40分)、品川(12時45分)と都心部を山手線・京浜東北線とならんで進みます。東海道線の終点神戸への乗継旅行の始まりです。

 

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グリーン車のシートピッチはJALのクラスJと同程度(96cm程度)です。他に普通車にはないサービスとしてアテンダントさんによる車内販売があり、ペットボトルのお茶や菓子類などを購入できます。お茶を買い支払いにSUICAを出すと「現金のみです」と言われたのは意外でしたが。

 

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横浜駅(13時01分)にて、1階席からの眺めも新鮮です。東京出発時点では空席も多かった1階席ですが品川あたりでほぼ埋まってしまいました。

 グリーン車の魅力のひとつに車内の雰囲気が静粛で落ち着いていることがあると思いますが、休日の昼下がりに東海道を下る列車のグリーン車は、連れ立って熱海などへ遊びにいく中高年グループが多く、よく言えば楽しい雰囲気なのかもしれませんが、筆者は車内の雰囲気にあまり良い印象をもちませんでした。

 

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13時43分。国府津を発車。写真に見える高架線はここから分岐するJR東海「御殿場線」のものですが、昭和9年に熱海駅~函南駅間に丹那トンネル(7804m)が開通するまでは、あちらが東海道線で、小田原・熱海方面に延びる現在の東海道線は、行き止まりのローカル線のような扱いだったようです。

 

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13時48分。小田原に到着。品川から8割以上の席が埋まっていたグリーン車ですが、まとまった数の乗客が下車し車内にゆとりができました。

 

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せっかくグリーン券を買ったのだから、終点熱海到着直前まで快適なシートに座っていたいところですが、熱海での乗り継ぎに備え、1つ手前の湯河原駅を発車した時点でデッキに移動し、進行方向右側のドアの前で待機します。トイレもここで済ませておくのが理想です。

 

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14時11分終点の熱海に到着。東京から乗ってきた快速アクティーは10両編成でしたが、ここで乗り継ぐ14時13分発の浜松行の普通列車は6両編成です。グリーン車は編成中ほどに連結されているので、ホームの対面に車両がある格好ですが、東京から編成の端の車両に乗ってしまうと、ホームを走っての乗り換えとなります。

 走るだけならよいのですが、写真のように先客がいるところへの乗り継ぎですので、座れなくなる可能性が高いというのが問題です。今回は10両から6両でしたが、極端な場合15両から3両ということもあります。編成中ほどのグリーン車も、その構造上、普通車より降車に時間がかかるので、先に述べたような「一駅前からドアの前で待機する」くらいの対策をしたほうがよいと思います。

今回は熱海で下車した乗客も多かったようで、ほぼ全員が座れたようでした。

 

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15時35分静岡到着。熱海から浜松までは2時間41分かかります。東京から熱海までの1時間34分と比べても、かなりの長時間乗車です。車内はロングシートでトイレの設備もありません。浜松から先はグリーン車ほどではありませんが、進行方向2人掛けの快適なシートを備えた車両を利用できますので、熱海~浜松の静岡県区間は東海道線乗り継ぎ旅行の「正念場」と考えておいたほうがよさそうです。

 

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16時12分、大井川を渡ります。

 

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16時54分。熱海からロングシートに座ること2時間41分、ようやく終点の浜松に到着です。駅前の茶色い高層ビルは新幹線からもよく見え、浜松のランドマーク的な存在です。

 

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浜松からの第3ランナーは7分接続、17時01分発の新快速米原行です。ここも先客がいるところへの乗り換えですが、編成が6両から8両に増えることもあり、先を争わなくても座ることができるようでした。

 

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2人掛けクロスシートのシートピッチは91cmです。運賃のみで乗車できる一般車両としては、トップクラスの掛け心地・乗り心地を味わうことができます。

 

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浜松を出てしばらく、静岡県から愛知県に入るあたりが一番空いていました。この先豊橋を過ぎると名古屋方面へ向かう客で混雑してくるので、トイレなど席を立つ用事はこのタイミングで済ませておきます。なお浜松から豊橋をこえて名古屋方面まで走る列車の本数は限られています。今回の乗り継ぎも浜松から米原まで直通するこの新快速を軸に前後の列車をつないだ格好です。

 

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17時25分、新所原駅では天竜浜名湖鉄道の車両が停車中でした。

 

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浜松から乗車している列車は新快速ですが、駅を通過するのは豊橋からです。豊橋を出ると速度も上がり時速120kmに達することも珍しくありません。豊橋より西の区間は一部をのそき、地方路線の特急列車以上の速度と快適性を享受できます。

 

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18時28分、東京から366kmを5時間51分で走破し名古屋に到着。ホームには乗客の長い行列ができており、この先岐阜までの約20分が、東京~神戸間で一番車内が混雑していました。

 

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19時03分、名古屋近郊区間の西端、大垣に到着。列車はここから関ケ原を超え、近畿地方(滋賀県)へ歩を進めます。

 

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19時39分。浜松から2時間38分で米原に到着。ここでは階段を使って第4ランナーとなる新快速網干行へ乗り継ぎます。発車は19時54分で15分の乗り継ぎ時間があります。

 

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窓側に座りたかったため、ホームの自販機でペットボトル飲料を買って、すぐに乗り継ぎ列車の車内に入りましたが、編成が12両と長いこともあり、空席が十分にありました。席を選ばないのであれば、15分の乗り継ぎ時間を利用して、トイレや食料の購入などもできそうです。

 

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進行方向2人掛けでシートピッチは浜松から米原までの新快速と同じ91cm。快適性は同レベルですが、東京出発から7時間が経過し、ここへ来て腰やお尻に多少の不快感を感じるようになってきました。行程や車内設備だけ考えれば熱海から浜松のロングシートが一番つらいと考えてしまいますが、シートの形状以外に時間の経過も快適性に影響を及ぼすこと頭に入れておいたほうがよさそうです。

 

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19時54分米原発車。12両の収容力と、お出かけ帰りの時間帯だった名古屋周辺に比べ時刻が遅くなったこともあって、京阪神が近づいても座れない人が多少出る程度の混雑で経過しました。

 

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20時42分 京都着。東京から513.6km、8時間5分。

 

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21時12分 新大阪着。東京から552.6km、8時間35分。 

 

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21時17分。大阪に到着、東京から556.4km、8時間40分の道のりでした。今でこそ新幹線で2時間半の東京・大阪間ですが、昭和初期にはSL牽引の特急つばめ号が最速でその所要時間は8時間20分でした。今回、普通列車と快速列車のみの利用で100近いであろう駅に停車して、戦前の特急「つばめ」と大差ない所要時間で到着できたことに、「のぞみ」の2時間30分運転とは違う形で鉄道の進化を実感させられました。 

 

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東海道線の終点は大阪ではなく神戸です。先に触れた戦前の特急「つばめ」の終点も神戸でした。ここで下車し姫路方面に走り去る新快速を見送って今回の乗り継ぎ旅行は終了です。

 

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神戸到着は21時47分。東京出発から9時間10分での到着でした。

 

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神戸駅5番線の線路脇にはこんな標識が設置されています。東京から589.34kmの東海道線はここで終わり、福岡県北九州市の門司へ至る山陽本線がここから始まります。

 

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米原付近からお尻や腰に違和感があったとはいえ、意外なほど疲れを感じませんでした。

鉄道は安全なだけでなく、体にやさしい乗り物だと思います。飛行機の離着陸の時のような気圧の変化もなければ、急加速・急減速もありません。揺れはあっても予期せぬ揺れというものは基本的にありません。

飛行機の旅行には雄大な機窓をはじめ鉄道にはない魅力があり、航空会社も飛行機の旅が楽しくなるような仕掛けを多数用意しています。その魔力もあって最近は航空の世界に浮気気味でしたが、久しぶりに本格的な鉄道旅行をして、その良さを再認識させられました。

東海道線乗り継ぎについていえば、今回は「乗り換えが少なく所要時間が短い」乗り継ぎを調べて実践しましたが、トイレや食事の確保と座席の確保の両立という点では多少やりにくさを感じました。(車内でトイレに立つと席がなくなる。乗り換えの時にトイレに行ったり食糧を調達していたら、次の列車で座れないのではないか。など)

そういう意味では全体の所要時間が多少伸びても、あえて1本見送るような乗継を設定したほうがよいかもしれません。個人的には乗り換えが少ないという点で今回の乗り継ぎは非常に優秀だと思うので、その良さは残して、米原で20分あとの新快速に乗り継ぐようにすれば、乗り換え回数はそのままで、米原駅の「駅そば」など鉄道旅行の楽しみを追加できるうえ、個人差があると思いますが、お尻や腰に違和感を感じたのも、そのあたりだったので、体をほぐすタイミングとしてもちょうどよいのではないか。と思います。

東京~熱海のグリーン券と青春18切符1枚の合計は約3000円、その価格でどれだけ快適で楽しい旅ができるかを競うゲームだと思って、東海道線の時刻表と格闘されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

JAL184便 小松→羽田クラスJ搭乗記(青春18 北陸鉄道旅行3)

  神戸を起点に青春18切符を利用した鉄道旅行をしています。本旅行記は3回目で、鉄道旅行の途中ですが、小松空港からJALを利用して羽田へ向かいます。 


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 JR小松駅徒歩2分のホテル「エアポート小松」803号室から撮影。カメラをズームすると小松空港に駐機するJALやANAの機体が見えました。


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 小松駅前の空港行きバス乗り場、他の系統とは区分され大きな看板も出ているので非常にわかりやすいです。

 

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 小松空港まで13分、運賃は270円です。バスのダイヤは鉄道にくらべ頻繁に変わるので、だいたい15分~30分に一本程度と覚えておけばよさそうです。ホテルの部屋から確認した感じではタクシーでも大した金額にはならないでしょう。

 


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 EVバスで運転とあった8時15分の便に乗車します。コミュニティバスなどでよくみかける日野の「ポンチョ」です。


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 車内は宇宙船をイメージしているようです。5分前に一般車両で運転の空港行きが出たばかりだったこともあり、客は自分1人だけでした。


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 ハイブリッド車両のようで、前方の信号が赤にかわり減速が始まると、放電から充電に表示がかわりました。


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 8時27分に空港着。SFCを目指している最中ですがJALを利用します。

 JALカード(平カード)の初回搭乗ボーナス1000マイルが目的です。早めに予約したこともあり運賃は7690円でしたが、これで1000マイルと通常のフライトマイルが付与されるのでかなりお得です。(もっともANAの平カードは乗らなくても1年更新ごとに1000マイルが自動的に付与されるのですが。)

 なお今回はクラスJの窓側にまだ空きがあったので、1000円追加でアップグレードしました。


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 小松空港のターミナルビルは、空港の全国的な知名度に比して小ぶりな感じがします。


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 上の写真の一番奥(制限エリア外)にあるカードラウンジ「白山」で搭乗前のひと時を過ごすことにしました。


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 それほど広いわけではありませんが、空いていて雰囲気も悪くありません。


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 受付にアメがありましたが、基本的にソフトドリンクのみのサービスです。

 


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 9時を過ぎて搭乗口へ。JAL184便 小松9:40発 羽田10:45着 の予定です。北陸は曇りで薄日も差していますが東京は雨模様のようです。


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 搭乗機 ボーイング767だと思います。


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 北陸新幹線も北越急行もなかったころ、金沢から東京への鉄道ルートについて「直江津廻り(上越新幹線のりつぎ)」と「米原廻り(東海道新幹線のりつぎ)」の2つのルートがあり、ともに4時間~4時間30分程度だったのですが、飛行機は当時の米原廻りに近いルートで約1時間のようです。

 

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 クラスJのシートピッチは98cm。東海道新幹線は普通車でも104cmあるのですが、横幅の違いからこちらのほうが広く感じられます。ANAの方が好みだが、JALも利用しないわけではない「穏健ANA派」を自認していますが、シートやそれに関係するサービスに限定すれば、JALの方がリードしているように感じています。


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 1時間前にチェックイン機で確認したときはクラスJに10席以上空きがありましたが、筆者のような直前アップグレードでほぼ埋まったようです。

 

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 機内誌「SKYWARD」。表紙の左下には「ご搭乗のお客様はご自由にお持ち帰りください」と書いてあります。ANAの機内誌「翼の王国」は単に「ご自由にお持ち帰りください」なのですが、「機内誌なのだから、手にする人は搭乗者じゃないのか。」といつも疑問に感じます。もしかしたら「開業医が持ち帰って待合室に置く」というような2次利用まで想定しているのかもしれません。逆に言えばそういう用途に使ってくれる人以外は、できれば持ち帰ってほしくない・・??」多分考えすぎでしょう。自室の本棚に本を並べるのが「趣味」の筆者はいつも遠慮なく持ち帰らせていただいています。 


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 せっかくの窓側席ですが、地上が見えたのは離陸直後のみでした。仕方なく上記の機内誌に目をとおしていて興味深い記述をみつけました。飛行機の着陸時の進入勾配が「3度」であるということ。意外と浅いという印象を受けます。

 

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 今回はマップもネット接続も問題なしでした。機長の放送によれば滞空時間は45分とのことで、先月利用した伊丹・松山間なみの短時間フライトです。


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 羽田空港は予報通りの雨模様。今日は東京マラソン開催日というのにランナーの皆さんに同情してしまいます。


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 東京からは再び青春18切符を利用した鉄道旅行にもどり、自ら別の記事(本記事の下に添付)でご紹介した、東海道線のスピード乗り継ぎを実践して、東海道線の終点神戸まで帰ります。乗り継ぎの第一ランナーは、東京駅発12時37分の快速アクティーですので、カードラウンジ「パワーラウンジSOUTH」にて時間調整をします。


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 第一ターミナルは制限エリア内のラウンジが到着利用できることに今になって気づきました。JAL利用の隠れたメリットかもしれません。なお朝限定のクロワッサンの配布はすでに終了していました。


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 ラウンジの座席から撮影。スターアライアンスラッピングのジャンボジェットはタイ航空のもののようです。


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 時間を見計らい京急で品川へ出て京浜東北線で東京駅へ向かいます。東海道線を乗り継いで神戸へ向かうのですから方向が反対ですが、今回は東京出発にこだわります。

  つづき東海道線乗り継ぎはこちらです。

 

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